幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

来なよ一緒に

2014-10-29 20:32:38 | Weblog

打ってみろよ

俺のこと

お前の持ってるガンでさ

ほら

早く

来た!来た!来た!って

騒いでただろ⁉︎

オレが来たの

知ってて白を切ってんのか?!

俺はロールスロイスになんて乗ってこないぜ

航空母艦が港に停泊してるのを見ただろ

あいつに乗って来たんだぜ

ゆっくりゆっくりアトランティックシーを渡ってさ

膝まで長い髪、なびかせてさ

目玉が飛び出てると思ったかい?

聖なるロックンロールを持ってるからな

そんなハジキ、たとえマグナムだとしても

歯が立たないぜ

この俺にはな

だから、さっさとしまいなよ

そしたら、仲間にしてやったっていいぜ

それとも俺にジョーカーになれって言うのかい?

それが楽しいんなら、なんだってなってやるぜ!

だから来なよ!

俺を越えられるならな



俺は靴なんか履かないぜ

ピッカピカのアメリカン・ブーツを履いてたけど

大陸横断したら潰れちまったよ

大統領のジョージがくれた爆弾フットボールならまだ持ってるぜ

そうさ、最強のニュークリア・ウェポンさ

でもこいつを爆発させたら俺もオマエも地球だって吹っ飛ぶぜ

フットボーラーの猿真似して

投げてみるかい

その猿みたいな手で

それともコカ・コーラの缶でも蹴ってた方がましだぜ

ラグビーよりサッカーの方が好きなんだろ?

知ってんだよ、オマエのことは

会う前からな

オマエも俺のこと知ってるんだろ

だったら一緒に来なよ

怖がらないで、今すぐオレの方によ

そしたら自由にしてやるからさ


バクたらけのプログラムみたいにさ

ボロボロのプロダクションを持ってんだぜ

そこにあんまりイカサないサイドボードがあってさ

水パイプがしまってあるんだ

そいつよりたちがわるいのがあの椅子さ

一度でいいから座ってみなよ

あいつらみんなビョーキでキチガイだって、すぐわかるからさ

だから来なよ、俺んちに

俺と一緒にさ


1足す1足す1は3だろ

そんなの誰でも知ってるけど

泥水浴びたフィルターでドープでもふかして

金ぴかのローラーコースターに乗ってみなよ

俺のこと見えないだろ?!

まぶし過ぎてな

だから初めから警告しておいただろ

来いよ今すぐ、俺と一緒にってさ

来なよ一緒に、イエイ

来なよ一緒に、イエイ

来なよ一緒に、イエイ







































気づいてみたら

2014-10-22 22:18:52 | Weblog

死者の国に船に乗って行く

大勢の死人たちがたむろしている

その中の一人が大声で叫んでいる

どうやら、僕のことを罵倒しているようだ

貴様何様のつもりだ!

ここが何処か知ってるのか!

殺すぞ!

船は滑るように進んで行き

いつの間にか

罵声も聞こえなくなった

そうしたら、こんどは深い霧の中だ

激しく雨も降ってきた

僕は、ビショビショだ

寒くてブルブル震えていると

船は、熱帯に入った

暑くて、汗が滴り落ちる

汗が滴り落ちる

僕はバカだ

僕はバカだ

壊れている

ホルモンのバランスが崩れている

気づいてみたら

僕は死んでいただけだったのだ









第一幕

2014-10-01 00:05:05 | Weblog

泥色の月光に映る腐蝕した真鍮の雲

一筋の水銀のよう

流れ、溺れ

腐る肉体と水晶の霊が

ペストの後のブルッネレスキの遠近法ほどにも

新しくも古くもなく

ただ、円を描いて正三角形に外接せる点のごとくにも

ことごとく、無駄なく

あの世とこの世の境

長さも、面積もなく

プラチナムの鏡の表面に

自らの目を、瞳を、映して見よ!

原始のドラム

除霊の儀式のごとく鳴り響き

正24面体のダイヤモンド

嵐の雨粒のごとく降り止まず

ことごとく集めて袋に詰め込め

空には、見えない星々が輝き

灰色の緞帳が巻かれるまで

第一幕も始まらないから