やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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呪いアプリー62話

2012-06-29 07:26:59 | 小説
「こんな部屋しかなくてすみません」

殺風景な取調室に通された。

「警察の窓口しか知らないんで、初めてですよ。こんな作りになってるんですね」

頭前は珍しそうに見渡した。

TVでよく見る部屋だ。

一巡すると見るものは他に無い。

「早速本題に入りましょうか」

どっかりとイスに腰をかけて、赤岩が言う。

「えぇそうしましょう」

頭前も席につき、机の上に両肘を置いて前かがみの体制で、赤岩の顔を覗き見た。

「写真を幾つか持ってきましたよ。これが五芒星です」

「へ~始めてみました。こんな感じなんだ。。。」

どういう向きで、どの文字が何を表しているのか、頭前にはまったくわからなかった。

その五芒星には大きなシミ跡がついている。

たぶん清浄師の血の跡だろう。

「このシミのところだけ、五芒星は消えていますよね。これは血で消えたのでしょうか?それとも元々出来上がってなかったのでしょうか」

「なんでそんなことを?」

「いえ。ここに来る前にネットで調べてみたんです。完成したものでは効力はあるが、未完成だと全く力はないと言います。もし見えない力なら、完成する前に狙うかなと」

「記者さんだからありとあらゆる想像ができるでしょうが、我々は警察だ。そんな目に見えないものなんて興味ない。父親が殺人を犯した動機を見つけてもらえないですかね」

「父親が殺人を犯した動機というのは、刑事さんが言われた口論というのが一番近いのかもしれない。でも記憶が無いと言ってるのなら、そう言う力・・・たとえば催眠術とかもあるかもしれないでしょう」

「それと五芒星の関係がわかりませんね」

「五芒星には見えない何かしらのパワーがある。完成していれば、催眠術でも効かないとか・・・」

「夢の世界です」


コメント
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