学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

将来の学芸員に

2022-07-16 22:16:43 | 仕事
私が学芸員という仕事を知ったのは高校生のときで、大学に入ってからは美術館の学芸員を目指しました。ただ、実際に学芸員として働いている方と話をしたことはなく、その職業に対しては、本などから得られるぼんやりとした印象しか持っていなかったのが正直なところです。

先日、美術の勉強をしている大学生が授業の一環でいらっしゃいました。将来は学芸員を目指しているのこと。インタビューの中で、学芸員を目指すには、大学時代からどんなことを勉強しておけばいいのでしょうか、と質問を受けました。難しい質問ですが、私の経験を踏まえて話をしました。まず気になる企画展があれば、できるだけ足を運び、本物を見る機会を増やすこと。そして、展示室にも目を向け、展覧会の構成を確認すること。作品の配置、導線、キャプションの位置、文章のわかりやすさなどですね。このほかにも、美術に関する文章を書く力を付けることも必要など。

退館する学生の後ろ姿を見ながら、私の時代と比べて、学芸員と学生との距離も随分近くなったなあ、と感じ入ってしまいました。私も学芸員から色々な話を聞いてみたかったものです。将来の学芸員さん、頑張れ!と心の中で送り出した日常の一コマでした。