幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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 時間がないから

2007-08-15 02:01:09 | Weblog

 
  時間がないから
 
  手短に言おう
 
  つまり
 
  きみは言葉を信じていると言ったけど
 
  ぼくは信じていない
 
  言葉でハイになったりしない
 
  欲情もしなければ
 
  感動もしない
 
  そう、
 
  ありきたりな言葉だろ
 
  感動
 
  その
 
  感動ってもんは
 
  ぼくには感覚だった
 
  そして
 
  これからも感覚だ
 
  だから
 
  ぼくはこんなに
 
  無意味なことをしてられるんだ
 
 
 
  きみは言ったね
 
  芸術は言葉だと
 
  そう
 
  言葉こそ芸術だ
 
  視覚でも聴覚でもない
 
  言葉だ
 
  だから
 
  なんてありきたりな言葉
 
  この
 
  言葉っていう言葉
 
 
  だから言うんだけど
 
  そんな言葉になんの意味もないと
 
  そして、
 
  たとえば
 
  愛していると言ったら
 
  それは嘘だということを
 
  覚えておいて
 
  そんな意味のない言葉
 
  ぼくが使うときは
 
  嘘に決まっていることを
 
  きみにだけは
 
  教えておいてあげる
 
 
  時間がないから