【ISOWA PRESS】

ISOWA発、お客様、業界関係者様にお送りさせていただくメールニュースです。
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第257号:『創立百周年記念誌『世界の段ボールビトを幸せに』 ~制作メンバーこそこそ話 Part2~』

2021年06月14日 | Weblog
こんにちは、国内セクションの犬居です。

前回から引き続き、
今号では、創立百周年記念誌全体の監修・出版を担ってくださった
Kさんの声をご紹介します。

・文屋 Kさん(全体の監修・出版)
⻑野県の小布施で文屋という出版社を経営されているKさん。
ISOWAの現監査役である高橋さんのご紹介でISOWAとの
お付き合いが始まり、今回の記念誌の監修と出版を手掛けてくださいました。
(磯輪日記はこちら↓↓↓)
https://blog.goo.ne.jp/h_isowa/e/ed81ff3df8c23af5ad74418cd484c4eb
(文屋様ホームページ↓↓↓)
https://www.e-denen.net/


写真中央

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「お尋ねします」
2020年6月27日(土)
磯輪英之さんから、このタイトルのメールを受け取りました。

このお便りが、2021年3月31日(水)10時にこの記念誌を納品するまで、
9か月あまり続く、「編集劇場」の幕開けとなりました。
最初のメールの2日後、磯輪さんに向けてわたしはお返事しました。
磯輪さんのお許しをいただきましたので、
2人の記念すべきやりとりをご紹介いたします。
文中の★は、インラインで書いたわたしからのお返事です。

(引用、ここから)
****************
磯輪 英之樣へ
おはようございます。お世話になっております。
いつもご愛顧いただき、ありがとうございます。
抜けるような⻘空の信州小布施です。
お便りをくださいまして、ありがとうございます。
以下、★にてお返事を申し上げます。

2020年6月27日(土) 17:19 Hideyuki isowa
木下さん
こんにちは。
今日、65歳になった磯輪です。

★おめでとうございます。お若い!

木下さんにお尋ねします。
わが社の100周年を記念して、このプロジェクトを通じて
メンバーがどんなインプットでどんな気づきがあって、
どう変化したか、それを誰がどう支えたのかを
ノンフィクションのストーリーとしてまとめています。

★すてきな企画ですね。

それを小冊子化しようと思っていますが、こういう範囲は
文屋さんのビジネスの範疇ではないのでしょうか?

★数ある出版社の中から、こうしてお声かけをいただいたことに、
心よりうれしく、感謝を申し上げます。ありがとうございます。
そして、世界一社風のいい会社づくりを目指す御社の
尊い節目の事業に参画させていただけるのでしたら、
ほんとうに光栄に思います。
できればもうすこし、磯輪さんの想いをお教えいただきたいと思います。
御社の百周年記念事業が、みなさんの明るい笑顔とともに成功して、
つぎの、さらに末広がりの一世紀への幕開けになることを願っております。

お目にかかるのを楽しみにしております。
感謝を込めまして

文屋
代表 木下 豊 拝
****************
(引用、ここまで)


文屋で出版する書物の大半は、全国の書店で販売することを目的としてつくられます。
記念誌などの、いわゆる委託出版は数年に一度、
その経営者と会社にご縁と意義を感じたときに限り、承っております。
そうでない書物をつくるのは、お互いにとって時間=いのちの無駄使いになるからです。
お引き受けする場合でも、編集者・出版人としてのわたしのこころの姿勢は、
商業出版の時と変わりません。それはつぎの3点です。

1.目的は「100年後も読み継がれる本をつくる」こと。
2.この目的のためには、著者にも依頼主にも言うべきことを直言する。
3.生まれたら(出版したら)一人歩きできるまで育てること。

以下、この3つのこころの姿勢に沿って、書かせていただきます。


1. 目的は「100年後も読み継がれる本をつくる」こと

磯輪家3代、100年の歴史の積み重ねがあり、5代目の光さん・ひとみさんが
若い社員のみなさんと200年の計に取り組まれているのですから、
「100年後も読み継がれる」ことは、この記念誌の使命そのものです。
表紙に採用された磯輪さんの奥様で私設秘書の知子さんによる、渾身の筆字に、
やさしさとたくましさと品性をそなえた社風が、表現されています。


2. この目的のためには著者にも依頼主にも言うべきことを直言する

わたしは、ISOWAの経営についての知識がまったくなく、
お取引の関係もありません。本書の目的を叶えるために、先入観と遠慮忖度なく、
ご提案などをさせていただくことができました。
11月のオンラインでの編集会議の記録が、手元に残っています。
この日のおもな議題は、「戦略ミーティング」についての執筆をどうするか、でした。

第3部の座談会の原稿はすでに仕上がっていました。
戦略ミーティングの扱いが何か月もの間、保留になっていました。
この件は7月に磯輪さんにいただいたメールに、次のように記されていました。

****************
『4.価値創発のストーリー』に目を通しましたが、Iさん自身が
戦略ミーティングの流れをまだ十分理解していないこと、
そして戦略ミーティングの内容がISOWAの事業戦略そのものであることを考えると、
ここは今回の本に掲載するべきではない、というのが私の判断です。
****************

11月の編集会議で、参加者の意見交換が続いたあと、磯輪さんが
「Kさんはどう思いますか?」と問いかけました。わたしは、
戦略ミーティングについては無知なので判断も提言もできないことをお断りした上で、
つぎのようにお答えしました。

 「7月のメールで「Iさん自身が戦略ミーティングの流れを
 まだ十分理解していないこと」を理由の一つに挙げられています。
 この点がずっと気になっています。
 外部の研究者でライターのIさんが、御社の社外秘を含む内容を
 『十分理解していない』のは、自然なことです。
 一般論として、真剣に熱心に取材して聞き取ろうとしている人を
 理解させられないのは、説明の仕方が悪いか、
 説明する人のほうも十分に理解していないかの、
 どちらかまたは、その両方です。 
 整理して言語化すること。
 伝える側のあり方に課題があるのではないでしょうか?」

磯輪さんは、わたしのこの発言に終始、うなずきながら耳を傾け、
静かに「なるほど」と応じられました。
どんなプロジェクトも、山あり谷ありです。その道のりの中で、
峠道を登り切って、パーッと視界が開ける瞬間があるものです。
この出版プロジェクトにおける「パーッ」の瞬間は、わたしにとっては、
磯輪さんとのこの応答でした。「これで、この本は成功できる」と直感できました。


3. 生まれたら(出版したら)一人歩きできるまで育てる

本は人間と同じで、生まれてもすぐには歩けません。
商業出版の場合は、事前から広報活動、営業活動をして、
「這(は)えば立て、立てば歩け」と育てていく必要があります。
丈夫な足腰になれば、著者や編集者が予想もしなかった人の元にまで走っていって、
お役に立って喜ばれ、ロングセラーへと成⻑してくれます。
商業出版ではない本書の場合はどうでしょう?
この問いへのわたしの答えは
「読者、とくにISOWAビトのみなさんが、この本を“使い倒す”こと」です。
いつも座右に置いて、読み込んでいただくこと。赤ペンで書き込み、
アンダーラインを引いて読むこと。チームで読書会を開いて語り合い、
意味がわからなければ、磯輪さんや中村さんはじめ登場人物たちに問いただすこと。
その問答の積み重ねから、本書の文字に込められたほんとうの意味や、
行間に秘められた試行錯誤が明らかになるはずです。結果として、
さらに素晴らしい社風が養われていく。その導き手として活用されたなら、
本書の魂は「あー、生まれてきて良かった!」と歓喜することでしょう。
これが、本書が「一人歩き」している状態です。

本棚に収納されて一度も読まれないのは論外、本望ではありません。
そうなるために、編集者のわたしができることは何か?
この問いへの答えが、この本の体裁に込められています。
A5判でバッグに収めるにも、寝転んで読むにも大きすぎないこと。
本文の紙質が厚手で丈夫なこと。傷みやすい表紙カバーを巻いてないこと。
表紙に「クリアPP」というフィルム貼りを施して、汗や汚れを拭き取れること。
強度の高い上製本であること。初めて明かしますが、この体裁は、
『ISOWAビトのみなさん、磯輪さんに「新しいのをください!」と頼むくらい、
ボロボロになるまで使い倒してください』という、編集者からのささやかな挑戦状です。
どなたか、受けて立ちませんか?(^0^)

2011年1月、わたしは東京・五反田のスコラコンサルトさんで、
磯輪さんに初めて出会いました。あの日からちょうど10年を経た
2021年3月、この本は誕生しました。あの日の出会いも、
この本の編集者としての起用も、ご縁結びの神さまは
高橋秀紀さん(現・ISOWA監査役)でした。
高橋さんは、心の湖面をいつも鏡のように静かに調えながら、
人やものごとを見つめ、本質を見抜いて、そのエッセンスをやさしく表現する達人です。
本書に掲載されている数々のイラストが、この達人の手に成るものであることを記して、
深い感謝の気持ちをお伝えいたします。
あらゆる物を包み、運び、届ける段ボールは、この星に生きるすべての人たちが、
その恩恵に浴しています。ISOWAビトが幸せを願う「世界の段ボールビト」の
すぐ先には、全世界の人々の笑顔と幸せがあります。
このお仕事をくださって、ほんとうに、ありがとうございました。
みなさまの、さらなるお幸せと御社のご隆盛を祈念いたします。


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いかがでしたでしょうか。
ISOWAと深いご縁のある素晴らしい制作メンバーに恵まれ、
百周年記念誌を創刊することができました。
私も最後の校正作業を行ったのですが、
”ゲラ”と呼ばれるテキストと写真を入れ込んだ本のレイアウトとなる
元原稿の行に小さな定規を当て、1行ずつずらしながら読み進める、
という作業を行いました。
大変な作業ではありましたが、貴重な経験となりました。

タイトルである『世界の段ボールビトを幸せに』という言葉を胸に
ISOWAビト一同、200年の計に向けて進んでまいります。

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こちらの記念誌にご興味をお持ちいただけましたら
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喜んでお送りさせていただきます。

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