お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
?



 ※その2より続きます
 

 雨の本栖湖
 
 写真もほどほどに、濡れながら雨対策を始める。
 
 リュックからウインドブレーカー、ネックウオーマー、厚手の手袋を取り出して着込む。着替えのインナーはここじゃ着替えられない。リュックとサドルバックにレインカバーを着ける。ライトもすべてオン。あとは、少しでも早くやむことを祈るしかない。

 実は前日にリュックにするかヒップバッグにするか悩んだ。ヒップバッグだとウインドブレーカーを入れると終わり。あとは何も入らない。だが、体には楽だ。でもな~、暑いのは耐えられるが、寒いのは耐えられないからと思い、リュックにいろいろ詰め込むことにした。予備のタイヤはどうしようかと悩んだが、「重いよ、やっぱり」と置いてきた。
 
 雨は土砂降りとなった。「山中湖は雨が降りそう」なんて言っていたhiroさん、さすがッス。重いリュックをしょってきた甲斐がありましたね。
 
 本栖交差点を左折しR139に入ったころから、日も暮れてきた。雨の夕暮れ。一番危ない時間帯だ。回りに多少の明るさがあるので、ライトを全開にしていてもその効果は発揮できない。歩道との境もはっきりしない。とにかく白線をしっかりと見つめ、その白線から少し車道に入ったところを走る。歩道側に入った所では、いつ歩道の段差と接触するか分からないし、水もたまって路面も良くないだろう。
 
 尾灯3つに命をかける。頼む。みんな、よけてくれ。
 
 対向車が来ると何も見えなくなる。メガネは水滴だらけ。それに対向車のライトが乱反射して、白線も見えなくなる。危ないと思ってブレーキを引くと、効かない!? ヤバイ。生きて帰れるのか。道志みちは降りられるのか? 不安が急速に膨らむ。
 
 気温は3度。ウインドブレーカーは真冬用で、ネックウオーマーもしているので凍えるほどではないが、やっぱり寒い。手袋はびしょびしょ。シューズも水たまりに突っ込んだ後のように濡れている。
 
 そこに希望の灯が! 例の3人組の方のうちの1人の後ろ姿が見えた! よし、あの尾灯について行くのだ。しばらく安心して後ろを走っていたのだが、途中で他の仲間に声をかけられコンビニへ避難してしまった。実はその3人組の方たちはリュックもしょっていなくて、荷物らしい荷物を持っていなかった。つまり、コンビニでカッパとビニール手袋を手に入れる作戦だったようだ。
 
 再び雨の単独走となった。河口湖の南を走っているはずなのだが、今がどこかも分からない。それに次の平野のPCまでは持ちそうもない。やはり寒い! でも、輪行袋も持ってないし、走らなければ自宅へも帰れない。ここまで走ってDNFもイヤだ。
 

 道の駅富士吉田で雨宿り
 
 昨年、「道の駅富士吉田」で山田うどんを食べたことを思い出した。よし、それで暖まろう。
 
 午後7時半、道の駅到着。手前のレストランは営業していたが、奥の食堂と売店のシャッターは降りている。閉店は午後7時だった。仕方ない。自販機のコーヒーで我慢しよう。
 
 コーヒーを飲みながらしばらく待ったが、雨がやむ様子もない。諦めて走ろう。
 
 ブルベの事前の案内で、ここからは路肩も狭いので歩道を走った方が安全とあった。前回の青葉200でも同じ道だったが、昼間でもあり車道を問題なく走ることができた。しかし、今は怖い。白線も見えないし、対向車のライトも恐怖だ。素直に歩道を走ろう。1に安全、2に完走だ。
 
 歩道は明神前までずっと続いているのかと思ったが、途中で工事中となり切れている部分があった。ここは勝負! 必死でクルマから逃げまくる。
 
 明神前に無事たどり着き、左折して山中湖畔を走る。ここも路肩は狭いが、クルマの通行量が減ってきたこともあって何とか走れていた。ところが、途中から道は真っ暗になった。路面状態はまったく見えない。路肩の白線はなく、センターラインだけが頼り。ほとんど車道の真ん中を走っている。後ろからクルマがくれば、明るく照らしてくれるので路肩へ寄ってスローダウン。クルマが通り過ぎた後は一気に暗くなるので、必死に目をこらしてセンターラインを探す。
 
 路面状態もまったく分からない。何度も、水たまりに突っ込んだし、対向車に水しぶきをぶっかけられた。ここまで来ると、もうどうにでもなれだ。いくら濡れてもいいから、生きて帰りたい。思うのはそれだけだ。


 午後8時21分、平野の第4PC。220キロ地点
 
 山中湖を過ぎるあたりから雨が上がってきた。
 
 第4PCに先着していた方と「雨が上がって良かったですねぇ。このまま道志みちじゃ、大変でしたね」とちょっと余裕で話すことができた。
 
 補給していると、例の3人組と、他に2~3人の方が到着した。秋山でパスされた若いローディーの方もいた。青葉200でも見たヒゲの黄色いウインドブレーカーの方もいた。もう今回のPCではおなじみのみなさんだ。こんな状況だと、みんなが戦友という感じに思えてくる。

 ほぼ全員が炊事用のビニールの手袋をしていた。「でも、やっぱり冷たいよ。間から水が入ってくるし」。何かいい方法はないものか。私はと言えば、冬用の手袋のなかは水分たっぷり。でもこれで行くしかない。
 
 団体のバスが到着し、若い女の子で大盛況のセブンイレブンを後に、また単独で、最後の峠、山伏へ向かう。
 

 山伏トンネル突破。霧だ・・・
 
 真っ暗だ。街灯ひとつない。ここでライト3つが役に立つのか?
 
 EL520は強力だった。これひとつでも十分という感じ。言い換えれば、他のライトがあまり効果的ではないということだ。EL520を2つ付ければ、かなり明るいと思われる。次回はそうしてみるか。また前輪に付けたライトが、振動で点灯から点滅へすぐ変わってしまうということも分かった。逆は変わってくれないので、何度も止まって「点灯」に直した。
 
 何度か上った道だし、距離も短いので真っ暗な道でも上ることができたが、これが初めての道だったら無理だったかもしれない。
 
 怖さから知らず知らずのうちにスピードアップしたのだろうか。意外と早く山伏トンネルに到着した。雨は降っていないが、霧が凄い。さあ、命がけのダウンヒルの始まりだ。
 

 意外と明るかった道志みち
 
 真っ暗な道を予想していたが、山伏峠から先の道志みちは、カーブにはほとんど街灯があり意外と明るかった。一部、真っ暗なところもあるのだが、それも長くは続かない。霧にはまいったが、それでも何だか幻想的な世界を走っているような気がして、これはこれで良かったかなと思う。もちろん、路面がウエッティなので、慎重に慎重に降りていく。スピードも抑えめ。気を抜くと、暗闇にズドンだ。
 

 午後11時00分、最後の第5PCセブン津久井青山店。265キロ地点
 
 道志みちをそれほど苦労することなく降り、青山からの坂を上って下りる途中が最後のPC。というか、最初のPCに戻ってきたことになる。到着してしばらくしたら、おなじみのメンバーが到着してきた。このままのペースで行けば、ここにいる全員が完走だ。厳しい道はもうないので、何となく安堵感が漂う。「自宅が座間なので、このまま帰っちゃおうか」なんて冗談も飛ぶ。寒さもそれほど感じない。
 

 最後の補給はエクレア!
 
 最後のひと踏ん張り、の前にエクレア補給。
 
 他のみなさんとはなかなかタイミングが合わないので、またまた単独でスタート。
 
 どのあたりだったかもう忘れたが、また雨が降り出した。
 
 そして、ケツが猛烈に痛くなり始めた。信号ストップでじっとしていると辛い。走っているときの方がまだマシだった。
 

 午前1時10分、ゴ~~~~ル
 
 ゴールは午前1時過ぎ。密かな目標は午前0時までに戻ってくることだった。それは果たせなかったが、初めて300キロを走ることができた。それも厳しいコースと、厳しい天候の中を。良く走ったなぁ。峠も足を着かずにすべて登れた。自分をちょっと褒めてあげても、いいッスよね。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  ◆サイコンによる記録(ブルベのみ)
       距離 301.43km(プラス自走往復28km=329.43)
       平均時速 20.5km/h
       走行時間 14時間40分11秒
       グロス走行時間 18時間10分
       最高速度 57.6km/h
       ※07年の通算 3277.21km
              ロード 1999.27km
              BD-1  1241.58km
              MTB  0036.35km
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

 翌日は洗車日和。首、二の腕、肩、腰、太もも、腹筋、ヒザ、そしてお尻。数々の痛みに耐えて洗車しながら、「当分走りたくないかな」とか思ったりして・・・。
 
 でも、またエントリーしちゃうんだろうな(笑)。

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コメント(18|Trackback()



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コメント
 
 
 
おなじみの顔に (おいちゃん)
2007-04-11 20:33:53
神奈川ブルベのおなじみの顔の一人ですね、もう。
集団の先頭で走るとPCに一人で着いたりするんだなあと自分にはない体験で興味深いです。
本栖湖が明るくて速い人はいいなあと思っていましたが富士吉田は車少なかったです。1時間ちょっとの差がいろいろ影響するんですね。

それにしても峠足つき無し!すごいです。
 
 
 
おつかれさまでした。 (sudoban)
2007-04-11 21:39:06
エントリーを楽しみにしていていました。
で、一気に読ませていただきました。(^。^)
300kmだけでも凄いっていうのに、これだけ登って、更に闇夜と雨。後半は壮絶なブルベだったのですね。
無事の帰還で、なによりです。おつかれさまでした!これで、すっかりブルベの顔ですね~。完走おめでとうございました!
 
 
 
おつかれさまでした (だんちゃん)
2007-04-11 21:58:05
本当にお疲れ様でした。
ボクも一気に読ませていただきました。
お尻が痛いのどうこうの前に、悪天候の中無事帰還されて何よりです。
スタートしてから18時間、ボクには出来そうにありません。体力に自信がありません。
凄いですね。
 
 
 
凄い! (tetsu)
2007-04-11 23:59:35
300km走破、おめでとうございますm(_ _)m
masaさんのブルベレポートを読んでいると、どんな悪条件下でも楽しそうに走ってる様子が伝わってきます!雨の道志、経験アリだけに感情移入しちゃいますね~(こちらは昼間でしたが)

>>自分をちょっと褒めてあげて
もう、どんどん褒めてあげて下さい(笑)
 
 
 
いえいえ (境川のmasa)
2007-04-12 04:36:07
>おいちゃんさん
まだまだ、新参者です。おいちゃんさんの域には達してません。
余裕がないですから。

でも、見慣れた顔がいると安心しますね。ペースも分かりますし。
PCに一人きりというのは、前の集団と離れ過ぎたということですね(笑)
峠は足つきなしでしたが、亀の歩みですからたいしたことはありません。
もうちょっと速く上れればと思うのですが、これ以上速くなることはあり得ないので、平地を少しでも速くするよう頑張ります(笑)
 
 
 
疲れました・・・ (境川のmasa)
2007-04-12 04:36:57
>sudobanさん
200のときはsudobanさんと気持ちよく降りた道志みちが
ブレーキ握りっぱなしですから。参りました。
でもハンドルを変えたおかげで、楽にブレーキングができました。

さて、サバンナを生き抜いたsudobanさんは、300をパスして次は400ですね。直江津の予行練習ってことで(笑)
 
 
 
18時間 (境川のmasa)
2007-04-12 04:37:31
>だんちゃんさん
私もこんなに走ったのは初めてです。
サイコンの走行時間が、2ケタの時間を表示しないというもの初めて知りました(笑)
日が暮れてからは時間感覚もなくなりました。
もう帰巣本能ですね。漕がなきゃ、家に帰ってうまいビールも飲めないぞっていう(爆)
こういう経験はブルベじゃないとできないですね。単独のツーリングでは、私もここまでは走らないです。
 
 
 
そうそう (境川のmasa)
2007-04-12 04:38:52
>tetsuさん
雨と夜はK2Kの専売特許だったですね(笑)

>どんな悪条件下でも楽しそうに走ってる
これ、私だけじゃないですよ。参加者がみんなきっと楽しんでますね。PCで文句は言っていても、顔は笑ってるもん(爆)。恐ろしい世界です。tetsuさんもそのうちこの世界へど~ぞ。
 
 
 
一気に (masa@あぁ、湘南)
2007-04-12 05:34:01
読んじゃいました。
いやあ、過酷ですね。
4.21は絶対に雨は降るなよ、と思わせるようなエントリー
雨降ってたらDNSしちゃいそうです。

サバイバルですね。お疲れさまです。
だけど、次逝っちゃうんでしょうね(^^
 
 
 
あ、忘れてた (境川のmasa)
2007-04-12 15:58:43
>masa@あぁ、湘南さん
自走で帰宅途中、自宅前1キロ地点でパンクし、直す気力もなく歩いて帰りました(泣)。エントリーに入れるの忘れてました。
ということで、最後の最後まで過酷でした(笑)

あの日はお互いにサバイバルでしたね。
お疲れ様でした。

4.21は私も雨が降ったら困るんです。
4.22の朝はたぶんmasaさんの近く(直線距離で25キロぐらい)にいますよ。
 
 
 
はじめまして(^-^) (noahpon)
2007-04-12 21:01:56
はじめまして、湘南海岸を徘徊しているnoahponと申します。

青葉300お疲れさまでした。読ませていただき、ドキドキし、楽しませていただきました。



山ばっかりの地帯で雨に打たれた300は相当難儀されたかと思います。



でも、



そんな苦行でもやっぱり楽しいですよね(^-^)



走り切った後の達成感は、かえがたいものがあると思います。



またお邪魔させていただきますのでよろしくお願いします(^-^)
 
 
 
鉄人さんへ (ちうこ)
2007-04-12 22:44:20
これからそう呼ばせてもらいます。
青葉200kmでスゴイ!と思ったのにまだこれは序の口。
青葉300kmもかなりの過酷さながらも無事に完走で、もう尊敬です。
どんどん遠くへいってしまいそうなmasaさん、次はどちらへ?
毎回のレポートが楽しみな読者達をこれからも楽しませてくださいね。

ちょっとどころか宇宙いっぱいぐらいにほめてあげていいと思います。
 
 
 
初めまして (境川のmasa)
2007-04-13 03:03:57
>noahponさん
伊豆300はお疲れ様でした。
青葉を走る前に読ませて頂いていて
こんな雨にならなきゃいいが、と思っていたら・・・、こっちも雨でした。
でも、だからこその達成感ですよね。で、また逝っちゃう(笑)

沼津は頑張って下さい。私は4月も5月も予定が合わなくて、6月に参戦しますので、
noahponさんのレポートを教科書とさせて頂きますね(笑)

今後ともよろしくお願い致します。そのうち、ブルベできっとお会いできますね。
 
 
 
次は・・・ (masa)
2007-04-13 03:16:59
>ちうこさん
また山に登っちゃうかもです(笑)
何だか、年甲斐もなく走ってますねぇ、最近は。
たまにはのんびりポタとも思うのですが
クリートをカチャって入れちゃうと、思わずクルクル回しちゃいます。
300キロは自分でも走れるとは思ってなかったので、ホント嬉しいです。

でもお尻は鉄人じゃないんですよ。これが鉄板だと、もっとどこまでも走れるんですが(笑)
 
 
 
はじめまして (taka)
2007-04-13 23:44:41
いつも楽しく拝見させてもらっています。

300km完走おめでとうございます、お疲れ様でした。

トンネルや覆道を通過する時は私も同じ思いです。
トラック来ないでくれ~、ちゃんと避けてくれ~ってね(笑)
できれはトンネル内は歩道を走った方が安全なんでしょうけど、
異常に狭かったり片側しかなかったりととにかく走り難いですよね。

次回もがんばってください。
 
 
 
すごい! (yuzito)
2007-04-14 01:19:10
 ようやく境川のmasaさんの300kmブルベエントリーすべて読むことができました。で、心からすごい!と思いました。これだけの難コースを走りきるって相当つらいと思いますよ。加えて平地での向かい風、標高の高い場所での暗くなってからの雨。これはほんとうに価値ある完走ですね。お疲れさまでした!
 
 
 
初めまして (境川のmasa)
2007-04-15 00:30:43
>takaさん
ブルベの先輩ですね。
千葉400は残念でした。
ぜひぜひ、沼津400でリベンジして下さい。
完走レポート、楽しみに待ってます。
(私は6月の沼津400に参加予定です。600は未定ですが(笑))
そのうち、ブルベでお会いするかと思いますが、よろしくお願い致します。

>トンネルや覆道を通過する時
もう決死の覚悟ですね。
トンネルの狭い歩道は、長いと緊張感が保てませんので、私は走れません。おまけに壁側に溝があったりしますからね。
とにかく、トラックのドライバーのご機嫌が悪くないよう祈るだけです。
 
 
 
ありがとうございます! (境川のmasa)
2007-04-15 00:31:40
>yuzitoさん
大御所から「凄い」とほめられると、天にも昇る気持ちです。
私にとっては、これ以上ないぐらいの難易度の高いコースでした。
もちろん、一人じゃ走れてません。
単独走が多かったのですが、それは同じルートのどこかに仲間がいるという心の支えがあったからです。
土砂降りの富士吉田で、前に尾灯が見えなかったらくじけていたかもしれません。ブルベは辛い。でも楽しかったです。

今回、自走往復で330キロほど走ったことで、違う世界の話だった「直江津」が現実的なものになってきました。私の自宅からだと、あと20キロで直江津です。
 
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