生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

フルートと髭

2017-04-23 22:35:07 | 器楽・楽器

 フルートを始めようと思ったころ、世の中にはフルートのリッププレートに貼る滑り止めが売られていることを知っていました。どの程度有効なのだろうかと思いネットで情報を検索していたところ、男であれば下唇の下の髭を伸ばすことで滑り止めになる、という情報がありました。そこでさっそく髭を伸ばしてみました。

 フルートを吹くための構えは3点支持で、左手人差し指の根元を支点として右手親指で管体を強く押すことで、楽器のリッププレートを下唇の下側に強く押し付けます。更に音程によって微妙にリッププレートの角度を調整したりと、非常にデリケートな勘所でもあります。一般の人が思っている以上に強くリッププレートを下唇の下に押し付けていないと、容易にズレます。少しでもズレると音が出なくなったり、音量が出なくなったり、音程が下がったり上ずったりします。右手の親指は楽器を支えるだけで運指には関係ないのであまり気になりませんが、左手の人差し指は運指でも大活躍する指なので、楽器を支えつつトーンホールを開け閉めする訳で、慣れないと管体が簡単にズレます。右手の人差し指の根本と管体の関係がブレるとこれまた容易にリッププレートがズレて音が出なくなったりします。

 上級者であれば、どの様に運指をしても管体を支える左手人差し指の根本はしっかりと楽器をホールドしていますが、私程度ですとまだまだ左手人差し指の根元が管体を支えきれません。それでもリッププレートのブレを最小限に納まるように、楽器の3点支持も吹くたびに様になって来たかなと思うようになりました。そうなると、別に髭がなくても十分に楽器を3点支持出来るのではないかと思うようになり、数日前に髭を綺麗にそり落としてしまいました。その結果、髭が滑り止めになっているという実感は全く無かったのですが、いざそり落としてみると若干の効果があったことは確かな様で、運指によってリッププレートが滑りやすくなっているようです。髭をそり落とす前よりも若干ですが下手になってしまいました。

 ということで、もう一度下唇の下の髭だけ伸ばすことにしました。それまでの間に市販されているリッププレートパッチを購入しようかとも思いましたが、N原先生に相談したところ切手シートの外周の余白部分を張ればゼロコストで十分に滑り止めになるとのことです。とは言え電子メールの時代で切手を購入することもほとんどありません。そこで不織布の粘着テープを貼ってみたところ、十分に滑り止めになります。大手楽器メーカーが滑り止め専用にリッププレートパッチを販売すれば、純真無垢な青少年は購入してしまうと思いますが、原材料費から考えると随分と高い買い物の様に思われます。100均で売っている一番安い不織布粘着テープで十分ですね。それも髭が伸びてくるまでのせいぜい1週間でしょうか。とすれば会社に行っている月曜から金曜はどうせ練習出来ないので、不織布テープを貼る必要すらないということですね。

 ことほど左様にフルートを構える3点姿勢だけでも、なかなか微妙に難しいというお話でした。