池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

45号「やらせ」

2009年10月23日 | Weblog
タヌキが来ることは前に報告しました。タヌキはときどき昼間もみることがあった。いつでも見ることができるのは、開聞岳の麓、トカラ馬を放牧していますが、馬にかいばを与える場所に昼間でもタヌキが現れる。ここは入場料がかかるのでいつも出かけるという訳にはいかない。

その他の場所でも2~3回みたことがあったが、それらは決まって全身皮膚病に冒されているのか、はげていて、まるでテレビで見たヘアレスドッグにそっくりの姿をしていた。「病気で夜間思うように餌を食べることができないので、昼間うろうろしているのではないだろうか?」と私は心配していたのだ。
ところが我が家に現れたこの個体はご覧のようにつやつやした夏毛に覆われていた。

タヌキとアナグマと比べて見ると大きさはタヌキが少し大きいというか、足が少し長いが、ほかはそっくりである。これでは間違われるのも無理はない。どちらも夜行性だしタヌキは自分で穴を掘るのは苦手だけれども、アナグマの掘った穴に居候するといわれているから、間違われても仕方が無いと思うほど似ている。

餌の食べ方はどうか、と思って両者にパンを与えてみた。するとタヌキは素早くくわえて私に見えない場所に行ってしまった。アナグマは私の目の前で平気で食べる。ここに来た個体はタヌキの方が警戒心が強いようだった。パンはタヌキが喜んで運んでいったが、アナグマはあまりせっかちに食べようとはしなかった。アナグマは猫用に市販されている餌が好きなようであった。

1回両者が餌を巡って、いがみ合ったことがあったけれどそのときは、アナグマが背中を丸めて、プシュというような声を出してタヌキを追い払った。

しばらく餌を与えていない。けれども大きな声でなくクツワムシが時々ふっと鳴きやむときがあるので、来ることは来ているのだろうと思っている。

現在は餌をあげていない。野生動物は餌が簡単に手にいるとわかると居着いてしまうのでは無いか。と思っているからである。いわゆる「餌付け」である。餌付けして野生動物に良いことは何もない。と思っているからである。
今度はもっと本格的な冬になって彼らが冬毛に変わった頃、数枚写したいと思っている。
池田湖周辺はほとんど農家です。農家にとって彼らは害獣だと思われているから、アナグマは特に肉が旨いということをみんなが知っているから、今度出会うまで元気で暮らしてほしいと考えている。

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