「呼吸が止まりましたっ」
食堂でテレビを見ていた私へ、若い看護士が慌てて知らせにきた。
足に固定帯ベルトをしている私は、ビッコを引きながら急ぎ病室に戻った。
目と鼻の先なのだが・・・遠い
2月16日
姉がうどんを食べたいと言うので、資さんうどんですぐに食べられる持ち帰り用の、
ネギとかまぼこだけの入った(姉の所望するうどん)を、タクシーに乗って
運んだ。これで3回目である。
高いうどん代になったが、うどん汁はまだ熱い
「美味しかったー」 姉の反応がいいので運びがいはあった。
主治医が覗いたので、3分の1くらい食べましたよ、と私が言うと姉は半分は食べたよ、とすかさず訂正した。
叔母がこのとき海老の押し寿司を持って見舞いにきてくれた。
もう、は入らないよ。
じゃあ、この押し寿司は夕食ね、というと姉は納得していた。
私もホットした気分だった。
昨年11月の下旬くらいから、私は昼食と夕食の介助に付き歯磨きの手伝いまでして帰宅していた。
そして1日に2回おかずを運ぶので、この叔母の差し入れは有り難かった。
夕食時間になり、姉は押し寿司は1つ食べたのみでギブアップした。
いつものように、歯磨きをして「またね~」とサヨナラして帰宅した。
これが、姉との会話は最後となったのである。