学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
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Toe by Toe Initial Blends 練習

2014年03月02日 | Toe by Toe指導について

Toe by Toeは、いま3人の生徒に個別に指導しています。

一番長く指導しているのがこれまで登場しているAくんで、

彼がしっかりアルファベットの音が作れるようになってから

Toe by Toeに進みました。(1年くらい準備にかけています)

 

今日は久しぶりのレッスンで、

子音のブレンディングを、

ちょっと遊び感覚で練習するページに挑戦しました。

ディスレクシアの子どもたちは、

特に語頭の子音のブレンディングに弱いので、

意識して文字に集中しながら

これまで習ったパターンを使って読んでいきます。

 

今回紹介したいなと思ったところは、

Aくんが間違えたあと、

正しく読むために、

母音と子音のセット、つまりライム(rime)部分を基本としてまず音声化し、

次に順番に前の音を足していくところです。

 

Toe by Toe initial blends practice 2014 03 02

 

途中で私が「もっと小さく、もっと小さく」といってるのは、

いっぺんに読もうとせずに、

一番最初にならった、

「母音+子音」の基本の単位から始めなさい、という意味です。

 

そして前に向かって一つずつ、子音を足していけば

かならず正しく読めるのです。

 

Aくんも気がついたようで、

間違えそうだなと思った単語は、

右端から左へ音を順に足して、完成させている様子が見られます。

これは単語の読み方略を身につけている過程では、

とても大切なことの一つかと思います。

 

慣れるまでは、

「母音を基本に」「後ろから前へ」です。

(慣れればある程度大きな固まりを捉え、

素早く処理するようになるようです)

 

日本人が英語の単語を読むとき、

CVC (たとえば pot)ですと、どうしても「ぽっ・と」

という分け方をします。

 

ですが、英語はCVCでも、C+VCが基本の単位です。

わたしの感覚的に書いてみると、

英語の単語には、1つの母音が王様のように中心に大きく存在して、

それを見つけて読んでいくのです。

 

   ・・ ←英単語はこんな感じ。

 

一語のなかにいくつも母音があって、

それぞれの母音の大きさや価値が等しい日本語とは、

全く違います。

   ○★ ← 日本語ってこんな感じ

 

英語の母音は、他の子音よりも重要度が高く、

どーんと重みもある感じです。中心点です。

 

ですから単語を読むときは、中心点を探します。

(Toe by Toeでも、並んだ文字列から母音だけを探し出す練習などがあります)

 

単語が長くなってくると、複数の母音が入ってきますが(多音節;polysyllabic word)

それを母音を中心とした固まり(音節)ごとに区切っていきます。

 

   festival   = fes  / tiv  /  al /

 

Toe by Toeでは、区切りのルールは、

「左から右へ」「母音+子音」で切る、です。

 

「さっき言ったことと違って、前から読んでるじゃないか」

と思われるかもしれませんが、

複数の節が入った語二なると、

前から最小単位に区切りながら

やはり母音中心に読んでいくというストラテジーです。

そしてその「最小単位」というのが、

・ (VC、CVC、CCVC、CCCVC)

なのです。

 

 

Toe by Toeではこのように

ゆっくり段階的に読みの方略を学びながら進んで行くのですが、

多音節を読む練習の前に、

音節ごとに区切る練習もあって、

これは鉛筆でスラッシュを入れていきます。

例えば、下の写真のような練習があります。

 

ck, thなどのまぎらわしいブレンドを練習しながらですので、

よく計算されてるなと思います。

 

母音を中心とした最小単位の固まりをちゃんと身につけず、

日本語感覚で多音節の単語を読むのは、

とても難しいだろうと思います。

だから「読めない」子が多いのかな、と感じています。

 

ちょっとToe by Toeをほめすぎてるところもありますので、

いちおう、「これでも、完璧じゃない」という感想も述べておきます。

やはり、日本の子どもはここはもう少し丁寧にしたほうがいいな、と

感じるページはいくつもあります。

もともとアルファベットそのものを見ることになれていないので、

もう一段階、前に欲しいなとか。

そういうものを見つけて、補いながら、進んでいます。

 

またレポートします。 

 

 

 

 

 


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