お姉さん社労士のこれが私の生きる道

中小企業の労務管理に奮闘する社労士が、知っておくと得する労務の最新情報や法改正などを、独自の視点を交えて解説しています。

今年もあと6週間

2014-11-21 19:11:50 | ほっとブレイクたいむ
選挙より、正直、男優さんの結婚ラッシュのほうが、気になるニュースランキングの上位に
きたりするのもしょうがないかと思うのですが、生活に直接影響するのは、やっぱり
選挙なんですよね。

衆議院が今日解散しました。
投票は12月14日、当初、なんの日だったっけ、と思いましたが、そうでした。
赤穂浪士の討ち入りでした。
そんな年の瀬を肌で感じ始める時期に選挙なんだと、ようやく実感が湧いてきました。
議員の方は、すでに年の瀬モードで、走りまわっておられることでしょう。
準備、間に合うのでしょうか。


選挙によって廃案になった法案があります。

社会保険労務士としては、やはり労働者派遣法改正案(企業の派遣受け入れ期間の上限を事実上撤廃)が
気になるところです。

内容の良し悪しはともかく、いったい、いつ成立するのだろうと、振り回されます。

働く女性の1人としては、
第二次安倍内閣の目玉だった女性活躍推進法案(企業に女性の採用を促すため、
行動計画の策定・公表を義務付け)が廃案になったことも気になりました。

なんとしても通したい法案ではなかった、と、いうことなのでしょうか。

これらの法案は、次の国会に引き継がれることはないので、もう一度出しなおしすることになります。


そろそろ年金の記事が気になる年頃になってきました。
仕事として記事を見るのとは、やっぱり少し、違います。
心がざわつきます。

11月20日の日経新聞に小さく載っていたのですが、
年金、給付を毎年抑制できるよう改革 厚労省方針
http://www.nikkei.com/money/features/70.aspx?g=DGXLASFS19H3N_19112014EE8000

厚生労働省は11月19日、社会保障審議会年金部会を開き、8月からの議論を踏まえて
年金制度改革に向けた論点整理をまとめました。
年金制度を維持するために、受給額を年に約1%抑えるマクロ経済スライドの仕組みを
強化し、物価下落時も受給額を抑制できるようにする方向を示しました。

選挙の結果いかんですが、厚生労働省としては、来年の通常国会に提出したい模様です。
制度の存続と受給者の満足の両方をバランスよく保つのは、当然無理だとわかっていても、
将来に不安ばかり募る改革です。

消費税増税が先送りされた関係で、
年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する「受給資格期間の短縮」も、施行が延期
されることになりました。
10年に短縮することで、年金をもらえない人を減らすというものなのですが、私も
その1人なので、個人的感想でしかないですが、延期はちょっと残念、です。

だんだん、年金受給年齢が近づいてくると、若いときは、どうせ年金なんか、と、
思うところもありましたが、保険料を納めてきたのですから、額に関わらうず、
もらいたいなぁ、と思います。
どこか、自分へのご褒美のようにも思っているのかもしれません。

消費税増税の先送りの判断については、今の経済状況で増税はアリなのか、どうなのか、
という1面だけで語られることが多かったように思いますが、
そもそも社会保障・税一体改革なのですから、増税が見送られれば
それを見込んだ、こういう対策も先送りされるのは当然のことなのだと、いまさらですが
思い出させられました。

なかなか景気のいい話は聞こえてきませんねぇ。

『年末ジャンボ宝くじ』が今日、21日から全国で一斉に発売され、
おなじみの東京・西銀座チャンスセンターには長蛇の列ができたようです。
今年は1等賞金が5億円。
前後賞が各1億円で、合わせて7億円となります。

今日は日中、東京は過ごしやすかったようですが、寒くても、もしかしたら当たるかもと、
並びたくなりますよね。
買わないと当たらないとは、よく聞く話です。

7億円の7つながりで言うと、衆議院選挙に使われる税金は前回が700億円だったとか。
今回も同じくらい投じられるのでしょうか。

宝くじと比較するのもなんですが、
選挙も投票しないと、始まりませんからね。

なんか始まるンか?なんてことは、言いっこなしで。


鈴木社会保険労務士事務所

前回申し上げていた、採用のセミナーは、来年の開催になります。
12月にセミナーというのは、ちょっと準備が間に合いませんでした。
また、来年の開催を期待していてください。 





採用は準備で決まる

2014-11-12 10:21:25 | 人事労務は経営問題です
11月初め、厚生労働省は、平成23年3月に卒業した新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況について
取りまとめたものを公表しました。

大学   32.4% 前年比1.4ポイント増
短大等  41.2% 同1.3ポイント増
高校   39.6% 同0.4ポイント増
中学   64.8% 同2.7ポイント増

新聞ではこの結果から、大学卒3年以内の離職率3割、と書いていましたが、

事業所規模
5~29人の場合、大学卒離職率は 51.4% 前年比1.1ポイント増
5~29人の場合 高校卒離職率は 58.2% 前年比0.9ポイント増

いわゆる中小企業は2人に1人以上が離職していることになります。
ずいぶん前から3年で3割(退職)というのは、よく言われていたことですが、
中小企業の場合は、5割ですから、深刻です。
やっと採用した新卒を定着させることは、中小企業にとって大きな課題です。
(中途採用の場合も同じです)

新規学卒者の離職状況(平成23年3月卒業者の状況)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000062635.html

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採用はギャンブルである、という声を聞いたことがあります。
採ってみなければわからない、という方もおられました。
いずれも、採用後に苦労されたことがあるのでしょう。

でも、ギャンブルというには、あまりに大きなリスクです。
採用する会社も、採用される従業員も。

新卒採用だけではありません。
中途採用の場合も同じです。

ご承知のように、会社は、人を雇ったら、従業員が契約の解除(離職)を申し出ない限り、
原則、定年まで雇い続けることになります。

自社に合わないから、見込み違いだった、ということで、解雇することはできません。
あくまで解雇は最後の最後の手段です。
従業員にしても、大多数は、最初から辞めようと思って入ってくるわけではありません。

たとえば、人手不足が深刻な、介護施設。
介護事業では人員基準を守らなければならないという制約があるので、
基準を下回ることはできませんし、余裕を持って上回る人員配置というのは
経費がかさむので、現実的ではありません。

よって、職員が退職となれば、とにかく人を補充しなければならないのですが、
それでも、採用=人集めではない、というお言葉を聞くことが増えてきました。
入ったと思ったらすぐ辞めて、また求人募集する、という、いたちごっこでは、
組織が疲弊してしまいます。

応募者は多いほうが選択肢が増えるとは限りません。
どんな人が欲しいのかが明確になっていないと、応募者の中から一番良い人を
採用しよう、という考え方では、自社には合わない、間違った人を採用
してしまう可能性があります。

採用は、面接で決まるのではなく、そこに至る準備で決まります。

ついつい、人手不足になってから募集する中小企業の場合は、最後は、
誰でもいいから、となってしまうこともあります。

だからこそ、緊急募集をかけなければならなくなる前に、
自社が本当にほしい人材像を明確にしておきたいものです。

経営者の方も、採用とは、人を集める ことだけではなく、人を見極める、
ことが大事だということは、感じておられます。

人の寄せ集めではなく、組織を作るのであれば、応募者の数を増やすことだけが
採用を担当する部署の仕事でなく、人を見極めることができる準備をすることが、
採用の業務です。

たった1人の採用で会社が良くも悪くもなることは、経験されている会社も多いことでしょう。
小規模の会社であれば、その影響は、より大きなものとなります。
採用は、会社の命運を担うのです。


たとえば、こんな失敗は避けたいものです。

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会社から、経験者として採用したのに、予想以上に仕事ができない。
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これはよくある事例で、同じ業界出身だから、だいじょうぶだろうと思って採用しました、ところが。。。というもの。

同じ業界でも、実は全然、仕事の内容や使っていた機械が違っていたりなど、
まさに、「所変われば品変わる」状態だったりするものです。

面接で、仕事内容の確認を、わかったつもりで表面だけサラッと流してしまうと、
後が大変です。
入社後、できると思って業務をさせたところ、全然できず、採用された人は、
そんなことができるかどうか、面接で聞かれていません、ということにならないように、
具体的に経験値をたずねることが重要です。

採用後の対応として気をつけたいのが、

会社の期待値が高すぎるとよくあるのですが、
1ヶ月や2ヶ月程度で、今度入った人は使えない、と見極めてしまうことがよくあります。
使えないから、使えるように教育するのであればよいのですが、
その人を放置してしまいます。

たとえ経験者として採用した場合であっても、
入社後6ヶ月程度は、フォロー・声掛け・個別ミーティングなどを行うことが必要です。
 
いかがでしょう、貴社では、入社後の見極め、速すぎていませんか。

6ヶ月も待たなければならないのか?と、思われますか。

いえいえ、私たち専門家にご相談される場合、なんとかしたい、これはまずい、
と思ったのはいつごろですか?とたずねると、6ヶ月ほど前からです。と、
おっしゃいます。

そう思った時点で、やるべきことはあったわけです。

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人を入れてほしいと部署から要望があって採用した人材なのに、
「使えない、こんなことなら今の人員だけのほうがましだった」と、人事に文句が来て
困っている。   
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採用を担当する部署、たとえば、総務や人事だけ、が、担当するものではありません。

自社にとって良い人材を採用しようとするならば、
配属する部署も巻き込むことが重要です。

仕事のほかに、採用のことまで頼めない、というニュアンスのことを、
総務や人事の方がおっしゃいます。

でも、どこに配属するのでしょう?

誰が、助かるのでしょうか?

そもそも、採用は、会社の大事な業務ですから、配属部署にとっても、
おろそかにできない仕事であるはずなのです。

可能な限り、書類選考や採用面接には、配属予定の部門も参加してもらいましょう。

面接での質問項目作成に、配属部門の人も参加して、一緒に作成してもらうことも
よいでしょう。

そうです。面接には、質問項目を事前に作成しておくという、準備が大事です。

最終選考時には、配属予定部門のメンバー全員と面接させる、ことも有効な手段です。

内定後には、配属部署の管理職と一緒にお昼を食べてもらうことも行って、
出来る限り、お互いの思い違いをなくし、お互いの期待値を、一致させて
入社してもらうようにしています。

さて、面接も最終段階になると社長面接があります。

社長も採用の当事者です。

ついつい、総務や人事の採用に協力するような態度で面接に臨まれる
(少なくともそのように見える姿勢)の社長さんがおられます。

 
私は、たとえば、明日、社長面接があるんだよ、とおっしゃる社長には、こう声をかけます。

「社長、面接だと思わないでください。
 会社の業績を左右する、大口の取引を取りにいくつもりで、応募者に
 臨んでくださいね」と。

 社長も、受け身ではなく、積極的な姿勢で面接の場に臨んでいただかないと
 採用の成功はありません。


鈴木社会保険労務士事務所では、中小企業のよい人材の見極め方、という
テーマの「採用面接セミナー」を開催予定です。