KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

輝く!日本マラソン大賞2021vol.2

2022年01月23日 | 日本マラソン大賞
殊勲賞
細谷恭平(黒崎播磨)
佐藤早也伽(積水化学)

九州の老舗実業団、黒崎播磨。旧社名は黒崎窯業で八幡製鉄グループの耐火煉瓦メーカーだが、陸上競技に於いては、カネボウから移籍してきた澁谷明憲監督就任以後、旭化成、三菱重工に次ぐ九州の三強チームに躍進している。その黒崎播磨所属の細谷、空前絶後の好記録ラッシュとなったびわ湖毎日では2時間6分35秒、前年同大会での初マラソンのタイムを一気に22分も更新して3位。そして福岡国際では2時間8分16秒で2位。2大会連続で結果を出してみせた。マラソンに於いて重要な事はこれなのだ。2回続けて結果を出す事。一時期の日本人マラソンランナーは、2回続けて結果を出せないのでなかなか横綱昇進が出来ない大相撲の日本人大関のような状態が続いていたが、ようやく、2回目に失敗しないランナーが育ってきた。
今や女子実業団最強になった積水化学。高橋尚子や鈴木博美を擁した、小出監督時代も上回る陣容だ。1500m東京五輪代表の卜部蘭、10000m代表で日本記録保持者の新谷仁美と並ぶ「マラソンなら佐藤」の地位をナゴヤウイメンズ2位で築いた。

努力賞
大塚祥平(九電工)
松田瑞生(ダイハツ)

今年も努力賞の大塚。夏でも冬でも上位にゴール出来る、中本健太郎の後継者というべき安定感のあるランナー。今回も東京五輪の補欠してトレーニングを続けてきて年末の福岡国際で3位。ここでも安定感ある走りを見せてくれた。このまま「善戦マン」で終わって欲しくないランナーだ。松田瑞生。昨年は手中にしかけた五輪代表の座を一山奈緒に奪われた。その一山が大阪で日本最高記録に挑戦した翌々月、前年に一山が大会記録で優勝したナゴヤウイメンズにチャレンジ。一山のタイムには及ばずも自己ベストより4秒差の2時間21分51秒で優勝。2020年代の日本の女子マラソンは一山と松田を中心に動いていくことは間違いない。

ここで、「マラソン大賞」とは少しずれる話。東京五輪の1年延長が決定し、瀬古ディクレクターは6人の代表を変更しない事を早々と表明した。40年前に代表に選ばれながら、五輪の本番レースを走る機会を奪われるという途方もなく絶望的な体験をした方の判断だけにケチのつけようが無かった。しかしながら東京五輪本番の、大迫と一山以外の4人の走りを見て、1年延長のコンディショニングの難しさを感じた。今更言っても仕方の無い事だが、大塚と松田、この2人の補欠のランナーが本番を走る機会は作れなかったのだろうかとも思えてしまう。

分かっている。マラソンは個人競技だ。マラソンのメダルは日本のためのメダルじゃない。選ばれたランナーに、「辞退する勇気」を求めるべきだったのか否か。今後、ずっと残りそうな、なかなか答えが出せない疑問である。

ブライテストホープ賞
土田英和(Honda)

びわ湖が空前の記録ラッシュとなった最大の理由は、別大毎日、延岡西日本、東京が中止になって、出場予定ランナーたちが多数スライド出場してきたからだと言われているがそのびわ湖で日本最高記録の鈴木健吾に次いで2位でゴールしたのが土田英和。國學院大卒業直前の昨年の東京で2時間9分50秒でゴールし、学生ランナー5人目のサブテンでマラソンデビュー、びわ湖でも日本歴代5位の2時間6分26秒で日本歴代5位。ベルリンでは9位に終わったがMGCのトップ10は世界に「名前を残す」結果だ。次はチームの先輩の設楽悠太の記録越えが目標になってくるだろう。


新人賞
作田将希(JR東日本)
松下菜摘(天満屋)

2021年の箱根駅伝で旋風を巻き起こした創価大学。往路優勝で復路も最終区の後半まで首位をキープし、駒澤大学に逆転を許すも大善戦。
「2位で悔しい大学になった創価大学。」
という名実況も生まれた。その創価大からJR東日本入社2年目の作田、びわ湖毎日で初マラソン2時間7分42秒と、初マラソンの日本記録をマークした。マラソンでも最近活躍の目立つJR東日本だが、2019年のMGCには選手を送り込めなかった。2023年(もう来年である!)にはぜひとも。

男子に比べてめっきり層が薄くなった日本の女子マラソンだが、それでも天満屋はきちんと新しい選手を送り出してくる。ナゴヤウィメンズで初マラソン3位の松下菜摘、特筆すべきはシドニー五輪女子マラソン7位入賞の天満屋OG山口衛里がコーチを務める環太平洋大学出身である事だろう。 


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「NEO MOMA 掲示板」が終わってしまいます。 (くろまき)
2022-04-05 00:03:52
かんちゃんさん、お久しぶりです。

主戦場がTwitterやこちらのブログに移られてしまったので、なかなかご挨拶ができないうちに、あの掲示板のサービスがこの8月1日をもって終了するようです。

最後の砦ともいえた「すまろう」さんもどうやらすっかり見限られてしまったようでこの半年ほど誰も訪れていない状況でしたので、「強制退場」になっても問題はないのでしょうが、20年近くお付き合いした私からすると寂しい限りです。

今日、たぶんこれがあの掲示板の最後の書き込み(私だけでなくすべての方の)と思い「惜別の辞」を書かせていただきました。

お目通し頂ければ幸いです。
Unknown (かんちゃん)
2022-04-05 22:51:08
くろまきさん、ありがとうございました。
こちらのブログも最近、ようやく再開と思った矢先の、Neo MOMA掲示板のサービス終了。失われて始めて気づく価値の大きさを感じています。
管理人としては、せめてこの4ヶ月、かつての賑わいを取り戻して最期を迎えようと思っています。

コメントを投稿