池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

133 トキワツユクサ

2013年05月21日 | Weblog

この植物名を探すのに1週間ばかり費やしてしまった。まあずーとこのことばかり考えていたわけではないが、ほとんど毎日散歩する。決まったコースを歩くのです。カメラと双眼鏡を首にぶら下げて歩く。

日本の山野(ほとんど平地)を歩き始めたのが、20歳の頃から、日本野鳥の会に入会してからです。旅行や仕事の出張の時カメラと双眼鏡は必ず鞄の中に入れて出かけてきた。これまではだいたい双眼鏡と超望遠レンズつきカメラ(超というのは600ミリ以上の望遠という意味で超と書きました)。

歩き始めの頃、40年くらい前、当時は豊島区の学習院下というところに暫く住んでいた。早朝下駄履きで我が家を出て学習院大学の下の道から大学構内の林に群れる野鳥を見ていたとき、近くにパトカーが止まって、「何をしているんですか」と聞かれた、職務質問ではなかったと思うけれども、お巡りさん行き枯れた。「鳥を見ているんです」と私が応えると、「鳥を見てどうするのです」と聴く。「観察してるんです」というとそれ以上は聴かなかったが、お巡りさんに質問されるというのは、あまり良い感じはしなかった。

当時は、日本野鳥の会会員が2000名を少し超えたくらいの頃で、町中で野鳥観察をする人はいなかった頃だから。

広島もよく行った、昭和50年頃だったろうか、朝早起きして宿の近くの墓地を歩いていたとき、キクイタダキを初めて見た。千葉県八千代市の花見川も良く歩いた。ここでは望遠レンズを担いで一日中川の堤防で過ごすことが多かった。八千代市から幕張のロッテ球場まで歩いたこともあったから当時は元気があったのだ。途中に旨いラーメン屋があった。決まって海鮮ラーメンを食べた。椎名誠さんが高校生時代過ごした町を彼の文章を思い出しながら歩いたこともあった。このコースは野鳥が多かった。

習志野市の谷津干潟も良く出かけた。まだ埋め立て真っ最中の頃から行っていた。捨て猫や野良犬もいた。ほこりっぽい埋め立て地には夏は、アジサシが雛を孵していた。谷津干潟保全の運動をしている人たちが、掘っ立て小屋を建てていて、そこの人に谷津干潟の歴史を教わったりした。野鳥の会東京支部には当時からがんばっていた人がまだたくさんいらっしゃる。東京支部報が届くと、お名前を拝見して懐かしい思いがする。

今は鹿児島に帰って早いもので10年以上経った。帰省して間もなく植えた実のなる木も今年はたくさん実をつけている。望遠レンズはカビが生えてしまい数年前修理にだしたら、もう手に負えないといわれて帰ってきた。鹿児島は住むには良いところだけれど、カメラやレンズのメンテナンスにはいろいろ不便である。

この植物は、なかなか名前が思い出せないでいた。今日散歩の途中に1本抜いて(あまりすすめめられないけれど)見たら、ツユクサの仲間だと気づいた。それで家に帰って名前がわかった次第です。


132 ダチュラ

2013年05月17日 | Weblog

昼食を食べに山川港へやってきた。港近くの崖からこの花が垂れ下がっていた。田中一村の絵を見たことのある人はわかると思うが、「ダチュラとアカショウビン」にダチュラの枝に止まるアカショウビンが描かれた絵がありますがあのラッパ型の白い花です。

この港に食堂があって、私はそこで供される(魚のあら煮定食)が好物なのです。ただし、あらが新鮮でなくちゃ行けないけど、ここのあら煮は旨いと思っているのです。値段も600円で安いし。

食堂への行きにダチュラが見えたのだが、道が狭く車を止められない、そこで帰りに撮した。近くの造船所の駐車場に停車して撮した。ダチュラは、ちょっとした群落になっています。

ダチュラは、鹿児島ではあちこちで見ることができます。外来種だそうですが外来種らしく勢力旺盛だ。日本に入ってきたのは相当昔らしく青州の妻目が見えなくなったのはこの植物のせいという伝説もあるらしい。有毒植物です。

山川港は港らしい港です。数年前までは、鰹節製臓造が有名でしたが、現在はこの港に鰹は水揚げされなくなりました。現在は、同じ県内の枕崎港に水揚げされ鰹節工場には枕崎から車で運ばれてきているようです。鰹節製造の過程で大量の樫の薪で鰹をいぶします。樫の木は、南鹿児島の照葉樹林を形作る主たる樹木です。大きな木が切られます。私の家の樫も数年前「売ってくれ」という人が訪ねてきたことがあります。「売りません」と固辞すると、その人は、「どうせ中はボクだ」と捨て台詞を吐きました。ボクというのは中が洞になっているという、鹿児島の方言です。

私は時々この港の桟橋に鰺を釣りに来ます。港ないの水は濁っていますが、港の外側に面した海はきれいに澄んでいて泳ぐ鰺が見えるのです。サビキ仕掛けで釣ります。また港にはたくさんの漁船が係留されています。そして漁船の船長と話をするのが好きです。以前話した人は四国の人で延縄でトラフグをねらっている人でした。「釣れなくなった」と言っていました。はなしながら、冷凍サンマを包丁で手際よく切っていた。切ったサンマを延縄の針にかけて魚をねらうのだそうです。

食堂であら煮は売り切れていた。隣の人はカレーライスを食べていた。私は漁港に来てカレーライスは食べたくない、そこで刺身定食にした、あら煮の倍の値段でおまけにうまくなかった。

帰りにダチュラを撮した。撮しながら昔NHKで放映した青州の妻のドラマを少し思い出した。考えているうちに以前ウイキペディアで知った、ダチュラで中毒した人が意外に多いということも思い出した。あの花を食ってしまったのだろうかそれとも種を食べたのかなのどと思い今度は種子も見てみようと思った。

ダチュラは見ての通りまだ花が開ききっていません。

 


131ツバメ2

2013年05月17日 | Weblog

一番仔です。親は既に次の卵を抱いています。

私の隣家で孵りました。130に書いたツバメの仔です。5卵全部無事孵化しました。孵化後しばらく近くの電線に止まって親から餌を運んでもらっていました。暗くなると生まれた巣に帰って親子そろってねぐらを取っていましたが、今はそれぞれ独り立ちしたようです。ようですというのは巣立った雛を追跡するのは、私一人では不可能です。野鳥の中でもツバメは、あまり羽を休めて止まるということをしないから目に付かないのですというか、追いかけられない。昼間は常に飛び回っているといっってもいいくらいです。水を飲むのも飛びながらクチバシを水面につけるようにして素早く飲むし、多くの野鳥が羽毛の手入れをかねて水浴びをしますが、ツバメは水浴びも飛びながらやってしまうのです。しかし巣立ちして間もなくは電線などに止まって親鳥から餌を口移しでもらっています。夜になると自分が育った巣に親と一緒にねぐらを取ります。しかし1週間もしないうちに本当の巣立ち、子別れをしてしまいます。その後は幼鳥は幼鳥同士河原など草むらに集まってねぐらを取るようです。ですかr目印でもつけておかない限りどれが観察していた鳥なのか見当も付かなくなってしまいます。

この写真は、まだ親といっそ新井田ほんの数日のうちに撮したものです。人間でも若者を捕まえて「クチバシが黄色いくせに生意気だ」などという人もいるようですが、文字通りクチバシが黄色いです。尾羽も短くて嚥尾になっていません。実にわかりやすい。

同じ家の軒先には、雀の雛も孵っていてシリシリシリと鳴いています。ツバメもスズメも日本野鳥の会の調査では近年数を減らしているようです。ツバメもスズメも人間を信頼しているのです。鳥の天敵は蛇などたくさんいます。人の近くにいると多くの天敵が人をおそれて近づきません。人を上手に利用しているのです。長い時間をかけて人を利用することを覚えたのです。利用すなわち信頼だともいえるでしょう。

ツバメも雀も瑞穂の国といわれたこの国が住みやすかったのだろうと思います。稲につく昆虫をたくさん食べてきたのです。しかしこの国は、減反政策を採って徐々に瑞穂が少なくなって来ました。さらに巣を作る人の住みかも作りが様変わりしてきました。雀は特にわらぶき屋根に多く巣を作っていました。わらぶき屋根は、今やありません。瓦屋根に変わっても、瓦といらかの隙間に巣を作ってたくましく生きてきましたが、今ではコンクリートの家も増えて瓦屋根も少なくなりました。雀の減少にはこれら巣作り場所の減少も原因があるかもしれません。

私の隣家のツバメなど家の持ち主が下を歩いても平気でいますが、私がカメラをもって下に行く飛び立って巣に入ろうとしない。カメラが怖いのかもしれないけれど、どうも人間も識別しているようなのです。私も野鳥への気持ちは家主さんに劣らないと思うのだけれど、少し悔しいね。

ここは駐車場なのですが、入り口のシャッターの溝に大きなアオダイショウのはさまれた死骸が見つかりました。大人の腕ほどもある大物でした。蛇も野鳥に勝るとも劣らぬたくましさです。こんな大物が小さなシャッターの溝をはい登ったと思いました。見た感じ蛇の太さの半分くらいの細い溝を人に気づかれないで登っていたのです。

先日私の畠に樹木が生えてきて今のうちに切り倒さないと手に負えなくなるほど大きくなってしまいそうで、切るかそれとも野鳥の好む実がなる木ならそのまま大きくしてしまうか、と見に行くと、10年ばかり前に植えた白桃が実をたくさんつけていてそばには死んだと思っていたシークァーサーがなんと黄色く熟した実をつけていました。ところがジャガイモを野ざらしにして腐ったにおいのような、マムシのにおいが立ちこめているのです。気持ち悪くなって早々に引き上げた。

蛇はあまり好きではないけれど殺してしまうほど嫌いではないのですが、マムシは別です。出会ったら殺そうと思っています。なかなか出会わないから良いけれど。

近くでシジュウカラが鳴いています。巣に餌を運んでいるときの鳴き声です。私の巣箱は今年使えないので、どこかで自然の巣穴を探したのでしょう。彼らもこの春二番目の子供を育てているのでしょう。

現在の気温22℃、昨夜今年初めて蚊取り線香を焚いた。