●ベッチー的映画三昧日記
フランス映画を感じさせるおしゃれな会話劇「偶然と想像」
「偶然と想像」は 「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督が同作の前に撮った作品で、 第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した。
本作の特徴は今まで3時間を超す長編映画が多かった濱口監督が初めて試みた短編集の映画ということだ。
タイトルどおり「偶然」をテーマに親友同士、大学教授と生徒、20年ぶりに再会?した高校の同窓生の対話の3つの物語が織りなされる。
濱口監督は自身で脚本を書くオリジナル作品が多いが、本作はその極み。1篇がほぼ40分の3つの物語はテーマは同じだが全く関連はしていない。しかし、とにかくシナリオが秀逸で観終わった後、全体としての印象が、まるで1冊の文学小説を読み終えたような感覚を得た。
また、極端な長廻しショット、対の会話の応酬、一見棒読みのようなセリフ回しは時にフランス映画を観ているような錯覚を起こさせた。濱口監督の作品は文学作品のように言葉の遊びに溢れている。その言葉が発せられる役者の演技と妙にマッチしているのは、彼の頭の中で細部にわたって計算し尽くされているからだろうと感じた。
聞くところでは濱口監督は「ドライブ・マイ・カー」で描かれていたように、役者との本読みにかなりの時間を費やすとか。本作も、自然っぽく、畳かけるように繰り出される会話の応酬に出演者と監督が時間をかけ、十分の本の共有をしてきたことが推察できる。
フランス映画を感じさせるおしゃれな会話劇「偶然と想像」
「偶然と想像」は 「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督が同作の前に撮った作品で、 第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した。
本作の特徴は今まで3時間を超す長編映画が多かった濱口監督が初めて試みた短編集の映画ということだ。
タイトルどおり「偶然」をテーマに親友同士、大学教授と生徒、20年ぶりに再会?した高校の同窓生の対話の3つの物語が織りなされる。
濱口監督は自身で脚本を書くオリジナル作品が多いが、本作はその極み。1篇がほぼ40分の3つの物語はテーマは同じだが全く関連はしていない。しかし、とにかくシナリオが秀逸で観終わった後、全体としての印象が、まるで1冊の文学小説を読み終えたような感覚を得た。
また、極端な長廻しショット、対の会話の応酬、一見棒読みのようなセリフ回しは時にフランス映画を観ているような錯覚を起こさせた。濱口監督の作品は文学作品のように言葉の遊びに溢れている。その言葉が発せられる役者の演技と妙にマッチしているのは、彼の頭の中で細部にわたって計算し尽くされているからだろうと感じた。
聞くところでは濱口監督は「ドライブ・マイ・カー」で描かれていたように、役者との本読みにかなりの時間を費やすとか。本作も、自然っぽく、畳かけるように繰り出される会話の応酬に出演者と監督が時間をかけ、十分の本の共有をしてきたことが推察できる。