よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

ムンク展ー共鳴する魂の叫び

2018年11月21日 | 美術
ムンク展—共鳴する魂の叫びを観に行きました。

ムンクとの出会いは、12歳の頃。
家にあった画集の、その陰鬱でインパクトのある絵に怯え惹かれました。

特に怖いと思ったのが「嫉妬」という作品です。

林檎の下で語らう男女に背を向け(顔を正面にし)
定まらない濁った虚ろな瞳を何処かへ向けている男の絵。

嫉妬の対象にまなざしを向けない分、
どろどろの感情が流れてくるような恐ろしさを感じたものです。

私が見た絵とは違いますが、同じ構図で「嫉妬」の絵もありました。

思春期の戦慄は甦らず、なんとなく懐かしい友人に会えたような
不思議な感覚をおぼえました。




ムンクと言えば「叫び」。

これを間近に見るため、行列に並びました。
会場内が大変混んでいるため、止まらず、歩きながら見るように
アナウンスが流れているのですが、つい立ち止まる観覧者も多いのです。

係員の男性が
「止まらずに進むよう、お願いしているはずです!!!」
とむっとして注意していたので、思わず苦笑しました。

正直、ムンクがこんなに人気者だとは思っていなかったのですが
場内は人、人、人…で大混雑です。
(シルバーデーは、入場まで60分待ちらしい。すごい。)



「灰」

この絵も懐かしさがこみ上げます。
平成14年の北欧旅行で初めて邂逅しました。

そのときのガイドさんが
「愛の交歓を終えた男女の姿を描いたものだが、
 二人の間に、精神的な交流は何もない」
という説明をしてくれたのを思い出します。

確かに、ふたりは幸せそうではない。
(ムンクの絵は、全体的にあまり幸福感はないと思います)

今回の展示説明では、そういう解釈はなかったので、
また違った見方ができて面白いですね。



「マラーの死」

ムンクは痴情のもつれより交際相手の女性に撃たれ、中指の一部を欠損するという
事件に見舞われます。

この「マラーの死」も、そんな自分を投影していたのでしょうか…。





いつも思うのですが、絵画をを文字で解説するのはとても難しいのです。
(どんな解説を紐解くよりも、実際に観たほうが絶対に響くから)

そういう理由で、美術館巡りをする割にブログネタにすることは
少ないかもしれません。


<鑑賞済>
・フェルメール展
・ルーベンス展
・フィリップス・コレクション展

観たい展覧会は見終えたので、当分、美術鑑賞は打ち止めです。
少し寂寥を感じています…。


なるべく芸術に親しみたい


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