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教員制度改悪

2013年04月15日 | 時事
教員制度改革:「試用」3〜5年 新卒は准免許 自民検討

新規採用後、いわゆる「条件付採用」の期間を1年から3~5年に延ばす方針のようです。

教員は一応公務員なので、一旦本採用になれば不祥事でも起こさない限り辞めさせられることはまずありません。そのため、指導力不足の教員が自らの指導力を伸ばすこともせずにのさばっている・・・というのが世間一般の見方なのでしょうか。そんなわけで以前の安部政権の時に教員免許更新制という史上最悪の行政介入が行われ現在に至っているわけですが、今回さらに最長5年間様子を見て、教員に向かない人材であると判断すれば「仮採用」を取り消す、という処分を可能にする制度もつくろうとしているようです。

では、免許更新講習や5年目まで研修などでみっちり学べば教員としての資質が向上するのでしょうか。ちなみに免許更新制が始まって5年経ちましたが、教員の不祥事は全く減っていません。これは、単に研修を多くするだけで教員の資質が向上するはずがないということを如実に物語っています。包丁も握らずに料理本ばかり読んで資質を高める料理人がいるでしょうか。医学書に書いてある通りに手術ができる医者がいるでしょうか。建築の歴史ばかりを勉強しカンナも持たない大工がいるでしょうか。アナリーゼの研究にばかり勤しみ練習を怠るピアニストがいるでしょうか。・・・教員も、現場で日々最前線の指導技術や理論を学んでいるのです。新しくなった教科書を読み込み、目の前の児童に少しでも力をつけるため、様々な方法を模索しています。子どもも毎年変わりますし、教科書も変わります。よくある講習会などで得た知識が明日の子ども達に役立った試しなど一度もありません。それよりも、先輩の先生に相談し教えてもらったことの方が100倍役に立ちます。そこに行政が介入する余地はないと思いますがいかがでしょうか。

実際、自分は今年12年目研修と免許更新に当たっていますが、何をするかというと夏休みに開講される講座を受けたり、実習校の研究発表会に参加したり、研修会に出たり論文を書いたりするわけです。そんなこと人に押し付けられるまでもなく個人的に毎年やっているわけですが、今年はそれをお金(合計3万円)を払ってやって来て単位認定を受けるらしいです。同じ研修でも、個人的に勉強しにいくのと、強制的に参加させられるのでは全然違います。どちらが学びが大きいかは言うまでもありません。特に、若い世代に締め付けを厳しくすると、ただでさえ指導技術が未熟な上に肝心の子ども達に向き合う時間がさらに削られるわけで、資質以前にモチベーションややりがいをなくしてしまうような気がします。親の問題、子どもの問題ととやかく言われていますが、もちろんほとんどの保護者は協力的ですし、ふとした時に見せる子どもの生き生きとした姿にパワーをもらって何とかやっているのが実情です。大失敗した授業で「今日の授業は面白かったよ」などと言われると、次こそがんばろうと思うわけですね。そうして試行錯誤しながら日々学んだ方が、「指導してやるから教室を空けて出て来い」と言われるよりほっぽど有効だと思います。

4月は現時点で残業60時間なわけですが、我々教員がこれほど多忙な中何とかやっていけるのは、子ども達の将来を思うからこそです。次の選挙のことしか頭にない短絡的な行政の考えでその子どもと向き合う時間をさらに減らし、資質向上の機会をも減らす制度改悪は、早急に廃止にしてもらいたいと思います。
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