▲ 『幕末の宮廷』 1979年 平凡社 東洋文庫353
『幕末の宮廷』 平凡社 東洋文庫 353
『幕末の宮廷』 平凡社 東洋文庫
幕末の宮廷を知る尽くしている人物、下橋敬長が大正10年に維新前の宮廷に関する談話を速記したもの。
一条摂政家につかえ、朝廷の公事に精通した人物が話したこと。
時代が大きく下った大学研究者による研究書ではなく、宮廷に長年勤務した人物による維新前夜の宮廷の記憶を5日間をかけて、記録したもの。これに羽倉敬尚が注・解説、大久保利謙が補 を補っている。
幕末の天皇を支える、職員録とも言える名簿も若干追加されており、これが、極めて資料的価値が高い。
京都の維新史を語るために欠かせない長年仕えたものだけが知る宮廷世界
孝明天皇の死をめぐる論点でも、その死が疱瘡による病死ではないと仮定すれば、天皇に仕え、怪しまれずに接近できるものは誰か、また、その工作の動機を持つ者は誰か。
巨大な迷路のような、宮廷を知り尽くしているものは誰か?
まずは、この本を座右に置き、宮廷の部屋部屋を探索しようではないか。
下橋敬長 述 羽倉敬尚 注 『幕末の宮廷』 1979 平凡社 東洋文庫 353 定価当時1900円
▲『幕末の宮廷』 目次1
▲『幕末の宮廷』 目次2
▲ 『幕末の宮廷』 目次3
▲ 『幕末の宮廷』 目次4
孝明天皇に仕えた位の高い、接近することのできた数多くの 「内ノ女房」 の中で、動機をもつものはいるのだろうか。
つづく