はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

村上春樹 1Q84

2013年11月28日 | 読書


この4日間は、ひたすら”1Q84”を読み続けました。

素敵な恋愛小説です。
とても情熱的でピュアな恋愛小説です。
ファンタジーの要素も強く、ハードボイルドなトーンも有るのですが、こいつは、まぎれもなく恋愛小説です。
しかし、ピュアな恋愛を夢物語と考える人にとってはファンタジー小説のカテゴリーに入るのかも知れません。
しかし、私は、この作品を恋愛小説だとみなします。

もともと、村上春樹は、”羊”シリーズなどの、ファンタジーだかなんだか訳の分からないストーリー展開が得意でした。
しかし、この作品に限って言えば、ちゃんと訳の分かる、エンタメ小説です。
個人的には、最高に楽しい作品でした。

村上春樹は隠喩の巧みさで有名ですが、この作品でも至る所にそれが認められました。
ネタバレにはならないので一部アップしてみます。

演奏が終わった後の拍手を長く聞いていると、終わりのない火星の砂嵐に耳を澄ませているみたいな気持ちになる。

二年の歳月が彼の身体から多くの物を持ち去っていた。まるで収税吏が、貧しい家から情け容赦もなく家財道具を奪っていくみたいに。

また、ドストエフスキーを思い起こすような描写もあります。

意地の悪そうな老人が、頭の悪そうな雑種犬を散歩させていた。
頭の悪そうな女が、醜い軽自動車を運転していた。
醜い電柱が、空中に意地悪く電線を張り巡らせていた。
世界とは、「悲惨であること」と「喜びが欠如していること」との間のどこかに位置を定め、それぞれの形状を帯びていく小世界の、
限りのない集積によって成り立っているのだという事実を、窓の外のその風景は示唆していた。

読み終えての満足度は100点です。
これほどの長編小説は、ジャン・クリストフや、魅せられたる魂以来ですが、没頭することが出来ました。
しかし、没頭した分、仕事も、ブログも、ゴルフの練習も、何もかもが、はかどりませんでした。

スケベ心

2013年11月21日 | ボウリング
昨夜はラウンドワン田崎店に行きました。
9番、10番レーン、使用球:トラック社の508Aとハンマー社のブラック・ウィドウ・バイオレント
結果:236,202,241,205,173,194,TOTAL:1251,AVE:208.5 ストライク率:55%でした。

最初に508Aを投げたのですが、レーンのコンディションが良好であることをすぐに察知できました。
とくに10番レーンは10枚目をチョット膨らませるだけで、最初から6連続ストライクでした。
後は、9番レーンをどのようにアジャスティングするかの問題だけだと思われました。
で、2ゲーム目の後半で、8枚目を使ってきちんとアジャストできたのですが、その頃には10番レーンのオイルが伸びてきました。

10番レーンにブラック・ウィドウを使い、9番レーンは508Aを投げるという作戦に出ましたが、
今度は9番レーンのオイルが剥げて、厚めに入りすぎるようになりました。
1ゲームくらいしか持たない急激なレンコンの変化です。
しかも左のレーンはオイルが剥げて曲がりすぎるし、右はオイルが伸びて入らなくなるという複雑さです。

後半の3ゲームは、まるでアジャストできず、4つ割れの3つミスという悲惨な結果に終わりました。
1ゲーム目でレンコンの良さに感動して、ピンを倒しにいったのが失敗だったのかも知れません。
最初の3ゲームは、スケベ心を捨てて、トップで溜めて球を走らせる練習に取り組むというルーティンを確立する必要があるようです。

佳山の牡蠣飯

2013年11月19日 | 木曜会


昨夜は、薔薇亭ビルの地下にある和食の店、”佳山”で木曜会が開かれました。
美味しい料理に満足しながら、赤ワインと焼酎をガンガン飲んだのですが、コースの最後にとんでもない料理が出てきました。
それは、私が人生で初めて口にする、”牡蠣飯”です。
出てきた時には、行儀が悪いけど、牡蠣だけ取りだして食べようと決意しました。
で、実行しようとしたのですが、完璧にはご飯を排除できません。
どうしても、牡蠣に、少しは、ご飯が付いてくるのです。
まあ、そのくらいは許容範囲内だろうと食べたのですが、その米のうまさに打ちのめされてしまいました。
おそらくモチ米だと思うのですが、一粒一粒が立っていて、牡蠣と潮の香りがほんのりとして甘く、こういうのを、
”ほっぺが落ちる。”と表現するんだろうなと思いました。
4切れほど入っていた牡蠣を食べてしまったのですが、箸が止まりません。
なんと、ご飯にまで手を付けてしまったのです。
仲間からは、”長谷川さんがご飯を食べてる!”と、驚きと冷やかしが混じったようなヤジが飛んできましたが、
黙って受け流し、結局は、3分の1程も食べてしまいました。
そして、その後は、残ったご飯を、じっと見つめながら、全力で我慢するという、なんだか禅の修行にも似た苦行を強いられました。

これまでは、もしも、糖質制限を止めたと仮定すれば、何を食べたいかと問われた時の私の答えは、”鰻丼”でした。
しかし、これからは、”佳山の牡蠣飯”で決まりです。

脳神経細胞の新生

2013年11月18日 | 医学


著者の生田哲氏は1955年北海道生まれで、東京薬科大を卒業しています。
その後アメリカのイリノイ工科大学助教授として遺伝子の構造やドラッグデザインをテーマに研究生活を送り、
帰国後は多くの著書を執筆されています。心の病は食事で治す、ヒト遺伝子のしくみ、がんとDNA、脳の健康など.....

この本には、最近の脳神経学において、驚くべきパラダイムシフトが起きたことが記されています。
それは、”脳神経は新生する。”というものです。
1990年代ですので、つい最近のできごとです。

1913年、スペインの生んだ偉大な脳科学者であるラモン・カハールは「大人の脳は固定されたものであり、不変である」と述べました。
その7年前にノーベル賞を受賞した脳神経学会のドンの、この発言は、それから100年近くも常識とされてきました。
そもそも、細胞は皮膚にしろ肝臓にしろ、分裂して増えていくのが一般的です。
脳神経は分裂しないので増えることはないと信じられたようです。
しかし、実は脳には神経幹細胞という神経細胞やグリア細胞に成長することのできる細胞が存在したのです。
1980年代から90年代にかけて、まずカナリアで、次にマウスで、さらにサルで脳神経の新生が証明されました。
そして1996年から98年にかけて、臭化デキストリジウムを投与されていた末期癌患者5人の、脳の解剖所見から、
人間でも、脳神経の新生が確認されたのです。
臭化デキストリジウムは抗癌剤の効果を確認するために投与されていたのですが、新生した細胞に集積する性質があります。
そして、5人全員において、脳の海馬という部位に臭化デキストリジウムの集積が認められたのです。

私達は古い知識しか持ちませんでしたので、脳卒中で麻痺が残った患者さんには、
”死んでしまった神経細胞は生き返ることはないけれども、リハビリを頑張れば、その近くの、まだ使われていない神経細胞が
代わりの役目を果たすようになります。”と説明していました。
完全に間違いと思い込みの世界でした。

ところで、この、脳神経は新生するという見地に立って振り返ると、
8月5日にアップした、”自分の骨髄液で再生治療”の手技が、なるほどと思えてきます。
札幌医科大の先生は、”幹細胞の注射が、栄養因子として働いて、神経細胞を助けたり、血管を新生したり、神経細胞を
再生したりする”と、控えめに説明しておられますが、”幹細胞という原料を与えて脳神経の新生を促す”と表現しても
OKのように思われます。

数年後にはこの手技が脳卒中後遺症治療のスタンダードになりそうな予感がします。


第22回熊本修猷会総会

2013年11月17日 | 同窓会


昨夜は上記が、”銀杏釜飯”で開催されました。
昨年と同じく、奥山修猷館々長と川村同窓会常任幹事長にも御出席いただき、和気藹々と進行しました。
例年通り、担当学年が数名博多から参加して来られました。



来年、5月30日に博多で開催される修猷館同窓会総会のチケットとグッズを捌くためです。



私が毎年感心するのは、担当学年の責任者の人選が素晴らしいということです。
毎年確実に、人当たりが良くて、ユーモアもあり、やり手でもある人物が選ばれて来るのです。
このことに、修猷の良さを確認することができると思いますし、誇らしくも思えます。

来年5月30日は金曜日で平日なのですが、クリニックをさぼって出席することになりそうです。

ブログを書くということ

2013年11月16日 | 日記
ブログを始めて3年目に突入しました。
嬉しいことにアクセス数が増えています。

しかし、振り返れば、”よくぞ続いたものだなー”と自分自身に感心してしまいます。
十代の頃に文通経験があるものの、成人して文章を書くという経験は皆無でした。
ブログを始めた当初は、近況報告のようなノリでアップを重ねました。
転機となったのは、2011年の11月22日にアップした、”赤い靴はいてた女の子”です。
自分もしっかりした文章が書けるんだと、初めて自信らしき物が生まれてきたのです。
また、うまく書けたときの達成感も体験することができました、

日記と違って、ブログは他人に読まれることが前提にありますので、サービス精神が要求されます。
面白くないと、誰もアクセスしては来ないからです。
そこで、毎日ブログのネタを探す生活が日常的となります。
すると、読書、映画鑑賞、ゴルフ、ボウリング、飲み方、勉強会などを積極的にこなすようになるのです。
ブログが私のQOL(人生の質)を向上させているような気がします。



今週は月曜から金曜まで家飲みでした。
すると、ゴミ箱は写真の如くなってしまいます。
毎日缶ビールを飲むようなノリで、ジョニ黒を空けてしまいますので。

島倉千代子

2013年11月15日 | 時事ネタ
11月8日に亡くなられました。
素晴らしい最期でした。
2週後に自分が生きている可能性は無いと、死期をさとり、レコーディングを早めて、自宅で最後の力を振り絞って歌いきりました。
そして、お礼の挨拶まで録音して、その3日後に旅立ったのです。
これ以上は望めぬほどの立派な最期だと思います。

私は勤務医時代に、終末期の患者さんの主治医として、多くの人達を見送ってきました。
昔は、現在とは違って、癌を本人に告知することは、まず有りませんでした。
しかし本人は、自分が癌だろうと、うすうす気づいています。
そこで、看護婦をつかまえては、”私は癌だろう?”と、しつこく尋ね回ります。
しかし、主治医である私が尋ねられることは、ほとんど有りませんでした。
主治医の口から決定的な答えが返って来るのを怖れてのことでしょう。

しかし患者さんは、ある瞬間に、自分の死期が近づいているという事実を受け入れます。
受け入れたその瞬間から、顔つきや雰囲気が変わります。
なんとなく達観した詩人のようになるのです。
詩人のようにという意味は、多分彼らに見えている景色が、私達が見るそれとは別物だからです。
病室から見える白川の流れを、私が点滴の準備をしながら、”今日も川がきれいですね。”と表現すると、
”ええ、昨日までは透明で緑がかっていたのが、今日は青白くなっています。”と応えられました。
60歳くらいで、文学的な素養など全く無い、農家の方でした。

告知は、こっそりと家族に告げていましたが、どうしようもない失敗もありました。
50歳くらいの仲の良いご夫婦がおられましたが、ご主人の胃カメラで早期胃癌が見つかりました。
奥さんをクリニックに呼んで告知しました。
そして、当時としてはポピュラーであった作戦を授けました。
すなわち、ご主人には胃潰瘍で手術の必要があると言うから、奥さんも、クリニックに来たことは内緒にしておく、というものです。
ところが、奥さんが帰られてから30分も経たないうちに、ご主人が飛んでこられました。
話によれば、帰宅した奥さんはわんわん泣き出したそうなのです。
どうしたのか、どこに行ってきたのか尋ねても、何も答えずに、わんわん泣き続けるだけだそうなのです。
そこで、ご主人はピンときて、胃カメラの結果が悪かったのではないかと、私を訪ねて来たのです。
こうなっては、隠すのは無理だと判断せざるをえません。
私が、本人に癌を告知した第一号となりました。
幸いにも早期であったために、オペは成功し、10年が経過しても再発はありませんでした。

世迷い言

2013年11月14日 | 糖質制限食


今朝の読売新聞に2面見開きで上記の記事が載りました。
本日が「世界糖尿病デー」だからだそうです。
日本糖尿病学会理事長の門脇孝氏と、日本糖尿病協会理事長の清野裕氏の写真が掲げられています。

目玉記事は、”糖尿病にならない7か条”でしょうか。
1.バランスのとれた食生活(総エネルギーと脂肪の摂取量に注意)
2.夜食をしない、間食をしない
3.アルコールはほどほどに
4.適正な体重の維持
5.毎日の食後の歩行
6.ストレスの解消
7.禁煙または節煙

相変わらずのバランス食推奨です。
ごく最近の日本人(江戸時代の後半以降)は、ご飯と一汁三菜という食事を摂ってきました。
その食事がバランスがとれているわけでも何でもなくて、もともとの日本人の風習にすぎなかったのです。
単なる風習に、科学的裏付けもなく、みんなが受け入れやすいという理由で、バランスがいいというスタンプを押してしまったのです。
これは、豚肉を食べてはいけないとか、ある期間は日没まで何一つ食べてはいけないなどという宗教的風習?と同等です。
さらに日本人は米を食べないと力がでないとか、朝から糖質を摂らないと脳が働かないなどの非科学的な迷信が追加されています。

夜食、間食をしないように指示していますが、糖質を摂取したリアクションである低血糖による空腹感が原因です。
ストレスの解消が指示されていますが、バランスのいい食事を摂取する人達は、毎日、必ず、数回の、
空腹を我慢するというストレスにさらされることが必定です。

適正な体重の維持をどうやって実現せよというのでしょうか。
バランスのいい食事と運動によって実現されるのであれば、言わずもがなではないでしょうか。

毎日の食後の歩行にいたっては、世迷い言という日本語さえ思い出してしまいます。
世迷い言とは実用日本語表現辞典によれば、”訳のわからないこと、馬鹿馬鹿しい言葉”とあります。
毎食後に散歩できる環境にある人は限りなく少ないという現実を、わざと無視しています。
そして、この7ヵ条全体が世迷い言であるようにも思えます。

さらに、禁煙または節煙を奨めるにいたっては、科学者、あるいは普通に日本語を使える人とはとても思えません。
喫煙は脳卒中や心筋梗塞(まとめて心血管イベントと呼びます)のリスクを高めます。
もともと心血管イベントのリスクが高い糖尿病の人達が喫煙することは、リスクが倍増するという理由で禁止されるのです。
喫煙が糖尿病を引き起こすわけではありません。
そして、この7ヵ条は、”糖尿病にならない7か条”です。
禁煙で糖尿病になるリスクが減らないのならば、7ヵ条に入れるべきでは無いということぐらいは、素人でも分かりそうなことです。

さらに最後の方で、ゾッとするような文章に出会いましたので、そのままアップします。
20代30代の肥満をともなう2型糖尿病の患者さんが非常に多くなっています。
この人達はこの先50年くらい治療を続ける必要があるのですが、初診で1年間治療を継続する人は2割ほどです。
医師の管理下にあれば食事や運動、新しい副作用の少ない薬などで血糖値をコントロールして合併症を抑えられるのに、これが放置されているのは非常に大きな問題です。


この先50年くらい治療を続ける必要がある
医師が目指すべき、”治癒させる”という目標を放棄しています。
糖尿病を不治の病とみなしており、この先50年ですから、死ぬまで医師のコントロール下で引っ張っていくつもりなのです。
初診で1年間治療を継続する人は2割ほどです。
人ごとですよね。この人は、何故8割もの人達がドロップアウトしていくのか考察したことさえ無いようです。
ただ単に、まじめな患者さんは2割しか居ないと思っているのでしょう。
現在のバランス食治療は、カロリー制限を伴いますので、患者さんは空腹を我慢することを強いられます。
このことこそが、ドロップアウトの最大の原因なのです。
まじめな2割の患者さん達も、思ったように体重が減らない時には、主治医に、カロリー過剰や運動不足を指摘されて
”スミマセン。もう少し頑張ります。”と、なんだか、罪人が悔い改める決意を表明するような態度をとるのです。
この繰り返しを1年間継続できる2割の人の方が異常でしょう。
さらに、この2割のまじめな患者さん達の将来も明るくはありません。
炭水化物という、糖尿人にとっての”毒”をバランスよく食べさせられるからです。
毒を食べるかぎりは、解毒剤である薬を飲んでも、合併症が防げないことは、この数十年間が証明しています。

医師の管理下にあれば食事や運動、新しい副作用の少ない薬などで血糖値をコントロールして合併症を抑えられるのに
糖尿病が原因で、毎年失明する3000人、新たに透析を開始する16000人、足の切断を余儀なくされる3000人、
この方々をなんと思っておられるのでしょうか。
全員が、不真面目な8割の患者さん達のなれの果てとでも思っていらっしゃるのでしょうか?
突然失明する人はいません。突然腎機能障害になる人もいません。突然足の切断が必要になる人もいません。
ほとんどの人は、医師の指導を受け、バランス食とカロリー制限にはげみ、運動を取り入れ、投薬され、やがてはインスリンを
注射された人達のなれの果てなのです。
”何を、胸張っとるんだっ!”と怒鳴りたくなります。
熊本弁だと、”世迷い言も、たいがいにせいよっ!”でしょうか。

新型スカイライン、インフィニティ

2013年11月13日 | 日記
11月11日の私のブログへの訪問者数は190人と過去最多になりました。
原因はタイトルを、”ドライブ・マイカー 村上春樹”としたことにあります。
”ドライブ・マイカー”、あるいは、”村上春樹”の検索から、私のブログに辿り着く人達が多数いたのです。
来訪者を増やすコツをつかんだような気がします。

という訳で、今日のタイトルとなりました。
新型スカイライン発表は今日のトピックスの一つなのです。





3.5リッターエンジンのハイブリッド車で2WDと4WDがあり価格は450万円から550万円だそうです。
発売は来年の2月頃だそうですが、全く興味がありません。
現行車と同じく、4枚ドアのデザインは破綻しています。
来年の夏には、2リッターターボエンジン搭載車が発売されるようです。
もしも興味を抱くとすれば、そいつの2枚ドアクーペが出た時でしょうね。



私の350GTは相変わらず快調です。
リアトランクのエンブレムは個人的な趣味ですべて取り払ってあります。
個人的なアイデアですので、このような仕様で350を乗り回しているのは私だけだったはずです。
ところが、最近、わたしの仕様を見習ったようなスカイラインを2台も目撃しました。(1台は370GTでしたが)
まねされるのは、私のアイデアが、”クール”だと認定されたようで、嬉しくもあるのですが、
アイデンティティーが低下するので、腹立たしくもあります。


夏井睦先生の新しい創傷治療

2013年11月12日 | 医学
先日アップした








の著者である夏井睦(マコト)先生に、数日前にメールを送りました。
内容は、”ルゴール液の塗布と、イソジンガーグルによる、うがいについて、是か非か御教授いただければ幸いです。”
というものでした。
すると、昨日ですが、なんと夏井先生本人から返信メールが送られてきました。
結論としては、どちらも、効果は期待できないので、非であるというものでした。

夏井先生は十年以上にわたって、下の写真のホームページを毎日更新され続けておられます。



そのホームページには膨大なデータが蓄積されており、その中から参考になりそうな部分を、いくつか紹介していただきました。
すべて参照しましたが、どれも面白いデータでした。

うがいについては京都大学保健管理センターが2005年に行った調査が有名だそうです。
全国18カ所の400人近い被験者を3つのグループに分けて、60日間調べたそうです。
1.水で毎日3回うがいをしたグループ。
2.うがい薬で毎日3回うがいをしたグループ。
3.うがいをしなかったグループ。

結果ですが、60日間に風邪を引いた人数は、それぞれのグループが100人だったとデータを補正すると以下の如くでした。
水グループで17.0人、うがい薬グループで23.6人、うがい無しグループで26.4人。
このデータをもって、京大保健管理センターは、水うがいは風邪を40%減らすと結論づけたのです。

しかし夏井先生は以下のように反論されます。
全国18カ所の医師達は、それぞれが20人くらいの被験者を抱え込むことになる。
したがって、彼らを毎日診察することは不可能である。
何を持って風邪と判定するのか、誰が診断するのか不明である。
うがいをしていないグループは、そのことが原因で風邪をひきやすいと考えるかもしれない。
うがいをしているグループは、そのことが理由で風邪をひかないんだと考えるかもしれない。
とにかく、被験者は、自分が、うがいをしているのか、していないのかを知っているので、ダブルブラインド試験になっていない。
回答にはバイアスが、かかりまくっているはずだ。

また別の耳鼻科医からは、次のような意見が寄せられていました。
そもそも、風邪で最初に炎症を起こす部位は、かなりの確率で上咽頭である。
上咽頭には、うがいの水は届かない。
上咽頭に届かせるためには、鼻から水を入れたりする必要がある。
うがいは気休めに過ぎない。

そして、うがい薬が風邪の予防にならないと批判された、業界トップである明治製菓は新聞で以下のように釈明しました。
”当社のうがい薬は、のどを殺菌、消毒、洗浄する治療薬であり、風邪予防の効果はもともとPRしていない.....”

ルゴール塗布も同じく、効果は期待できません。
連綿として30数年間ルゴール塗布を続けてきた私の医療は何だったのでしょうか。
反省するばかりです。
ただ長年続けてきた失敗の中にあって、チョッピリ気が楽になるのは、ルゴール塗布で料金をとったことが一度も無いということです。
昭和の終わり頃ですが、内科の診察料が外科のそれよりも10点(100円)高い時代がありました。
しかし不思議なことに、ルゴール液を塗布する行為は外科治療に当たるとされ、外科の診察料しか取れなくなるのです。
ルゴール塗布の点数が5点(50円)でしたので、塗布するとクリニックの収入は50円下がるという不思議な制度でした。
以来数十年、ルゴール塗布は完全にサービスとして施行し、カルテに記載することはありませんでした。

内科ですので、創傷治療のチャンスは滅多に無いのですが、めずらしくも機会がめぐってきましたので、
夏井先生のサイトを頼りに、プラスモイストを試してみるつもりです。

アラビアのロレンス

2013年11月11日 | 映画






昨夜はBS10が無料で洋画を流してくれましたので、上記作品を視聴しました。
1962年のイギリス映画で、最近では当たり前ですが、白黒映画がカラー映画に変換されています。
有名な作品で、昔から何度もテレビ放映されてきましたので、チョイ見をした経験は何度かありました。
しかし、3時間を超えるような長編映画ですので、通しで見たことはありませんでした。
昨夜は初めて3時間20分を通しで観たのですが、CMが入りませんので、ウィスキーをおかわりするにも、
トイレに行くにも不自由してしまいました。
アラブに派遣された英国軍中尉であるロレンスが、ジョンブル魂というのでしょうか、粘りと闘志でアラブ人達のために
戦い抜くというストーリーです。
昔の映画ですので、展開が遅くは感じられましたが、十分面白く、感動することができました。

主役は1932年生まれの英国人俳優であるピーター・オトゥールです。
この映画の撮影時には未だ20代後半であったはずですが、なんだか貫禄があって、しっかりしているので老けてみえました。
日本人ですと20代後半は、若くもないけど、大人の貫禄は未だ出せませんので、英国人の方が早く大人になるのでしょうか?
彼の主演映画で、私がこれまでに唯一観たことがあったのは、オードリー・ヘップバーンと共演した、”おしゃれ泥棒”です。



オードリー・ヘップバーンの大ファンである私にとって、この作品はお気に入りで、3回以上は観ています。
1966年の作品ですからピーターは33歳くらいでしょうか。
ハンサムな探偵役でしたが、身のこなしや佇まい、声や話し方のせいで、やはり老けてみえます。

考察してみますと、日本では年齢に関わらず若く見られたがる文化が定着しているような気がします。
戦前の文学では、30代の男は、一人前の大人として登場しますので、戦後のアメリカ文化の影響かも知れませんよね。

私は40代半ばまでは、自分のことを、”僕”と呼んでいました。
47歳で、”俺”にモデルチェンジして今に至っております。
夢は、何歳になるのかは分かりませんが、自分のことを、”儂(わし)”と呼ぶことのできる貫禄を身に付けることでしょうか....
津川雅彦のように、白髪で白髭をたくわえて、”儂が若い頃にはのう.....”などという日本語を使ってみたいものです。

ドライブ・マイ・カー  村上春樹

2013年11月08日 | 読書
たった今、文藝春秋の今月号に掲載されている上記短編小説を読み終わりました。
内容は村上春樹得意の、”コキュ(女房を寝取られた亭主)物”ですが、読後の満足感は100点です。

主役は推定60歳くらいの家福という中堅俳優です。
彼は仕事の行き帰りは、すべて自分で運転していました。
その彼の愛車が12年も乗り続けている、サーブ900コンバーティブルのマニュアルミッションです。
ボディーカラーは黄色ですが、おしゃれですよね。



家福はほろ酔い運転で事故を起こしてしまい、その時の視力検査で緑内障によるブラインドスポットが発見されてしまいます。
右後方からの車が見えないということで、事務所から運転を禁止されます。
そこで急遽運転手を雇うことになりますが、なじみの修理屋から紹介されたのは、みさきという24歳の女性でした。
みさきのミテクレは、身長165cmでがっしりとした体型、美人ではなく、化粧もせず、疑り深そうな瞳。
みさきのキャラは、ぶっきらぼうで、無口で、むやみに煙草を吸うが、運転のテクはプロ級というものでした。

以後、この物語でのみさきは、生来寡黙なはずの家福に、いつの間にか昔話を語らせるという役割に徹するのですが、
最後に女の立場として、女の習性を知る者として、素晴らしく簡潔なセリフをはくのですが、ネタバレになるのでアップしません。

村上春樹についてですが、若い頃に、”ノルウェイの森”の単行本を読みました。
そう、あの上下2巻で、深紅と深緑色のカッコイイ装丁のやつです。
しかし、内容については記憶に残る物ではありませんでした。
そして十数年前に、文庫本をまとめ買いして10冊くらい読みましたが、それほどの感動はありませんでした。
したがって、数年前に、”1Q84”がブームになった時もスルーしましたし、
先日出版された”色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年”にも無関心でした。
しかし、今は両方とも読んでみようという気になっています。

それから、忘れていましたが、村上春樹が影響を受けたというフィッツジェラルドのグレート・ギャッツビーも読んでみます。




A社とS社合同の勉強会

2013年11月07日 | 勉強会
昨夜はホテル日航で上記が開催され、T君と出席してきました。
まずは、形だけの参加料を払います。







というタイトルですが、



宣伝パンフも配られます。

勉強会終了後は隣室でバイキングが用意されています。











開業医にとっては10日のレセプト提出が間近な忙しい夜だったせいか、出席者数は、やや寂しいものがありました。
しかし、そのおかげで、バイキング料理は余り気味でした。
バクバク食べて、赤ワインとシーバスを飲んで、さっさと飲みに出ました。

まずは、”KON’S”に行ったのですが閉まっていました。
9時過ぎでしたから吏菜ちゃんがさぼったのでしょう。
あきらめて、”ガウディ”に行きました。
マスターは披露宴のお礼とばかりに、オールドパーの1リットル瓶を用意してくれていました。
例によってロックでドバドバと注いできます。
Tくんと二人でグイグイやっていくと、2時間足らずで半分を消費してしまいました。
私は、このペースだと今夜でボトルを空けてしまうかも知れないとマスターに注意しましたが、返事は、”構いません。”でした。
やばいことになりそうだなと思ったのですが、昨夜のT君は、それからしばらくして、信じられない行動にでたのです。
なんと、まだ11時半であるにも関わらずタクシーを呼んだのです。
最近、朝の7時ジャストに受診しに来る患者がいるからということでしたが、やはり独立して開業するとやる気があふれてくるのか、
精神や生活態度がシャキッとしてくるのかも知れません。

経験は有りませんが、毎晩グズッて眠りたがらなかった子供が、ある夜突然、”9時だから、もう寝る。”と宣言して
スタスタとベッドに歩いて行ったとしたら、親はびっくりして呆然とするでしょう。
私も昨夜は、一瞬、めまいさえ感じました。

向精神薬、抗うつ剤、製薬医療、医学の犯罪1

2013年11月06日 | 医学
You-Tube で表題を検索すると、Vol.1からVol.41までの41本の動画がヒットします。
C.C.H.R. (Citizens Commission on Human Rights)が制作した動画です。
この40年間のアメリカ精神医療の歴史を明らかにして、問題点を追求しています。
向精神薬からSSRIへの流れは、患者に対する治療目的ではなく、製薬会社と精神科医が結託してデザインした
単なるビジネスモデルにすぎないということが暴かれています。
要するに、儲けだけが目的であるということです。
現在、全世界で1億人が向精神薬SSRIを処方されているそうで、年間40兆円のマーケットなのだそうです。

”医者の最大の失敗は患者を殺してしまうこと。それに次ぐ失敗は患者を治してしまうこと。”というブラックユーモアがありますが、
SSRIについては、”最大の失敗”が積み重ねられています。毎年数十万人が自殺か他殺に走るからです。
しかし、”それに次ぐ失敗”だけはあり得ません。誰一人として治らないし、一生、薬を飲み続けるしかないのですから。
唯一、生き残って、人間らしい人生を送れるのは、薬から逃げ出すのに成功した人だけなのです。

マスコミがSSRIの薬害を報道することは不可能です。
ファイザー、グラクソ・スミス・クラインなど、とてつもなく巨大なスポンサー企業ですから。
この情報社会にあって、情報貧乏な人達が、情報貧乏な、あるいは自分で考えることを放棄した医者によってSSRIを処方され、
蟻地獄に落ち込んで行くのです。

この動画がブレイクすることを、祈りにも似た気持ちで強く期待します。

11月4日のボウリング

2013年11月05日 | ボウリング
昨夜は久し振りにボウリングに行きました。286を出した10月15日以来です。
6ゲームを投げることにしましたが、最初の3ゲームはスコアにこだわらずに、フォームのチェックと球の回転軸の調節、
さらには様々なアングルからのアジャスティングを試すことに費やしました。
そして、後半の3ゲームは逆にスコアにこだわって投げることとしました。

で、後半の3ゲームがどうだったのかというと、
ラウンドワン田崎店、9番10番レーン、使用球:トラック社の508A(15ポンド)



前回に続き、実に惜しい結果となってしまいました。
最後も惜しかったのですが、最も頭に来たのは2ゲーム目の6フレです。
投げた手応えは充分で、スパットを正確に通過した球はポケットへと加速して切れ込んで行きました。
まさにジャスポケだったのですが、一瞬にして飛び散ったピンの中にあって、魔法のように8番ピンだけが残ってしまいました。
英語で stone eight と言うのですが、球がキレ過ぎた時に起こる現象で、絶好調の証です。
1ゲーム目の4フレもそうでしたから、この日2回目の stone eight でした。
ボウリングの難しさと奥深さを垣間見せられるような現象でした。

そして、3ゲーム目も無傷で10フレまで辿り着きました。人生で5回目です。
10フレの1投目もストライクでした。人生で3回目です。
しかし、11投目は緊張してタイミングが狂ったのか、球に回転がかからずに、いわゆる、”スッポ抜け”となってしまいました。
ハートの弱さを痛感させられてしまいました。