お姉さん社労士のこれが私の生きる道

中小企業の労務管理に奮闘する社労士が、知っておくと得する労務の最新情報や法改正などを、独自の視点を交えて解説しています。

高年齢雇用継続義務年齢64歳へ

2010-02-08 11:05:52 | 明日の人事労務
今年の春闘も、連合傘下の主な産業別労働組合の要求がほぼ出そろったようです。
中小企業にも直接には関係ありませんが、景気の動向、業界の動向を見るに無視はできない内容です。
 組合側は雇用維持と定期昇給の実施などを掲げ、多くの産業別労働組合が賃金を底上げするベースアップ(ベア)などの統一要求を断念しました。
やはり今年は、新聞紙上で言われているように守りの春闘というイメージでしょうか。
 今後要求書をそれぞれ企業別に提出され、3月17日の集中回答日に向け労使交渉が本格化します。 
 新日本製鉄では5日、新日鉄労連(宮崎和彦会長)が要求書を進藤孝生副社長に手渡しました。ベア要求はせず、定昇実施と年金の支給開始年齢引き上げを踏まえ、60歳以降の安定雇用を要求の柱に置き、労使による制度検討の場の設置などを求めました。

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さて、この高年齢者雇用確保措置の義務対象年齢(長いですが)が
4月から64歳に引き上げられます。(平成25年4月1日からは65歳)

 おさらいですが、これは64歳まで必ず雇用しなければならないということではなく、
65歳未満の定年を定めている企業においては、労働者の65歳までの安定した雇用を確保
する義務が課せられていて、次のようないずれかの措置を行う義務があります。

 1.定年の65歳への引上げ
 2.継続雇用制度の導入
 3.定年の廃止

この高年齢雇用確保措置の義務年齢は一気に65歳までの確保ではなく、
段階的に引き上げられています。
現在は63歳が義務ですが、平成22年4月からは64歳に引き上げられる
というものです。
ちなみに平成21年4月1日以降に60歳に到達した労働者は実質65歳までの
雇用確保が求められるということです。

大企業をはじめ、多くの企業がすでに就業規則、労使協定で
上記のいずれかの措置を導入しているのではないでしょうか。
もっとも多いのは2の継続雇用制度の導入でしょう。
この継続雇用制度の導入は原則は希望者全員を対象とすることが求められますが、
労使協定において、対象となる労働者の基準を決めて、制限することが認められています。

はたしてみなさんの会社ではどういう決まりになっているでしょうか。
就業規則に定めていますか?
それは希望者全員でしょうか?
対象者を限定していますか?
限定している場合、それは現実に使える基準になっていますか?

今年は法改正が多く就業規則を見直す会社も多いでしょう。

少なくとも、就業規則なんとかしなくちゃ、と漠然とした関心はありますよね。

ここで述べた継続雇用制度は就業規則に定めることは労使協定(届出不要)も必要です。
ただし、中小企業に限り平成23年3月31日までは
労使協定の締結に努力したにも関わらず締結に至らない場合は
就業規則のみの定めで協定を猶予されます。

実態はまだまだ、就業規則の定年を60歳とだけ定めた会社も多いのではないでしょうか。

どうぞ、労働基準法の改正だけでなく、すでに改正が必要な事項についても変更していない
可能性があります。

この機会に全文を一度見直してみましょう。

人事労務のご担当者、経営者からも見て
あれも、これも、と不安な箇所が出てくるはずです。

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