ニューヨークとアンティーク

アメリカンアンティークを勉強するブログ
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それはダイナーへの恩返し

2006-01-11 10:11:16 | アメリカン・ダイナー
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時は1939年。NY市クイーンズ地区にあるフラッシング・メドウズで開催された
NY WORLD'S FAIR 1939”。
その会場に『未来のダイナー』が現れました。
それが今日ご紹介する『ホワイト・マナ・ダイナー』です。

1939年、オープンした時の名前は『White Manna』。
しかしながら現在の名前は“n”が一つ抜けた『Mana』。
今となっては理由は不確かなようですが、1980年代に抜け落ちたとか。(笑)



建物本体はダイナーの老舗メーカー「パラマウント社」製。
以前ご紹介したHackensackにある姉妹店『White Manna』と同メーカー。
但しあちらがピカピカ系のダイナーであるのに比べ、
こちらは屋根の形が特徴的な円形の建物となっています。
でも店内は勿論、典型的なデコ風で、円形カウンターがメイン。

但しワールド・フェア終了後、1946年
NJのJersey Cityへ移築時に追加されたテーブルエリア
レンガブロックのままの外観。(現在は白色に塗装)




場所は通称「トンネルアベニュー」と呼ばれるルート1沿い
いわゆる労働者の街の代表格のエリア。
この場所に開店当時のハンバーガーの1個の値段は、なんと10セント
ミニバーガーサイズとはいえ、2006年の現在の価格は90セントですから、
昔も今も安くて美味しいファーストフードの地位は健在のようです。

メニューはハンバーガー各種以外にもブレックファストメニューもあり、
目の前で焼いてくれたフレンチトーストは、なんだかとってもホッとする味。

紙コップでサーヴされるコーヒーも、ビニール袋に入れられたカトラリーも、
その気取らなさがファーストフードとダイナーの中間であるように思えます。



このダイナー、今や地元Jerser Cityのランドマークで、
1997年に歴史的建造物の保存対象に認定。
でも、それにいたる経緯はまさにドラマチックそのもの。

ポルトガルからの移民で4代目オーナー、M・コスタ氏が1996年、
このダイナーの権利と建物そのものを売却。
しかし新オーナーがファーストフードのフランチャイズの為に、
この歴史ある建物を取り壊すことを後に知り、
彼はこのダイナーを買い戻すこととなります。



ダイナーの語る上で決してはずすことの出来ないこの老舗店。
実はコスタ氏、学生時代にこのダイナーでのアルバイトをしていたそうで、
ここでのアルバイト代のおかげで高校と大学を卒業したというのです。

彼にとってこの建物を守ることは、
ダイナーへの恩返し」以外のなにものでもなかったのでしょう。

どうか多くのダイナーファンに愛されるこの名店が、
ずっとずっとこの地に姿を残していってくれますように・・・。
(参考文献:Jersey City Past & present

[data file.012] White Mana Diner
         480 Tonnele Avenue, Route 1, Jersey City, NJ,
         TEL:201-963-1441
         open:24hour,7days

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