金沢撮影スポット

金沢の写真家が見ている金沢とは

金沢diary,180日(176)

2019-12-23 18:13:56 | Weblog
●黒板アート「KANAZAWA」(三の三) 制作: 金沢桜丘高校美術部  監修: 金沢美術工芸大学の前回制作班。
一見して描画力の巧みさに目をうばわれた。色彩の配分や配置も見事である。そのあと、これは何を意味しているのか、寓意がこめられているとしたらそれは何か、を考えてみた。
見返り美人がなぜ風神・雷神に(違うかもしれない)追われているのか、そして動物までもが恐れおののいているのか、そのわけを読み解けないままでいた。
そして、ラーメンをすする髑髏である。これがまた難解で、なぜここに登場したのかがわからない。
わからなくてもいい、筆づかい(チョークづかい)の巧みさ、表現の緻密さがわかってもらえたら十分、なのかもしれないが、そんな評価では作者は不満にちがいない。
十代の一時期、グロい絵を描きたくなるものだ。黒板アートはまたとないいい機会だから、存分に思いの丈を発散させ、達成感も半端ないだろう。
しかし、である。髑髏がラーメンを(これがまたメンマ・ナルト・チャーシューがリアル)すする行為の必然性がよくわからない。これは金沢市が企画した展示だから、その必然性がわからないと、担当者が困惑するのではないか。愛知のトリエンナーレで天皇のパロディが叩かれたのもそこに理由がある。作者の言い訳もお粗末だった。少々問題がある制作をするときは、もっともらしい言い訳を考えておくべきである。
ま、いいものを見せてもらったことでもあるし、制作者の今後に期待する気持ちを伝えて筆をおくとしよう。
参考までに、黒板アートの作品集が県立図書館にあるから、参照するといいだろう。

金沢diary,180日(175)

2019-12-22 11:34:58 | Weblog
●黒板アート「KANAZAWA」(三の二) 制作: 金沢桜丘高校美術部  監修: 金沢美術工芸大学の前回制作班。
鼓門の両脇に松を配置したのなら、手前に百万石まつりの行列を描きそうなところを、藩政時代のコスプレで登場させたのは意外性があっておもしろい。
持っているのはソフトクリームだが、トッピングにらくがん、そこへ金粉を散らしたのがいまどきのトレンドだから、そまで描いてほしかった。そうなると花魁はスマホを手にしていなければならない。あとひとことつけ加えると、花魁の「格」は豪華な簪と黒紋付であらわされる。コミック調であっても、いま、むかし、をていねいに描き分けることで、見ごたえのある作品になるだろう。
着想とその精緻な具現化に取り組んだのがわかって、いい作品になった。

金沢diary,180日(174)

2019-12-21 10:45:49 | Weblog
●黒板アート「KANAZAWA」(三の一) 制作: 金沢桜丘高校美術部  監修: 金沢美術工芸大学の前回制作班
作品の右半分をトリミングして眺めると、この場所の開放的な風景が、ほのぼのとした雰囲気で描かれているのがよくわかる。色づいたイチョウが作品に温かみを添えていて、季節感も申し分ない。若い人たちの感性をみることができてよい作品である。
大きな伝声管に右の人物を映りこませて描けば、右半分の絵本調とのバランスがよくなったかもしれない。 (もてなしドーム地下・21日まで。金沢市の企画展)