夢在西安…? 大陸的☆☆生活

中国に留学してみました

一線越え天国…☆

2013年05月10日 | 旅行
おもしろ眼鏡が壊れて面白くなくなった山崎邦正が、久々に隣の席に座った。
慣れというのは怖いもので……いや、慣れと言うより、越えてはいけないものを越えてしまったらしい。ヤツの落ち着きのなさが妙にかわいく思えてしまう。
授業中、上半身をゆらゆらさせ、貧乏ゆすりをし、あたしの筆箱をいじりだし、ワケのわからない野次を飛ばす。
愛らしい。
あたしの中に芽生えたこの感情は何だろう?(断じて恋ではない)

今日はあたしの教科書を来た人に貸してあげたので、ヤツの教科書を見せてもらった。
顔が近い。ヤツは全然気にしない。
顔の近さを気にするのは日本人だけなのだろうか。顔を近づけてくる子、ほんとに多い。

顔の近さで言えば、“3D”。
あんなに怖かったのに、道端ですれ違っても気づかない振りしていたのに、最近はこれまたカワイイと思える。
ハイタッチとかもしちゃう。
ここに来てあたしの許容範囲がぐんと広がったのしら。

午後、英語の宿題が終わって、“佐々木浩一”の部屋のドアを叩いた。
おかしい。男の子が一人で住んでいる部屋、しかも相手は外人。
あたし一人でやってきて、ドアをノックしているのに、どうしてこれ程にもドキドキやトキメキがないのだろう。それが“佐々木浩一”。
「宿題やった?出しに行くよ。」

歩いて5分の外文楼まで2人で行く。やはり何の感情も起こらない。
何の一線も越えることない男、“佐々木浩一”。
昨日は先生にも「あなた、痩せすぎ!」と笑われていた。佐々木浩一度120%。
コイツの歳はいくつだろう?
「パスポート持ってる?」
「あるよ。」
宿題を提出しに行くにもパスポートを携帯。それが“佐々木浩一”
パスポートを見ると、1983年生まれ!? 今年30…結構いってんな。

ゆっちゃんに報告。
「浩一、今年30だって。」
そこから話が発展して、彼の将来を想像した。
近い将来彼はフツーの結婚をし、子供を2人授かり、週末には公園で子供を見守りながら、ベンチで退屈そうにスマホをいじる。
会社では頭を下げ、電車では痴漢に間違われ、唯一の楽しみは金曜の夜、居酒屋での「ちょっと飲みすぎじゃないんですか?」「いいんだよ、好きなだけ飲ませろよ」というやり取り。

彼のフツーすぎる今後が手に取るようにわかる。
あたしたちはあまりにかわいそうに思えて、コーヒーを持って彼の部屋に行った。
「ノックしないでも、うちらがここで話していれば出てくるよ。」
案の定、浩一はすぐにドアを開け、何の抵抗もなく部屋に招き入れた。
「何か将来の夢はあるの?あたしたち、アンタがかわいそうでさ。
浩一のベッドに寝転がり、実のない話をした後、彼はパソコンの中のいろんな写真を見せてくれた。
旅行の写真、妹の写真、クラスメイトの写真…一番気になったのは、時たま現れる、自分撮りの写真。
どアップの自分撮り、コイツ、結構ナルシスト?

写真を見せながらなんやかんや説明してくれるけど、長くて飽きてしまった。
「もう帰るね。」
都合のいい男、“佐々木浩一”。

     韓国人ヤンが買ってきた日本語の教科書。「ヤ」の単語が納得できない。