生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

パウル・ヒンデミット 交響曲「画家マティス」

2017-04-20 23:19:53 | 器楽・楽器

 ヒンデミットと言えば、このブログを見て頂いている方であれば名前ぐらいはご存知かと思います。しかしその作品を実際に聞いたことがあるという方は少ないでしょうね。現代音楽の作曲家の中に列せられると思います。その代表的な作品の一つに交響曲「画家マティス」があります。私自身確認するまで勘違いをしておりましたが、「画家マティス」はフランスの野獣派の代表として知られるアンリ・マティスではなく、16世紀のドイツの画家のマティアス・グリューネヴァルトのことなのだそうです。「画家マティス」は交響曲と同名のオペラとが並行して作曲された兄弟作品なのだそうですが、ヒンデミット自身はドイツ人だったもののユダヤ人の音楽家との親交を大切にしていたことでヒトラーに演奏・上演禁止を申し渡されたそうです。それに正面から反対したのがフルトヴェングラーで、フルトヴェングラー自身が”ヒンデミット事件”と称してヒトラー・ナチスに反対する主張を新聞紙上で展開したそうです。

 まさにその時に作曲されていたのがこの「画家マティス」ですが、交響曲「画家マティス」についていえば、調性感もかなり感じられ、現代音楽というよりも十分に後期ロマン派の範疇に入る作品だと思います。日本でもプロオーケストラの定期演奏会などで演奏されても良いのではないかと思いますが、ヒンデミットの作品と言うだけでチケットの売れ行きが宜しくないことになりそうですね。作曲家の名前に染み付てしまった印象というものは恐ろしいものですね。私の耳には現代音楽的な要素は多少あるものの十分後期ロマン派の作品に聞こえますが、日本国内で演奏される機会はあるのでしょうか。

 ヒンデミットは1895年生誕、1963年没なので、生誕100年も没後50年も過ぎてしまってしばらくはメモリアルイヤーはなさそうですね。「画家マティス」に限らずヒンデミットの作品を生で聞いて見たいものです。