鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

笑う女。

2009-03-25 | 日々のこと。
仕事から帰宅し食事を終えると、
午前1時ごろまで梱包するのがこの1ヶ月の日課です。

先日もふだん使いの器たちをダンボール箱に収め、
一息つきかけたときのこと。
キッチンキャビネットの下段、薬箱などを仕舞っていたところに、
なぜかポツンと蓋付の小鉢が1客ありました。

「なんでこんな所にまだあるの~」
独り言を言いながらその蓋をあけると、
黒い皮の印鑑ケースがコロン、コロン。

「ぁ、あった~♪」


7~8年、ずっと探していました。
一人暮らしをはじめることになる前後、大枚はたいて作った印鑑でした。

ところがある日。
もし、万が一。空き巣にでも入られたときのためにと何故かアホな妄想をし、
隠してしまったのが運のツキ。

それから時間が流れ、その印鑑が必要になった時、
隠した胡桃の場所を忘れたリスのごとく、全く思い出せず、
あの印鑑はいったい、どこへと相成りました。

寝室のどこかに隠したと思い、箪笥、ドレッサー、押入れの中など、
ずいぶんと探しましたが見つからず、
今日まで。


その印鑑が、です。
思いも寄らなかった所から。

夜中に、手に小鉢と印鑑をもって、
ゲラゲラ笑う女、一人。