鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

二百十日。

2009-08-31 | 日々のこと。
二百十日の風を鎮め五穀豊穣を願う、ひと月おくれの盆が風の盆。
今年は台風がやってきていて、まさに・・・。

前夜祭の終盤も雨にたたられ、土曜、日曜は町流しが中止になってしまい、
せっかく来られた観光客の方々がお気の毒でした。
かくいう私も土曜日、踊る気満々だったのにがっかり。
まとわりつくような霧雨でした。

さてもうあと20分も過ぎれば9月1日。
いつも美味しい珈琲を頂いている上新町の喫茶「つどい」のママやマスターらは
「酔芙蓉の会」という連をつくっていて、
1日の午前1時ごろに町流しに出られるお話をお仲間とされていました。

観光客の少ない時間に自分たちのおわらを楽しもうと思ったら、
1日になったばかりの深夜の時間帯しか、もうないそうです。
今頃は町流しに出られる準備を整えいらっしゃるころでしょうか。


私はといえば、今から3日分ほどの荷造りをし、
1日、仕事を終えてから八尾に車を走らせます。
交通規制もあるので店に辿りつけるのは8時過ぎかな。

ではでは、しばらく音信不通、行ってきま~す!


連絡)vinoさん、straussさん。
雨の降った夜は、涼しいを通りこして寒いです!
長そで必携、念のため雨具も持ってきてくださいね。
ではお会いできること、楽しみにしています。



藍染め体験報告。

2009-08-28 | 日々のこと。
さる25日、以前から参加したかった白山セミナーハウス望岳苑での、
藍染め体験セミナーへ参加してきました。
この日は金沢駅からバスで白峰に向かいました。
片道60キロのバス旅行!

バスは金沢の繁華街から隣町の野々市を過ぎ、
やがて加賀の菊酒で知られる小堀酒造や菊姫の酒蔵がある町・鶴来を通って、
白山麓へと向かいます。
このあたりからだんだんと周囲の山が高くなり、
山を分け入ってバスが進んでいきます。

瀬女(せな)から尾口にかけ、道はさらにぐんと高みを増し、
眼下には翡翠色した手取川の流れが見えます。
この川を堰き止めて作られた手取ダムの水底には、
旧尾口村と旧白峰村桑島の集落が沈んでいます。

桑島は牛首紬の織里でした。
村が湖に沈んでもその伝統を絶やしてはいけないという信念に貫かれた
加藤夫妻をはじめとする人々の手により、今の牛首紬があります。

私が体験する藍染の藍は、この紬を染めるために村で育てられていたものです。
それを望岳苑の前庭でも育てており、
毎年、藍の花が咲く前に藍染めのセミナーを開いているのだそうです。

道はダム湖にそって奥へ伸び、長いトンネルをいくつも抜けると、
やがて白峰の集落。
バスを降り、名物トチ餅などを売っている「かんこの家」前で、
望岳苑の支配人・Yさんに車で迎えに来ていただいて、望岳苑に到着です。
望岳苑前のスロープにはススキが銀色に輝き、秋の到来を実感。
去年はここで茅刈体験もしました。

セミナーは既に始まっており、
今回おこなう2種類の染めのうちの「生葉染め」の染液を搾っているところでした。
方法は刈り取った藍から葉をむしり、ミキサーに葉と水を少し加えて攪拌。
それを木綿の袋に移し変えて袋をぎゅっと搾ります。
この日の参加者の一人、小学1年生のイッセイ君がY支配人といいコンビでこの作業を繰り返し、
4Lほどの染液ができあがりました。

出来上がった液は濃い緑です。
ここにあらかじめ輪ゴムや割り箸などでくくった絹のスカーフを水で湿らせ、
染液につけること約10分。
冷たい山水で洗い流すと、秋空のような爽やかな清んだ青!


思い思いに染め上がったスカーフを、風になびかせ干している間に、
午後から行う煮染めの準備にかかりました。
煮染めに使うのは、葉をむしったあとの茎の部分です。
茎を節のところでぽきぽきと折って鍋いっぱいにいれ水を7割ほどいれて火にかけます。
沸騰してから20分で火を止め、布で茎を漉して煮染めの染液が出来上がり。
生葉とちがってこちらの色は暗灰色の染液です。
絹は熱に弱いので染液を人肌程度にさまし、スカーフを20分ほどつけて糸に染みこむのを待ちます。
それから初色を促すためと定着させるための媒染液(今回は木酢液と鉄)につけて水洗い。
渋いつるばみ色に染まりました。

染め上がる間、子供たちが歓声をあげて水と戯れ、
大人たちはそれを微笑みながら見守って。
そんな心地いい時間に、
あちこちこり固まったものがゆるゆる溶けていきました。



さて、ここから先は私のスカタンなお話し。
いつもは白峰には車で来ているので、時間が過ぎるのを意識せずにいました。
そろそろ帰ろうかなと「帰りのバス時間いつでしたっけ?」と
のんびりスタッフのSさんに尋ねると、
「あっ! Kさんバスだった~。今日はもう、バスない・・・・・・」と。
支配人も藍を刈りながら「そうだった、バスだったね、ははは!」。

泊まってもよかったのですが、次の日は仕事。
幸い、参加者のお一人で小松市の陶芸家Tさんがまだいらっしゃったので、
その車で鶴来まで送っていただくことになり、一安心。
そして、車の中で話しがはずみ、鶴来をすぎて車はどんどん金沢に近づいてしまい、
Tさんのご好意にすっかり甘え、実家近くまで送っていただきました。
Tさん、大変ありがとうございました。助かりました。

初秋の一日、心身ともにリフレッシュ。いい日でした。

二百十日に夜風をひいたやら。

2009-08-24 | 八尾だより。
週末の土日に行われた前夜祭。
大勢の見物人が訪れていました。
東新町の会場はケヤキの古木が葉を茂らせる若宮八幡宮の境内。
赤い提灯の灯火が踊り子たちをより艶やかに照らしだし、
また早乙女姿のちいさな子供たちの姿が愛らしかったです。


おわら節の長はやしに、

 二百十日に 夜風邪をひいたやら 毎晩おわらの 夢見てならない

というものがあります。
夜風にあたりすぎたのか、
二百十日の前に本当に風邪をひいてしまいました。

今週は27日木曜日と29日土曜日が、
店のある上新町の当番。それまでに治そう。

写真の灯りは店のものです。
皆様、これを目指して来られませ~。


藍染体験へ。

2009-08-20 | 日々のこと。
毎年、しつらいセミナーでお世話になっている
白山セミナーハウス望岳苑へ、
来週打ち合わせに行ってきます。

うかうかと大野の家にかまけていたら、
セミナーの打ち合わせがすっかり遅くなってしまい、
先方の都合はどうだろうと思って望岳苑のホームページを開くと、
藍染セミナー開催のお知らせが目に入りました。

望岳苑の前庭で育てている藍を使っての生葉染と煮染めです。
藍の収穫期にしかできない贅沢な染め方。
変わったイヌタデだなあとスタッフの方が思っていたら、
白山に自生する藍だったそうで、それを毎年大切に育てていらっしゃいます。
(きっと昔は牛首紬の糸を染めていたやもしれませんね。)

よし、打ち合わせはこの日に行こう♪
さっさと有給休暇をもらい、さくさく行く段取り。
藍染もして、打ち合わせもして、一石二鳥!

民俗資料館での茅刈り体験も、今年は開かないのか、
それも気になっていたので、その確認というか尻叩きもいれると三鳥?

生藍を使った藍染体験、楽しみです。
まだ定員に空きがあるようなので、
白山を仰ぎながら、貴重な体験をどうぞ~。



今宵から「おわら風の盆 前夜祭」。

2009-08-20 | 八尾だより。
今日20日から、おわら前夜祭が始まります。
トップバッターは、かつての花町の面影が残る鏡町から。
お天気にも恵まれていい前夜祭の始まりになりそう。

土・日は二町同時開催ですから、
二つの町の踊りが楽しめます。

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各町内「風の盆」前夜祭の日程 輪踊りと町流し
       (午後 8:00~午後 10:00) (雨天中止)

開催日    開催支部   前夜祭会場

8月20日(木)  鏡町     鏡町通り

8月21日(金)  天満町    天満町通り

8月22日(土)  東新町    若宮八幡社広場
        西新町   西新町通り
 
8月23日(日)  東町     東町通り
        今町    今町通り
   
8月24日(月)  下新町    下新町通り

8月25日(火)  西新町    西新町通り

8月26日(水)  今町     今町通り

8月27日(木)  上新町    上新町通り

8月28日(金)  福島     ふれあい広場・駅前通り

8月29日(土)  諏訪町    諏訪町通り
        上新町    上新町通り

8月30日(日)  西町     西町通り
        鏡町

ゆ~る、ゆる。

2009-08-17 | 本のこと。
お盆と共に長雨がやみ太陽が戻ってきました。
それでもウスバカゲロウの翅を通したかのような日の光は、
もう秋を宿しています。

皆様お盆休みはいかがでしたか?

私はゆ~るゆるのお盆を過ごしました。
お盆休みは二日だけでしたが、もう充分と思えるくらい。
思えば、こんなに何もしない時間は半年ぶりだったかもしれません。

さすがにお盆でしたから市内三箇所のお墓参りへは出かけましたが、
あとは実家で昼寝と読書でした。

にぎにぎしい蝉の声やら、
階下からする某局のど自慢をみて笑う二親の声なども合わせ聞きながら、
ごろんと畳の上に寝転がって本を開き、
読み疲れるとそのまま夢の国へ。シアワセだ~。


このお休みに読んだ本たちは以下の4冊です。
長野さん以外は実家の書架にあったもの。

 石牟礼道子さんの「猫」
 出久根達郎さんの「御留山騒乱」
 浅田次郎さんの「霧笛荘夜話」
 長野まゆみさんの「あめふらし」

石牟礼さんの言葉はまさに言霊でして別格。
この世とあの世の分明ならざる世界の言葉がぷかぷか浮遊しています。

出久根さんのは暇つぶしに。考えずに読めます。

浅田さんのは創作の王道。流石といえば流石ですね。

長野さんのは、この手の世界がワカル人じゃないとしんどいかも。
梨木香歩さんの家守綺譚と同じ世界だけど、個人的には家守の方にある湿度がスキ。


今週半ばから風の盆が始まることもあって、
ことさらゆるゆるしましたが、満ち足りました。


まもなく風の盆!

2009-08-13 | 八尾だより。
七夕しつらい遊びに始まって、
骨董の企画展、先日のお座敷遊びと続けさまに催しを行いまして、
平日フルに仕事を抱える身には、
いささかハードな日々でした。
ひとまず、予定していた「かたかご庵」での夏の催しはこれで終わり。

次の開庵は「町家巡遊プロジェクト+こまちなみフェスタ」が行われる
10月10日~12日。
予定では、月見のしつらい遊びを行います。

日時が八尾の坂のまちアートと重なっているので、
骨董の企画展を、あわせて行うか、
または別の機会にするかは悩むところです。


今週は仕事へ行って、今までの疲れをとっているような気もしたけれど、
職場も実は某コンクールやセミナー開催に向けて、
慌ただしいのでありました。
それでも明日からは世間並みに他のスタッフはお盆休み。
私は風の盆のために返上して、ひとりぽつねん事務所。
事務所でなにしよっかな~。。。
遊ぶ気満々?
な~んて、やることは沢山あるので暇を持てあそぶことはありません。


それはともかく。
さあ、8月20日から風の盆前夜祭がスタートです。
心がわくわくします。
最近のBGMはおわらです。

前にも書きましたが、
今年が八尾で店を開けられる最後になりそうですからね。
楽しみますよ、踊りを♪ ←(商売じゃないのかい!と突っ込んでおく)

前夜祭の日程はこちらの通り。
店のある上新町は27日木曜と29日土曜です。
楽しみましょう、楽しみましょう、泣いてしまうかもしれないけども。


お座敷遊び、ご参加ありがとうございました。

2009-08-10 | 金沢大野湊 かたかご庵
この日に限って暑い日差しがもどった金沢。
玉師匠、汗だくでがんばってくださいました。
ご参加いただいたお客様も、お暑い中、ありがとうございました。

前日より厨周りに気を取られて
始まりのご挨拶に出なくちゃ・・・と思っているうちに、
玉師匠、新内流し風情ですでに廃語に、三味線の音・・・・。

え~い、もういいか、締まりがないけどはじめていただこう。
「ほら、暖簾を色っぽくあげるのよ、そうじゃない、こうよ!」と
師匠に叱られ、始まりました(苦笑)

「こんばんは~、江戸時代から参りました」と座敷に入られ、
にぎにぎしくはまずはやっこ。
玉師匠、歯切れのいい話芸も素晴らしく、
座を飽きさせません。

前半は端唄や小唄、皆からのリクエストにも応えながら、
御歳80歳を迎えられたとは思えない、ハリと艶のある声で
楽しませてくださいました。

休憩をはさんだあとは
お椀とお茶碗を使った遊芸や、
御座敷遊びの定番とはいえなかなか実際には体験できない
「金毘羅ふねふね」「虎虎」など、
かわるがわる皆さまに前にでて遊んで頂きました。

笑いの絶えない1時間半あまり。
一番大声で笑っていたのは玉師匠だったような。
お元気なわけです。

お客様の帰られたあと、庵でそのままお食事をとられ終始ご機嫌。
大好きなお肉をつっつきながら、ジャニーズ事務所子たちのお話、
愛犬のお話などを楽しくお話しされてお江戸に戻られました。

色々と不備があったにも関わらず
帰りがけに「また来るわよ~!!」
ありがとうございました。

来年は秋風のたつ涼しいころに、
またのお目もじ叶いそうです。
皆さまもお楽しみに。
ありがとうございました。


今年の梅仕事。

2009-08-05 | 台所と酵母くん。
7月の七夕しつらい遊びを終えたあと、
今年も梅仕事をしました。

今年ははりこんで、
和歌山の梅農園から南高梅を注文して作りました。

梅酒、梅ジュース、
そして梅干しには不向きとありましたが梅干しも少々。

梅酒と梅ジュースは順調に漬け込み、
梅ジュースは先日の企画展のときにもお客様にお出しして、
残りはもうわずか。

しかし、問題は梅干しです。
お天気がずっと雨続きだったから、
なかなか梅を天日に干せないままで、もどかしい!!

来週こそ、干せるといいなぁ。

お座敷遊び。本日、募集を〆めますね!

2009-08-04 | 金沢大野湊 かたかご庵
大風呂敷を広げて定員35といたしましたが、
会場の都合他でそろそろ募集を〆めさせていただこうと思います。

おかげ様で昨日現在で25名のお申込になりました。
そこへ私と茅文研のSさんをいれますと、総勢27名。
座って楽しんでいただける限界人数になりました。

このあとおそらくご近所の方々がふらりといらっしゃりそうな気配もし、
こうなると大野の家も広いようで狭い!!

会場は昨夜のうちにおおよそしつらい終えました。
あとは心ばかりのもてなし料理の準備に向かうのみ。

どの器を使うおうかな~と、
また夜中にごそごそしていてふと思い出したのが
「低血圧は規則正しい生活をすることです」との看護師の言葉。
先日の健康診断で相変わらずの低血圧でした、私。

しかし低血圧とテンションはべつもの。
玉師匠を囲んで楽しい会になりますよう、
陣頭にたって努めまするよ~。