池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

102 野鳥の土産2

2012年07月29日 | Weblog
鶏卵ほどの大きさだろうか。少し色づいている風でもある。

小学校高学年の頃だったと思うけれど、通学路が学校をはさんで反対の方角から来る人がいた。山を越えてくる遠方にすんでいる人でシゲモリ君と言った。この頃は夏はカブトムシのたくさんいるところを知っている人は友達に自慢できた。シゲモリ君が大きいカブトムシを学校に持って来るので、私はいつもうらやましかった。

急用が生じてここで中断して午後からまた書き始めている。たくさんの人が私の拙いブログを訪問していることが、ある筋からの連絡で判明した。私は頭に浮かんだことをただ文字にして並べているだけで、実は投稿する際も決して読み返したりしていない。ですから文章として成立していないのはもちろん、誤字脱字も数知れないほどある。すまぬと思いつつも身についた習性で直らない。今後は少々注意して筆記したいと思うけれども、どうなるか私自身でもよくわからない。

と言うこと話に戻る。話の続き、私は昆虫大切少年だった。おもちゃもないし、テレビもなかったのだから、大きな魚を釣り上げたり、カワセミの巣を見つけたりする子供が偉かった時代でした。
ある日、シゲモリ君が、「カブトがたくさんいるところを教える」と言ったのです。この私に。鹿児島弁でだけど。そして鬼角(おにかど)ビラという山を越えて私は、彼について行ったのです。(学校が終わってから、放課後)何の木だったか忘れたけれど、たくさんカブトやクワガタやシロスジカミキリそして今は名前がわかるオオスズメバチもいた。オオスズメバチがどんなに怖いか私は知っていた。樹液に集まる虫には順番がある。というか、強いものが先に樹液にありつけるのである。見ているとオオスズメバチが一番強いんだということがわかった。当時はカブトが強いだろうと思っていたんだ。)

シゲモリ君はなんとグーでオオスズメバチを叩いたのです。びっくりした、私はオオスズメバチに刺されると大人でも死ぬ場合があるということを知っていたからです。

また初秋のある日休校日に1日掛かりでムベを採りにつれていってもらったこともありました。千貫平という子供たちが遠足に出かける丘がありますが、その麓が一面灌木広葉樹の森になっていて、ここにムベやアケビなどがある。シゲモリ君はそれらがどこにあると言うことを熟知していた。そして木に登るのが素早かった。学校の勉強はそんなに素早く片付ける人ではなかったので、教室と山の中での彼との違いが大きくて同一人物に見えないほどだった。

時々、「山の学校」に来るんだ。(もちろん、鹿児島弁で)とも言っていた。山の学校とは、本当の学校に行かないで山の中で一日過ごす。遊んで過ごす。ことである。「楽しかろうな」と思いつつ、度胸があるな、俺にはできない。などと思ったものです。

画像のムベは野鳥の土産です。この時期こんなに大きいので少し早すぎると思います。それに少し色づいているような気もします。普通なら9月末頃食べ頃になるんです。

数年前シゲモリ君が死んだということがわかりました。中学校を卒業してから1回も合わなかった。

開け放した窓から一匹のスズメバチが今家に入ってきました。コガタスズメバチのようだがかなり大きな個体です。女王が巣作りの場所を探しているようだ。池田湖周辺ではスズメバチをクマンバチと呼びます。成人してからクマンバチなどと言ってしまい同僚の失笑をかったことがあります。
17:22気温33℃、快晴

101 幼虫

2012年07月24日 | Weblog
昨日、梅雨があけた。時刻16:18、気温31℃、快晴。
今年はよく降った。それも一粒がおおきい雨が、豪雨、集中豪雨と呼んだ方が良いのだろう。九州は大きな被害が出たという。幸い私の住んでいる南九州は降ったのだが、大きな被害は出なかった。
池田湖の水は増えた。池田湖の水面と同じくらい低い土地では、少し水たまりができた。梅雨の最中植木鉢に移植したマンリョウはどうやら根腐れをおこしたらしく葉が枯れてきた。百姓の小せがれである私としては恥ずかしい。でも奇跡を信じてまだそのまま放置してある。鉢の土が乾いて完全に木が完全に枯れるまで見ていようと思っている。長雨、大雨の我が家の被害です。
雨を喜ぶ初器物もあるようだ(たいがいそうか)ボンタンが1本あるのだが、ボンタンをご存じない人もいるかもしれないので少し解説してみる。柑橘類つまりミカンの仲間で果実が大きいものだと直径20センチメートルくらいに大きくなるものもある。バンペイリユという大きなミカンがあるけれど大きさはあれと遜色ない。現在ソフトボールくらいに育っている。以前は実が小さな時は葉に紛れて数がよくわからなかったのだが、昨日しげしげと見てみたら6個あった。これから嵐を乗り越えて冬までいくつ残るだろうか?実が大きいだけに風に弱いのだ。

7月25日、昔は給料日だった。本題(画像について)に入るまで時間がかかる。今回も1日経ってしまった。晴れ、8:25の気温28℃クマゼミがじゃんじゃんじゃかじゃか鳴いている。昨夜洗った選択物を干して、自転車の旅(北海道編)を見てようやくPCの前に座った。早朝アカショウビンが鳴いた。この夏初めて聞いた。ウグイスが眼前の柿の木で鳴いた。近くで鳴いたのでびっくりするくらいの大きな声だ。ここで冷蔵庫を見に行ってきたらご飯がきれている。いそいで米をといできた。今、私は土鍋を使って飯を炊いている。炊く時間15分、蒸らし20分。炊く前に米を水を含ませる時間を1時間くらい確保している。そうすると旨い飯が炊けるのだ。

それで写真の話だけど、ぶら下がっているのが、キオビエダシャクの幼虫です。実はこれは全部死んでいるのです。生け垣の持ち主が殺虫剤を散布したらしい。だが既に手遅れでイヌマキは、木全体が茶色になっている。幼虫がこのくらいの大きさ(約5センチメートル)になると、地中に潜ってさなぎになる、そして羽化してと命が巡るのです。
震動を与えるとこのように糸にぶら下がって降りてくる。この写真の場合は薬に苦しくてぶら下がったものと考えられる。最初このような光景を見たときは、こんなにどこにいたんだろう、と思いました。尺取り虫は一匹だけ見るとかわいいがこれだけまとまると気持ち悪い。 

100   「キオビエダシャク」

2012年07月15日 | Weblog
九州鹿児島県も本日は梅雨明けしているはずなのだが、台風7号が東シナ海を北上中なので本日は先ほど(正午)あたりから5メートルくらいの南西の風が吹いている。
今年は台風のあたり年かもしれない。すでに7号であるから。私は帰省してから台風の進路予想をするのが好きになってしまった。テレビでは台風が日本に接近してくると強風域を示す円と今後の進路を2本の線で示して丁寧に到達予想時間まで示して日本人の不安をあおっている。もとい、注意を促している。私はそれを見ながら太平洋の高気圧の張り出し具合と大陸(アジア)から吹いているであろう貿易風の強さ、日本付近の天気図(低気圧がどの位置にあるか)などを見比べて台風の今後の進路を想像してひとり楽しんでいる。(九州では梅雨明け間近の大雨で大きな被害を出しているのでこのような書き方は不遜ではありますが、その点は深く反省します。)テレビの台風情報には注文がある。日本付近の天気図を詳しく報じてほしいのだ、予想円と2本の線の進路予想だけが強調されて肝心の現在の日本付近の天気図の報道がおざなりになっている。これでは自分で進路を予想するのがしにくいです。私はインターネットを開いて日本付近の天気図と見比べながら予想を立てることにしている。
7号はまったく素人予報官(俺のこと)にとってわかりやすい進路をたどっている。文字通り太平洋高気圧の縁をたどって進んでいるのだ。しかし台風は南朝鮮(韓国)の方向へ向かっている。大韓民国には知り合いが何人かいる。しめしめと思ったり被害がなければ良いななど複雑だ。
子供の頃は台風がきて強風が吹くと次郎柿などの甘柿が落ちるのでそれを拾って食べるのが楽しみだった。こんなのんきなことを考えられるのも7号台風が鹿鹿児島県に直接被害を及ぼさないということがわかったので考えていられるのだけれど。

我が家は池田湖のほうにむいて建っている。台風で一番強く風が来るのは池田湖の方からです。家が小さく貧弱な作りなので強風には弱い。だから先祖が防風林を植えて強風から家を守ってきた。中でも開聞岳の方角(読者にはわからないけれど)からくる風が強烈で家の傷みもその方向が激しい。で、そこには父親が植えたイヌマキの木が5本あったのです。直径が30センチメートルをこえる木もあった。それが4年前全部立ち枯れてしまった。おかげで樹間があいて池田湖が望めるようになったのです。

野鳥の土産でイヌマキの後にシロダモとヌルデが生えてきたのです。2種の木に少し隙間があったのでクルミも1本私が植えました。ヌルデやシロダモは成長が早い、来年は実をつけそうです。シロダモの実はツグミの仲間が喜んで食べます。ヌルデの実は野鳥にとっての救荒食みたいなものでそれほど喜んで食べてはいないようですが、木の成長が早く急場しのぎの防風林になります。もっとも暴風に遭うと成長が早い樹木だけに折れやすいですが、果実は小さな茶色の実がブドウ状に房となってつきます。私も口にしますが、旨い塩(しょっぱいだけでない塩)の味がします。「塩から」と子供の頃は呼んでいました。現在は極端といっても良いくらい塩分を制限している高血圧人間ですから、私は口に入れませんが、疲れているときなど乙な味でした。

キオビエダシャクはイヌマキの樹皮の隙間、皮と皮の間に卵を産み付けるらしい。10日ほどで孵化しイヌマキの葉を食べ始める。この幼虫が尺取り虫の動きをするからエダシャクという名前をつけたのだそうです。孵化より10日間ほどで5センチメートルくらいに成長するらしいがこれが食欲旺盛でイヌマキの葉を食い尽くしてしまいます。すると直径30センチメートルはあろうかという大樹でも幹ごと枯れてしまいます。近所の農家は農薬を散布して幼虫のうちに退治していますが、私は薬剤を使うのが嫌いだから散布しません。それで全部枯らしてしまいました。切り倒して盛大にたき火で燃やしてしまいました。結果、池田湖が縁側より透けて樹幹をすかして見えるようになってしまったのです。見えるということは風もスースー通るということです。しかし、よくしたもので後に野鳥たちがシロダモやヌルデを植えてくれたのだ。

近くに大野岳という500メートルくらいの丘がありますが、2003年私が帰省した年この丘の頂上で初めてキオビエダシャクの成虫(写真)にあいました。「金属光沢のきれいなチョウチョだな」これが最初の印象です。真っ昼間でしたから蛾とは思いませんでした。蛾は夜活動する生き物という印象でしたから。
植物は有毒のものも結構あるが、その毒によって他の動物の食害から免れるものも多い。イヌマキはイヌマキラクトンやナギラクトンという毒性の物質を持っているというが、キオビエダシャクの幼虫は葉を食べることで体にこの毒を帯びることになる。孵化した成虫も毒を持っている。だから野鳥が食べない。大量発生するとそこら中のイヌマキが食害をうける。鹿児島ではイヌマキを生け垣にしているが、ぜんぶ枯れてしまうのです。

以前は、はるか南の洋上にある種子島がこの虫の北限とされていたが最近は鹿児島県の本土でも普通に見られる蛾になってきた。地球温暖化のせいだという人もある。

台風7号は朝鮮半島へ上陸したらしい。昨日の池田湖は車のワイパーが聞かないほどの豪雨が降った。現在9:31は雨は上がり遠雷が聞こえている。気温28℃湿度80%過ごしやすい朝です。