滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0809/06:廃油リサイクル】廃食油からBDF、取り組み広がる:バスなど車燃料に再利用

2008-09-01 22:58:52 | Weblog

 使用済みの天ぷら油を精製し、バイオディーゼル燃料(BDF)として再利用する取り組みが、県内で広がっている。環境対策のアピールになるうえ、原油価格高騰からコスト削減につながるとの期待もあり、関係者は「地域で出たごみを、地域でリサイクルする循環型社会を実現しよう」と意気込んでいる。

 大津市の「雄琴温泉旅館協同組合」は、8月から加盟する旅館10軒の調理室で出た廃食油の回収を始めている。各旅館から週1回集め、精製したBDFはごみ回収トラックの燃料に利用する。組合の佐藤祐子理事(38)は「『エコ温泉宣言』として発信し、地域にも活動を広めたい」と話す。

 集めた廃食油を自社内で再利用する動きも出てきた。宿泊施設「クレフィール湖東」(東近江市)では、7月からレストランや従業員の家庭で出た廃食油を集め、利用客の送迎バスや、併設する交通安全研修所の研修車両に活用している。担当者は「持て余していた廃食油の利用法が見つかり、コスト削減にもつながった」と喜ぶ。

 自治体もBDF利用に積極的だ。多賀町は、7月から町内13か所のごみ置き場に不要となった油専用の回収箱を設けた。委託業者が月1回収集し、BDFを福祉バスやスクールバスなど公用車9台の燃料にする。収集状況を見て、秋には回収箱を30か所に増やす考えで、環境生活課は「わずかでも地球温暖化対策に役立つ」。彦根、草津両市も昨年9月から、同様の取り組みをしている。

 こうしたBDF普及の“仕掛け人”とも言えるのが、豊郷町でガソリンスタンドを経営する油藤(あぶらとう)商事の青山裕史専務(37)だ。「自分たちで使うエネルギーは自分たちで集めよう」を合言葉に現在、県内約100か所の事業所と提携し、月間7000リットルを回収。敷地内の精製プラントで9割をBDFに精製し、販売・出荷している。「活動の輪を広げ、琵琶湖に一滴の油も流さない地域をつくりたい」と目を輝かせる。
          ◇
 県内の読売新聞販売店(YC)の若手経営者らでつくる青年読売会も、7月から県内の25販売店で廃食油の回収に取り組んでいる。集金や古紙回収の際に集めたり、店頭に設置した専用箱に入れてもらったり。澤田厚会長(37)は「地域の人にBDFを知ってもらうきっかけになる。将来的には、配達の燃料として利用できれば」と話す。問い合わせは各販売店へ。

(9月1日付け読売新聞・電子版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20080831-OYT8T00697.htm

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