板の庵(いたのいおり)

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エッセイ:「ランドセル(19)」2015.08

2015-08-19 17:11:48 | エッセイ
エッセイ:「ランドセル(19)」2015.08


 現役で会社勤めの頃、始業時間を過ぎ、遅刻して自分のデスクに座る時は格好が悪かった。事故があってテレビのニュースにでも取り上げられるような遅延ならそれで問題はない。ところが冬場で慢性的に遅延するような時があるのだ。そういう時は10分、15分早くうちを出れば問題ないのに横着を決め込むのだ。

 日本人は、交通機関は定刻通りに運行するものと思い込んでいるが、欧米など諸外国ではそんなことはありえないようだ。

 日本の鉄道では5分の遅れでもアナウンスが入る。さらに外国人を驚かせるのは「遅延証明」だ。昨年ついに遅延証明発行を搭載した自動改札機まで登場した。世界初の開発に着手したのは小田急電鉄だ。

 小田急では、なんと「3分」を目安に遅延アナウンスをし、「5分」の遅れから遅延証明の発行を行っている。また乗客から申し出があれば5分未満の遅延でも遅延証明を発行するそうだ。
 そうなると、外国人ならずとも日本人の私でもそこまでやる必要があるのかなと、頭を傾げたくなるというもの。
 鉄道会社が正確なダイヤを守るのは良いことだが、あまりそれを追求しノルマ化するとJR西日本の尼崎線のような予期せぬ事故の誘引ならないかと心配が先に立つ。
東海道新幹線は時速およそ250キロ、3分間隔で走っているそうだ。山手線か地下鉄銀座線並みの密集ダイアで、諸外国から見れば想像できない運行であろう。

イギリス:もしロンドンで遅延証明書なんて発行していたら、数日で深刻な紙不足に陥る  
     こと請け合い。
フランス&デンマーク:こっちで電車が遅れなしで走ったらニュースになるぜ。
アメリカ:ニューヨークでは5分遅れは当たり前。30分たっても来ないことがある。
     日本に行った時、電車に乗って時計で計ってみたら誤差が2秒だったという驚 
     きの結果だった。
スウェーデン:1時間ぐらいの遅れなら定刻とみなされる。
フィリッピン:定刻に電車が駅にいることがない。いる時に乗る。来るまで待つという。 
カナダ:20分以内なら定刻扱いで、45分遅れると遅延証明書をくれる。


 いま、海外の観光客から注目の集めているのは、日本の小学生にお馴染みのランドセルである。関西国際空港のお土産セレクショップでは、ランドセルが月に200個も売れるという。
 大手ランドセルメーカーのセイバンは東京・表参道に直営店をオープンさせた。欧米人客のほとんどは自分用に買いに来るそうだ。
 私の子供の頃は、色も形もかぎられていた。いまはデザインや色の種類の多いことにびっくりする。少子化がいわれているこの時代、そんなに多品種・少量生産で儲かるのであろうかと余計な心配をしてしまう。以前はクリスマス・プレゼント用と思っていたものが、最近はどの店でも夏には店頭に並べている。
 祖父母が可愛い孫へのプレゼントにするためであろうか、軽くて丈夫で色とりどり、品質も値段も格段に高級になってきている。

 セイバンの広報担当者は、「名探偵コナン」「ドラエもん」「ちびまる子ちゃん」のアニメが海外で放送されてランドセルが認知されるようになったと。
そして、アメリカの人気女優ズーイー・デシャネルが赤色のランドセルを背負っている写真がネット上に出回ったことで、ファッション・アイテムとして注目を集めるようになったのだと。
 特にランドセル=ファッションという認識のようで、子供へのお土産ではなく、自分用のカバンとして買いに来る。
 そこへいくと日本の大人はランドセルは子供のものという固定観念があるのか、外人みたいに背負って街中を歩いているのをテレビ等で見たことがない。

・すごくキュートだし、滅茶苦茶気に入っている(英)
・2004年に買ったんだけど、若干擦り切れているが未だに毎日使っている24歳(豪)
・すごく印象的だったので買わずにはいられなかった(英)
・背中や頭を守ってくれること。非常に丈夫に作られていて長持ちする。
・ランドセルは自分が子供の時に使ったバッグより100倍は実用的(加) 


 ハワイのアロファシャツは、日本人の移民者が当時持ち込んだ和服の生地で仕立てたのが原点だといわれている。それが現在のハワイを代表するファッションになっているのだ。

 ところで、一般の日本人が忘れられかけている履物がである。今でも農業、林業、大工など職人にはなくてはならないものである。力仕事においては足元が最も肝心でこれはまさに「職人の靴」である。
私も家庭菜園をやっている頃初めて履いた。地下足袋の裏側から伝わる大地を踏みしめる感じがなんともいえない。五本の指を存分に使い、革靴やスニーカーでは味わえないものがある。
 
 この地下足袋を発案したのは、昭和の初め頃日本を代表するタイヤメーカー『ブリヂストン』創業者の兄である石橋徳次郎氏。(商業化したのはブリヂストンを創業した石橋正二郎氏)。
 ところがこの地下足袋を現代風にアレンジした「足袋靴あるいはスニーカー足袋」と呼ばれる履物が海外から注目を集めている。クール ジャパニーズ ファッションに欠かせないおしゃれなアイテムなのだ。

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形や柄、色は無数にあり、サンダルのようなものから、ハイヒール、さらにはブーツのようなものまで、今やありとあらゆる足袋靴が登場してきた。
この足袋靴はテレビ画像でしか見たことはないが、奇抜なデザインにはびっくりさせられた。日本人の感覚もここまで洗練されてきたのか。いずれ世界でブレークするであろう日本発のファッションである。



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