エッセイ:「韓国の蒸し返し(8)」2014.03
「済んだ話を蒸し返し・す」こんないやなことはない。一度解決した問題をもう一度取り上げることを言う。人生で一度や二度はこの嫌な経験をした人は少なくないのではないだろうか。曲りなりにでも結論が出て“めでたし”で気持ちよく治まった。しかし結論に納得しない人が話を蒸し返してくるのだ。
概して日本人はこの「話の蒸し返し」を心良しとしない。極端な話、平気で話を蒸し返して自己主張をするような人は「変わりもの」として仲間や組織からつまはじきされる可能性さえある。少々納得できなくても結論が出たものに対してケチをつけないというのが日本人のいさぎよさでもある。
おそらく国際的にもそれが常識であろう。これは民主主義の基本であり、一般社会の約束事、さらに国際社会のルールとして確立されているはずだと思う。
ところで、3月12日の朝刊を見て目を疑った。“日米韓首脳会談へ調整・オランダ核サミット”の見出しである。「実現すれば安倍首相とパククネ大統領の会談は初となる。米国は4月のオバマ大統領のアジア歴訪に向け日韓関係改善を促しており、日本側も3カ国会談に前向きだ」とある。
我々素人目にも、現状の日韓関係で二国間の首脳会談はまず不可能である。そもそもパククネ大統領が意固地になって歴史認識、竹島、従軍慰安婦問題などで反日・反日帝キャンペーンを張っているのだから承知するはずがない。
しかし、このままではオバマ大統領のアジア歴訪の外交は日韓の仲たがい、内輪もめ
を曝け(さら)出すもので、失敗に終わる可能性がある。中国からもいいもの笑いにされた上に、国内的にも厳しい立場に立つことになる。
アメリカにとっても日韓のどちらかの肩を持つことはできない。いたたまれずに核サミット(3月24、25日)を機会に仲を取り持ったということだろう。実現するか否かは、パククネ大統領の胸しだいである。私の邪推ではあるが、またしても会談実現にあらぬ条件を付けてくる可能性も否定できない。日本は断固としてパククネ大統領の条件をはねつけてもらいたいものである。
ところが、本エッセイを執筆中に安倍総理大臣が河野談話を見直すことはしないと発表。前日に菅官房長官の従軍慰安婦問題を再調査するとの発表と明らかに内閣不一致の問題が生じたのである。
危惧していた通り、パククネ大統領は歴史認識の問題を会談の条件にしてきた。さあ、ここで安倍総理は自分の信念を断固貫くかどうの判断に迫られた。貫けば、3カ国会談は開催されず、その責任は日本側の安倍総理に降りかかってくる。当然日米関係が怪しくなってくることは火を見るより明らかだ。いずれにしても韓国はしてやったりと快感に感じたところであろう。韓国の対日外交とは、このような拙いものであることを日本人は承知しておくべきであろう。
さて、日本が太平洋戦争を遂行したことが正しかったと思う日本人はタダの一人もいないと思っている。もちろん「やむにやまれず、やった」「日本はそこまでを追い込まれた」という見解を持つ人はいるだろう。だが彼らとて戦争はするべきではなかったと思っているはずだ。
また、この戦争で日本国民は近隣諸国に多大な迷惑をかけたことを真摯にお詫びしていることも疑いのない事実である。現に迷惑をかけた東南アジア諸国で中国や韓国以外の台湾、フィリッピン、インドネシア、旧インドシナ、旧ビルマ、マレーシア、シンガポール、タイなどにおいては日本のお詫びや反省の誠意は受け入れられているのである。
2013年の韓国独立運動記念日にパククネ大統領、曰く「被害者と加害者の立場は1000年経っても変わらない」と。これはあと900年以上も韓国は「被害者」として日本を恨み続けるというのだ。
そんなことを言ったら、日本だって韓国に謝罪と賠償を要求する権利があるのだ。1274年と1281年の2回に元寇の来襲があった。高麗の王朝が元の皇帝フビライに日本遠征を焚き付けたのである。元弘の主力先兵は高麗兵であったことは、中国の正史「元史」にも、朝鮮の正史「高麗史」にも記述がある。壱岐、対馬に上陸した高麗兵はどんな暴虐行為を働いたのか。韓国の理屈でいくと、800年しか経っていないのであるから韓国に謝罪と賠償を要求する権利があるということになる。
公式演説であるから、当然大統領府はもちろん関係省庁が演説の細部まで点検したはずである。しかし誰一人として、「日本人を虐殺し、日本の婦女子を凌辱(りょうじょく)した」事実を知らなかったのだ。もしこれを知っていたら、「1000年の恨み節」は「100年の恨み節」に変わっていたことだろう。
韓国は小・中華思想の国である。自国の文化様式、価値観が最高であり、世界中どこでも通じると思いこんでいるのである。韓国人同士の口ゲンカの手法(格好よく強く罵(ののし)って、見物人の喝采を受けた方が勝ち)が日本にも世界にも通じると思いこんでいる。交渉は高飛車に出なければ損をするというのである。
仮に日本人がそんなことをやったら、世間の笑いものになるのがオチである。不遜な態度を見せないのが日本人の説得・交渉術でもある。
私には未だにわからないのが職業「泣き女」である。何も韓国文化・慣習を愚弄するつもりはなく、理解したいだけである。日本人は韓国人の感情の起伏の激しさに同情し、慰安婦の問題でもコロっと騙されかねないのである。
大泣きして「私はこんなに悲しんでいる」と「故人」にも「周り」にも認めて貰う。それ位に他人の行動に茶々を入れる国民性だということだ。泣いてないと「悲しくないのか?」と周りから疑われる。
韓国人は感情論を優先させ、日本人は論理的に話をしようとするので絶対に噛み合わないという。まあ韓国人に合う国は北朝鮮ぐらいだろうと。
韓国には、「従兄弟(いとこ)が土地を買えば腹が痛くなる」と言う諺があるそうだ。他人の不幸は蜜の味だし、他人の栄誉は憎悪と嫉妬の対象だ。2010年、トヨタが欠陥車で米国でのリコール問題を起こした際に、韓国は国を挙げて喜んだという。「憎い日本」韓国が官民挙げて「東京五輪阻止」に血道を上げたのはその歴史に培われた本能的な動きだったと言えまいか。
あろうことか、2020年の五輪開催都市決定の投票直前になって、韓国は放射能汚染から自国民を守るためとして東北地方の魚介類の輸入禁止の措置をアカラサマに発表した。これを聞いた時、そこまでやるのか韓国よ! である。その非常識さを疑い、もはや日本が相手にすべき国ではないこと認識した。
2013年3月11日東日本大震災の慰霊祭が140数カ国の外交官も出席して執り行われた。その式典に出席しなかった韓国と中国の2国。
韓国大使館の言ったセリフが奮っている。「大使館館員がファックスを見落とした。意思表示がなかったのならなぜ連絡してくれなかったのだ」と。自分たちの非常識を曝け(さらけ)出すようなウソ・詭弁さえ持ち出すのだ。韓国とはこのレベルの国である。
大統領は英国で「日本は、過ちに対する反省や謝罪が徹底的に出来なかった。その端的な例がまさに従軍慰安婦問題だ」と言った。ならば以下の事実はどうなのだと言いたい。
日本人はベトナム戦争については米国とベトナムとの戦争だったと思いこんでいるようだ。しかし、米国からの経済援助欲しさに1965年に韓国軍は参戦し、5万人の兵士を送りだしている。韓国軍は残虐行為をはたらき、ベトナム女性との間に強姦などの性的交渉でもうけられた子供(ライダイハンと呼ばれ、敵軍の子・混血として蔑称・迫害される)を2000~3万人も置き去りにして逃亡した国が、よくもそんなことが言えたものだ。しかもベトナムとの国交樹立後、5名の韓国大統領がベトナムを訪問したが誰もまともな謝罪をしていないのだ。
フィリッピンに留学する韓国大学生が1年間に1万人いるが、フィリッピン女性を騙(だま)して同棲し、生まれた子供を「コピノ」と呼ぶ。コリアンとフィリピーノの合成語で、今や1万人を超えたとされる。
南太平洋にある国、キリバスに韓国の遠洋漁業船の乗組員が売春という文化を伝えた。
彼らが狙うのは貧しい家庭の少女である。女性が妊娠すると逃げ、性病を置き土産にする。
キリバスでは不道徳人間を「コレコリア」と言うようになったそうだ。こうした事実に目をつぶり「日本は人道主義を学べ」と演説できる鉄面皮が韓国の政治家なのである。
韓国は、売春インフラがとてつもなく充実している。それなのに韓国は「強姦大国」でもあるから不思議である。国連麻薬犯罪事務所の発表によれば10万人当たり韓国での強姦は13.3件で、日本の1.5件の9倍に当たる。また、英国警察がOECD34カ国を調べた結果、日本は最下位34番目で韓国は11番目であった。
ソウルの宗廊市民公園で95歳の老人に37歳の男性が暴行を加え死亡させた。老人が「日本の統治時代は良かった」と述べたことに立腹しての犯行であった。
韓国は「儒教の国なので老人を大切にする」と日本人は思いこんでいるが、これは大ウソなのだ。75歳以上の自殺率は、日本は10万人当たりで4.6人、韓国は160.4人(OECD調査)と異常に多いのだ。
韓国には「蛙がオタマジャクシの頃を覚えているか」という諺がある。都合の悪いことは直ぐ忘れる。それは一個人に限らない。国家的失念と国民的失念を得意とする国なのである。マスコミも失念と忘却を常とする。
今日の韓国社会を特徴づける差別は、職種に対する強烈な貴賎意識と、学歴崇拝主義が一体となり、まるで李王朝時代と変わらないような身分制度をつくっている。
韓国人勤労者の40.4%の月給が200万ウォン未満であるのに、大企業(従業員数2%)の大学卒初任給は290万ウォンである。
上位者は、どこまでも傲慢・横柄に振舞い、下位者は卑屈になる。上位者が下位者へ使う言葉使いは、とても同じ国の言葉とは思えないほどの違いがある。
つまり、今日の韓国では、高卒以下は収入の面でも、社会的待遇の面でも、彼ら自身の意識としても「人間扱いされない李王朝時代の、(のび)(農奴)みたいな存在」なのだ。
これはまさに韓国が構造的な超差別社会としか思えないのである。
さて、自民党の高村正彦副総裁は講演し、旧日本軍による従軍慰安婦問題について『韓国で日本の軍が直接的強制連行をした事実はない。韓国以外ではあったが、日本軍による軍法会議で裁かれた』と述べ、強制連行があったとする韓国側の主張に反論した。(略)自身が外相を務めていた1998年に日韓共同宣言をまとめた際、金大中大統領(当時)から『一度謝れば韓国は二度と従軍慰安婦のことは言わない』と説得され、『痛切な反省と心からのおわび』を明記したことを紹介。『国と国の関係で一度決着したものを蒸し返してはいけないし、蒸し返させてはいけない』と強調した」(時事通信 より)
日韓の戦争賠償・戦後補償は日韓基本条約で解決している。それを蒸し返してきたのだから、本来、日本は慰安婦問題など相手にする必要はなかった。それでも日本が律儀に対応し、客観的事実に反して謝罪と賠償(賠償は民間ルート)をしたのは、大国としての責任感が先走ったからだ。
一度蒸し返しを許すと、何度も蒸し返されることになる。案の定、韓国は戦後補償をどんどん求めてきた。しかし、日本はこれ以上、韓国の相手をする必要はない。
韓国も既に先進国なのだから、いい加減、内政事情(反日による人気取り)ではなく、国際関係に責任を持つべきだが、しばらくは韓国の小国根性は直りそうにない。日本としては、根気よく韓国からのワガママを拒絶していくしかないだろう。
同じようなことはヨーロッパでも起きている。よく、「ドイツはちゃんと過去を清算している。日本はドイツを見習え」と言われるが、事実は違う。日本は日本流の清算(対国家賠償中心)を、ドイツはドイツ流の清算(対個人補償中心、しかもドイツ国民中心)をしてきたが、いまだに周辺の小国からユスリ・タカリを受けている。
ユーロ危機以来、ギリシャ支援をめぐってドイツが要求する緊縮策に対し、ギリシャ側は強く反発している。一応、ギリシャ与党には責任感がある(というか背に腹は代えられない)ので、緊縮策をある程度受け入れているが、基本的には与党も野党も国民も、ドイツに不満を抱いている。
そんな中、ギリシャ国民によるデモでは、ドイツのメルケル首相をヒトラーになぞらえたプラカードが掲げられたりもしている。また、ナチス・ドイツによる損害についての戦後補償も訴えている。
国民だけでなくギリシャ政府も過去を蒸し返している。スタイクラス財務次官は、戦争賠償・戦後補償を「未解決の問題」とし、賠償請求額を算定していくと述べている。日本が戦争賠償・戦後補償を済ませているように、ドイツもドイツ流の戦争賠償・戦後補償を済ませているのだが、過去の蒸し返しは続いている。
日本人は「戦争賠償・戦後補償は未解決だ」と言われると、「ごめんなさい……」とおとなしくなってしまいがちだ。しかし、既に戦争賠償・戦後補償は解決しているのに、小国がことある事に蒸し返しているというのが実態である。
小国が過去を蒸し返すのは、それが彼らにとって数少ない外交カードの1つだからだ。また、大国となった日本やドイツには地域秩序に対する責任感があるが、小国にそうした責任感はない。ワガママを一方的に言っても、大国がそれを聞き入れてくれるという甘えがある。
ドイツも昔ほどの国力はないが、ギリシャがもっと悲惨な状況にあるので、ユーロ圏の中心メンバーとしての責任感から、ドイツはジッと耐えてギリシャを支援し続けるしかない。一方、国力の衰えてきた日本と違って、韓国や中国といった日本の周辺国は成長を続けている。その意味でも、日韓通貨スワップ縮小を決定したのは当然のことだ。
国力に応じて国際関係に責任を負うという自覚がなく、いつまでも小国気分で過去を蒸し返す周辺国に対し、日本はこれ以上甘えを許してはならない。過去を蒸し返すということは、現在の重荷を引き受けていないということなのだから
了
参考)産経セレクト・呆韓論:室谷克実 他
注)韓国の経済破綻はそれほど遠い先の話ではない。輸出に頼り、サムスンやヒュンダイの大企業の業績に頼っている不安定な韓国経済はウォン安と債務残高急増で破綻したらひとたまりもない。サムスンから外国の資本は逃げて行き、たちまち二度目のIMF介入を体験することは間違いない。
韓国はこのままいけばウォン高になり、輸出産業がダメになる。しかしウォン安政策をとれば海外の投資家がウォン売りに走り、投機的なウォン売りが起きる。韓国は対外債務が非常に多いため、ウォンの買い戻しができず、再び通貨危機になる可能性が高い。日本に通貨スワップをお願いにくるしかない.