お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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 1年ぶりのブルベ。今年最初で最後のブルベ。天候は晴れ。よっしゃ、1日楽しむぞ~と走り出したのだが、伊豆の山の中でリアのシフトワイヤーが逝った。残りは120キロ。峠は2つ。熱海の坂と真鶴旧道、最後は七曲がり(^_^;もある。ギアはインナートップのシングル。果たして帰れるのか? 



こういう風景に出会うと「遠くへ来た感」がある@伊東


 って、帰れたんですけど(^_^; ダンシングのし過ぎで上半身が筋肉痛ッス(T_T)

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●BRM青葉914伊豆200 参加70人 完走66人 DNF4人
●月日 14年9月14日(日) 午前6時スタート
●天気 晴れ
●ルート 湘南台~小田原~熱海~伊豆多賀~山伏峠~修善寺~国士峠~冷川峠~伊東~熱海~小田原~湘南台



※山伏峠から大野神社付近までの約6キロほどで、ログが取得できていないうようです
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 自宅を午前5時前に出発。途中のセブンで朝飯を食べ、スタート地点の湘南台の桐原公園に向かう途中でサイコンの電池が切れた。「マジ? ここで?」。電池の買い置きはあるが、持ってきてない。仕方ないのでコンビニで高い電池を買う羽目に。1週間前に前後ともタイヤを交換するなど、万全の準備をしたつもりだったのだが…。

 さらに自宅を走り出して気がついたのだが、どうもリアのギアの入りが悪い。調整しても決まらない。でも、入らないことはない。4日前の自転車通勤では何ともなかったのに。ま、いいか。200キロだしなんとかなるだろう。

 スタート地点到着はブリーフィングが始まる5時半ちょうど。受付ではスタッフのお手伝いをしていたBongoさんと久々の出会い。いつ以来? もしかして4年前の野辺山以来? SR600fujiの話を聞こうかと思っていたのだが、ブリーフィングから車検と進み、すぐ出発となったのでかなわなかった。


スタート前のブリーフィング


 スタートはたぶん最後の方。iPhoneの調子が悪くてぐずぐずしていたら、大集団がスタートした後だった。

 5~6人のトレインの最後についたが、足が余ってしまうので小出交差点手前で最初のごぼう抜き。1号線の手前で女性が引くメーン集団に追いついた。

 う~ん、これも足が合わない。でも20人ぐらい前にいる。どーしようかなーと思っていたら、SSRジャージーを含む3人が抜いていった。あれ、Bongoさん? 最後尾スタートなのに速すぎない? ま、いいか。じゃ、僕もってことで、2度目のごぼう抜きをしたのだが、SSRジャージーはBongoさんではなく、知らない方だった。少し離れていたので話しかけることもできず、結局、そのままになってしまった。

 小田原手前でまた20人ほどの大集団に接近。こっちがメーン集団だった? このままついて行くと、PC1が大変な事になりそうだ。ということで3度目のごぼう抜き。足の調子がいいので、いい感じで走ることができている。

 小田原を過ぎ、早川口から海沿いの国道135号に出る。太陽の温もりが心地よい。道は平たんだしまさにサイクリング気分満開。


遙かに水平線。日差しが暖かく気持ちいい


◆PC1 ローソン西湘江之浦店=42.2km 7時36分(貯金1時間40分)


PC1到着


 午前7時36分にPC1到着。オープンが13分からなので快調に飛ばしてきたらしく、ここまでのネットの時速も27キロ台だった。しかし、トイレには行列ができていたので、トマトジュースを飲み、補給用のクリームパンをサドルバッグにつっこんで早々に出発。

 真鶴のいつものコンビニでトイレを済ませ、熱海へ向かう。伊豆山の上りで早速2人にかわされる。1人は自分より若いが、もう1人は先輩。ちょっとショック。


熱海・寛一お宮の像前を通過


 早朝とあって、寛一お宮の像の前は観光客がおらず、定番の写真をパチリ。

 ギアの調子は相変わらずおかしい。何度も止まって調整するが、やはり直らない。だが、回していれば変速するのでまだ大丈夫だろう。「換え時かもな」などとこの時はまだのん気に考えていた。

 ブルベのコースは安全第一。熱海を過ぎ、上りきったところの路肩の狭いトンネルはホテルニューアカオ方面へ回避。再び国道に出るとまたトンネル。あれ、これも回避だっけ? でも、出口がすぐ先に見えている。キューシートを見ても記載がない。行っちゃうかとそのまま直進すると、トンネル横の道からブルベライダーが2人出てきた。

 しまった。ミスコースだ(T_T) キューシートを見ると、前のトンネル回避のところに追加で記述してあった。でも、路肩も狭いし通行量も多く引き返せない。信ちゃん、許してね…。

 伊豆多賀の山伏峠は、アプローチは違うが8年前に上ったことがある。ロードバイクに乗り始めた1年目のことだが、きつかったことしか覚えていない。だが、足付きなしで上ることができていた。あのときから年は取ったが、登坂能力は上がっている。距離も6キロ弱と短いし、それなりに苦しむだろうが何とかなるだろう。

 そんな自信めいた気持ちは江川米店の手前を右に曲がり、峠へのアプローチに入った途端、いきなり崩れた。

 あり得ない坂がそこにあった。これ何%? 周辺には住宅があるというのに、立ち漕ぎしなきゃ前に進めないほどの激坂。まるで美ヶ原だ。一緒に上り始めたブルベライダーはシッティングで頑張っているが、こっちはそれじゃこけちゃいそう。立ち漕ぎでペダルを思い切り踏み込みながらよろよろと上っていく。それでもいつの間にか一緒にいたブルベライダーから先行し、やがては見えなくなってしまった。ブルベの時に坂で抜けるなんてめったにないのにね。

 この坂は休むところがなかった。シッティングじゃ進まないので、立ち漕ぎをやめることができない。時速は6~7キロ。歩くよりちょっと速いぐらいか。汗びっしょりになってのつらい登坂が続く。

 ふと前を見ると、歩いているブルベライダーがいた。7年前からブルベに参加しているが、坂を歩くブルベライダーを見たのは初めてだ。ギアが足りなかったか。ただ、その歩いている人になかなか追いつけない。苦しむよりは歩いた方が楽かもねぇ。でも、一度止まったら漕ぎ出せないだろうな。

 あれ、歩いている人がほかにもいた。全部で5人? 恐るべし、伊豆多賀の山伏峠。

 時速は6~7kmぐらいしか出ていないので、歩いている人を抜くのも苦労したが、何とか坂で5人をごぼう抜き。こういう経験は初めてだ。

 上るにつれて緩いところも現れシッティングで漕げる区間もあったが、大部分は力いっぱいの立ち漕ぎでふらふらしながらピークへ向かった。そのうち右足がつってきた。それをだましながらペダルを回す。


山伏峠到着。景観はひらけていない


 午前9時20分ごろに山伏峠のピークに到着。約6キロを40分弱。平均時速は9キロほどだった。

 ここで足を着いた途端、右足が本格的につりそうになった。曲げちゃうと、きっとつる。しばらく伸ばしたまま耐え、けいれんが引くのを待ったが、収まりそうにない。仕方ない。この先は下りだし、足を回さなくてもいいからとにかく乗ろう。

 上りの途中から車の通行量も少なくなり、気持ちのいい道となった。当然、下りはもっと気持ちいい。

 ところが、下りに入りインナーローからギアを変えていたら、まったく変わらなくなってしまった。あれ、おかしいな。リアがローに入らない。こういう時って確かシフトワイヤーが切れたとき…。

 ガチャン! と音がして、ギアがインナートップに収まった。ギアチェンジをしても空振りするだけだ。あちゃー、やっちゃったよ、こんな山の中で…。リアのシフトワイヤーが切れちゃった。

 残るは120キロ。これをインナートップのシングルギアで走らなければならない。そして、峠は自分にとっては未知の国士峠と冷川峠。後は伊豆山と真鶴旧道。そして最後の七曲がりが残っている。

 過去に一度、走行中にやはりシフトワイヤーが切れたことがある。この時は平地だったので何とかなった。実は、その後に修理してもらった行きつけの自転車屋のおやじさんに応急処置を教えてもらっていたのだが…。

 いかん、すっかり忘れた。どうやるんだっけ? 確か、リアディレイラーのネジを調整するんだが、どれだっけ?

 止まっていたら後続の2人のライダーが「大丈夫?」と止まってくれたが、聞いても分からなかった。仕方ない。これで頑張れるところまで行ってみるか。時間はかかるだろうが、海岸線へ出ることができれば何とかなるだろう。

 こういうトラブルがあって止まっていると、ブルベライダーほぼ全員が声をかけてくれる。この場面の事が少し前の朝日新聞スポーツ面に掲載されていた。編集委員の忠鉢さんが書かれた「自転車に秘められた力」というコラム。自身もブルベに参加し600キロでメカトラにあったが、制限時間があるにもかかわらず後続のライダーから次々を声をかけられた時の思いを記している。残念ながらリタイアしたそうだが、朝日に「ブルベ」という単語が出てきたのでびっくりして読んだ記憶がある。

 このメカトラだが、リアディレイラーのトップアジャストボルト(後ろの上にあるボルト)を右へ回せば、ディレイラーが左へ動くので、少しでも軽いギアまでいくところまで回して見れば良かったようだ。ただ、シングルギア固定であることは変わりない。

 諦めて出発。下りはいいが、少しでも上るとダンシング。ママチャリで言うと、3速のうち一番重いギアで固定されている感じ。いや、それよりだいぶ重いな。

 山伏峠から修善寺の駅までは気持ちのいい12キロの下り。だが、これから先の「地獄」を思うとなんだか楽しめない。

 修善寺駅の先のT字路を左に曲がると、いよいよ上りが始まる。辛いなぁ~、坂道発進。

◆PC2 セブンイレブン天城湯ヶ島店=94.0km 10時39分(貯金1時間45分)

 PC2に到着したが、貯金がまったく増えていない。きつい上りとメカトラストップがあるので、まあこんなものか。とにかくこれから先の峠で歩く羽目になるだろうし、時間はいくらあっても足りないと思ったので、補給はソーセージとクリームパン2つを腹に放り込んで、あたふたと出発した。

 PCのすぐ先の湯ヶ島宿の交差点に「←冷川IC」の看板。これを左に入るのだが、これでいいんかい? というほどの細い道だった。

 ちなみに湯ヶ島宿を直進すると、天城峠。ここも一度、自転車で行ってみたい所だ。

 さて、いよいよ傾斜がきつくなってきた。といってもまだ5%前後。普段ならインナーローで、楽に、ではないが、まあそれなりに上れる坂。それがメカトラで壁となって立ちはだかっている。

 インナートップのダンシングでの上りは足だけでなく、腕や胸の筋肉など上半身も目いっぱい使う。足を休めることもできない。つらいッスよ、ホント(T_T)

 あぁ、もうダメ…。足が重すぎて回らない。こけそうだ。…ついに歩く。悔しいなぁ。山伏峠でも足着きしなかったのに。

 ブルベで歩いたことは1度だけある。08年に走った紀伊半島1周 BRM927泉佐野600で、450キロ以上走った後の三重の山の中のダートの上りだ。携帯ポンプが壊れパンクするとリタイアというか遭難の危機だったので、押して歩いた。自転車に乗り始めたころは箱根を歩きまくったものだが、ロードに乗るようになってからは坂がきつくても歩いたことはない。
 
 こんな緩い坂を歩いているのを見られなくないなぁ…。だから、少しでも緩くなると自転車に乗った。ただ、漕ぎ出しがつらい。まず、平行によろよろと走り出してから「えいや!」と踏み込んで上り始める。車がほとんど通らない道で良かった。

 3~4度歩いたが、1度が数十メートルなので、トータルしても500メートルもないだろう。きついところが短くて良かった。峠手前は何とか乗ってピークへ。PC2には数人いたのだが、幸いにして誰にも抜かれず、歩く姿も見られなかった。


とりあえず第1関門クリア。「名勝」とあるが何も見えないのだが…


 上り初めてからピークまでの距離は4.8km。平均こう配は6.3%。この登坂に40分弱かかった。平均時速は7.7km。インナーローで上るのとたいして変わらないかな(^_^;

 ピークからは約9キロ下り、冷川交差点の先から再びきつい上りが始まる。


「冷川峠」とあったのでここかなと思ったが、もっと先だった


 上っていると「冷川峠」とある。ここかなと思って足つきして写真を撮ったが、これは本来の峠への道標だった。


第2関門もクリア


 歯を食いしばってダンシングを続け、ようやく冷川峠へたどりついた。この坂は急こう配や厳しい左カーブもなく、歩くことなくインナートップを力任せに踏み倒して上り続けることができた。ブルベライダーには1人だけ抜かれただけだった。

 ピークまでの距離は2.7km。平均こう配は5.8%。かかった時間は20分強で、平均時速は7.7km。距離も短く、こう配もきつくなかったことが良かった。そして、5%ならインナートップで上れることが分かった。2度とないけどね。

 アウターローはよく使うが(^_^; インナートップは普段だとあり得ない組み合わせ。そのせいか、フロントディレイラーとチェーンが接触する。この音が気になるが、ここまで走ると音にもペダルの重さにも何だか慣れてきた気がする。

 ここから7キロほど気持ち良く下り、伊東の町へ。さらに海岸線の平たんロードをぐいぐい回して、PC3へと向かう。

◆PC3 ファミリーマート ナカスイ熱海下多賀店=137.0km 13時12分(貯金1時間54分)


伊東は南国ムード漂う


 本来ならここでがっつり食べたいところだが、一刻も早くインナートップの苦行から解放されたくて、クリームパンの残りとファミチキをパクついただけでスタートした。残りは70キロ弱だ。

 上りはほぼダンシング。信号スタートもダンシングなので上半身、特に二の腕や胸のあたりが早くも筋肉痛気味。足より先にこっちがダウンしてしまいそう。最後まで持つのだろうか。

 路肩のない海岸線の道を歩くのは怖いなと心配していたが、そこまでの坂は幸いにして現れず熱海から湯河原までたどりついた。そして、最後の難関の真鶴旧道へ向かう手前の上りをダンシングでふらふら上っている時だった。

 「わざとですか?」。そう後ろに付いた人に聞かれた。

 そうだよねぇ。インナートップで走っている人を見たら、自分だっておかしく思って聞くわな。

 「シフトワイヤーが切れてリアがトップ固定なんですよ!」。ダンシングしながら大声で答ると、複雑な表情で「頑張って下さい」と言い、彼は真鶴旧道へ消えていった。

 山伏峠という超ド級の坂を上った後のせいか、真鶴旧道は丘に思えてきた。インナートップなのできつい所は時速10kmも出ないのだが、ログを見てみるとピークまでの4キロを平均時速15キロで上っているようだ。こう配は平均3%。火事場の馬鹿力じゃないが、何とかなるもんですな。

 ピークにあるレストラン「れんが屋」が見えてきたときは心底ほっとした。苦行もこれで終わり。後は平地だ~!

 といっても、信号スタートは立ち漕ぎじゃないとダメ。ただし、スピードに乗るといつもより速い気がする。ガシガシ回して、上りはダンシング。この繰り返しで平たんな残り70キロを一気に走った。唯一の急坂のゴール手前の七曲がりは工事中の片側通行。帰りは上りとなるので、歩いてもいいかと思ったが、幸い大型トラックの後につけたのでのんびりと上ることができた。

◆ゴール 桐原公園=203.3km 16時25分(貯金3時間5分)


 シフトワイヤーが切れた時は、残りの上りはほとんど歩かなくてはならないと覚悟したが、結局歩いたのは国士峠の数百メートルのみ。上りでは5%の坂でも時速10キロが出ず7~8kmが精いっぱいだったが、何とか乗ったまま乗り切ってゴール。それも10時間25分という、予想よりもはるかに速いタイムだった。

 山伏峠はインナローの立ち漕ぎ、シフトワイヤーが切れてからはインナートップの立ち漕ぎ。200キロのうち、140キロがダンシング中心のサイクリングだったが、皮肉なことに達成感はいつものブルベよりはあったような気がする。 もうごめんですが(^_^; インナートップのシングルギアで修善寺から帰ってきたことは自信になりそうッス。

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