はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

はせがわクリニック・20周年記念パーティー

2015年11月30日 | 日記
一昨日の土曜日にホテル・ニュー大谷で開催されました。



おめでたいパーティーということで、還暦以来お蔵入りとなっていたピンクのジャケットで受けを狙ってみました。



私のスピーチは3分以内に終了するのが常ですが、この日はロングスピーチとなりました。

実は、この日の午後に、私はクリニックの倉庫からエンジェルカルテを引っ張り出して、思い出にふけったのです。
死亡された患者さんのカルテはエンジェルカルテとして、他の古いカルテとは違う場所に、まとめて保管されます。
法律で定められたカルテの保存期間は5年なのですが、当院のエンジェルカルテは14年前からすべて残されていました。
懐かしい患者さんの顔が、一人ひとり蘇ってきます。
その顔と同時に当時のスタッフやクリニックの経営状況がオーバーラップされてきます。
当初は、" アッという間に20年が過ぎた。" と思ったのですが、間違いでした。
色んなことがあったのです。
色んな悲しみと喜び、不安と安心、窮乏と安定、病気と健康、思い出をたどれば波乱万丈の20年だったのかも知れません。

スピーチでは、亡くなられた患者さんたち60数名の名前を読み上げました。
その中には調剤薬局の社長の名がありました。
私と同じ年でしたが58歳の若さで他界したのです。
彼には息子さんが2人おられました。
20年前の開業当初にみんなでキャンプに行った思い出がありますが、当時長男は17歳、次男は小学生でした。
その二人が今や、社長、事務長として、会長である母親を助けながら、4つの調剤薬局チェーン店を切り盛りしているのです。
隔世の感がありますよね。
亡くなられた患者さんたちに全員で黙とうを捧げて、会をスタートさせました。

写真の背景にある張り紙は川崎婦長の父君に書いてもらったものです。
書道のプロなのですが、実は10周年の時にも書いていただいておりました。
最近では少し認知症が出てきていて、クリニックがクリニツクになっています。
川崎婦長がいくら注意しても改善されなかったそうです。
それにしても、認知症でも達筆であるというスキルには殆ど影響を及ぼさないということのようですよね。

二次会はスナック、" プラスワン " の別室を利用しました。
この20年間に数十回ものクリニック主催の飲み方を開きましたが、今回が、間違いなく最高に幸せを感じさせるものでした。
歳のせいかも知れませんが、もしもそうであるのなら、歳をとるって案外素敵なことかも知れませんよね。

中村あゆみさんへ

2015年11月27日 | コメント
最近、中村あゆみさんから2回にわたってコメントをいただきましたので、お答えします。

頓酔?意味がつかめないです。

酒に弱い人が、すぐに酔いつぶれてしまう様を、頓死になぞらえて、私が創った造語です。
軽く聞き流していただければ幸いです。

ビールや芋焼酎は、糖質、アルコール、どちらに入るのですか。
ダイエットしたいけど。
ご飯はたべなくても、いまのところ私にアルコールを抜くことは考えられません。
天の助けは無いのでしょうか?


ビールも芋焼酎もアルコールです。
しかしビールは糖質ですが芋焼酎は糖質ではありません。

つまり、アルコールには糖質が入っているものと、入っていない物があるのです。

私は大酒飲みですが糖質が入っているアルコールは飲みません。
つまり、ビール、日本酒、梅酒、白ワインは飲みません。

私が飲むのは、ウィスキー、焼酎、ブランデー、ジン、ウォッカ、バーボン、赤ワイン、糖質ゼロと表記してあるビールです。
これらならば体重を心配せずに飲み放題ですよ。

ただし、私は、ご飯を一粒も食べません。
めん類は1本も食べません。
パンも一口も食べません。
お菓子や甘いものも全く口にしません。
果物もほとんど食べません。
根菜類も食べません。

私が食べるのは、味噌汁、ケンタッキー・フライド・チキン、から揚げ、肉類全般、魚類全般
卵、チーズ、豆腐などの大豆製品、葉物の野菜 、ナッツ類などです。

4年前になりますが、この食事法で、私は79.8Kgから64.0Kgへの減量に成功しました。
しかも、毎日、腹いっぱい食べて、腹いっぱい飲みながら、9か月で達成したのです。

減量という目標は9か月で達成されたのですが、他にも様々な利点が出てきたので続行して現在に至っております。
列記すれば、
激しい空腹感から解放された。
肝機能の数値がすべて正常になり、どんなに飲んでも翌朝にはシラフに戻っており、アルコール臭もゼロである。
うつや、情緒不安定が改善され、精神状態が安定した。
食後のダルさや眠気がなくなったので、一日中利発に?仕事や遊びができる。
睡眠の質、肌や髪の毛のコンディションが改善された。
などです。

現在の私の身長は173cmです。
体重は65.5Kg位をキープしていますのでBMIは21.9と理想的な数値です。


ぜひ、参考にして下さい。

さだまさし・チャンポン食べたかっ!

2015年11月27日 | 読書


さだまさしが、思春期から20歳で " グレープ " としてデビューするまでを、ほとんど自叙伝として語っていきます。

年齢は私の1学年下ですので、取り上げられる世相のニュースが、まさに私の思い出とシンクロします。
ベトナム戦争、フォークソング、グループサウンズ、加山雄三、ラブミーテンダー、70年安保闘争、浅間山荘事件、
トニー谷、三島由紀夫と楯の会、大阪万博、まぼろしの邪馬台国、横井庄一などです。

さだまさしは、長崎で貧しい家庭の長男として生まれるも、3歳の頃からバイオリンを習わせてもらったそうです。
その後も夏休みの度に東京に行き、有名な鷲見三郎先生の指導を仰いできました。
そして、九州・山口音楽コンクールに出場し、小学校5年生で3位、6年生で2位に入賞します。
大層喜ばれた鷲見先生に、中学生になったら東京に出て来て、自分の元へ通ったらどうだと言われます。
これは異例のことだそうで、経済的な不安はあったものの、なんとかなるだろうという楽観的な考え方で上京を決意します。
しかし、さだまさしは、このポジティブな考え方が、いつも自分を過酷な方へ追い遣ることになったと述懐しています。
ともあれ、こうして中学生でありながらプロのバイオリニストを目指し、1人での下宿生活を、そして青春時代をスタートさせたのです。

この自伝では30人以上にも及ぶ人物との交流のエピソードが綴られていきます。
様々なキャラのオンパレードですが、その中でも圧倒的に魅力的であり、作者に影響を与えたのは、
高校2年のときの担任である安本衛先生でしょう。
この先生をモデルとして小説を創作して欲しいと思うほどユニークで素敵なキャラでした。

とにかく、トーク術に長けるさだまさしの小説ですので面白くない訳がありません。
" 天才だ天才だ天才だ " など3回繰り返されると、つい、その気にさせられるという最近の鉄板ネタがありますが、
そのオリジンとなった親子も紹介されます。

さだまさしは、この本の長い後書きで、登場人物の消息を次々と列記しています。
そして、次のように締めくくります。

こうして振り返れば当時の仲間は、物故者を別にすれば驚くほど「相変わらず」の交誼がほぼ途切れず却って暑苦しいほどに続いている。
出会った時には、まさか半世紀の時を友として過ごそうとは、想像だにしなかったことである。
まさに偶然、我々の仲間に 「さだまさし」というランドマークが出現したことによって、それぞれ我々の連絡先が担保されたわけであるから、これは 「さだまさし」をつくってくださった神様に心から感謝したい。

ケトン体が人類を救う・宗田哲男

2015年11月21日 | 糖質制限食


千葉県で産婦人科を開業されている宗田哲男先生の最新作です。
宗田先生は御自身の糖尿病を7年前に糖質制限でクリアーされ、
現在では糖尿病の妊婦や妊娠糖尿病の患者さんを糖質制限による管理で無事に出産させておられます。
江部先生や夏井先生の仲間というスタンスです。

2011年の10月に、江部先生は新生児の血糖値が35という低値であることから、
胎児はケトン体をエネルギー源として使っているのではないかという仮説を、宗田先生に紹介しました。
宗田先生はこれを自分への宿題と解釈され、ケトンの測定を始められました。

まずは妊婦のケトンを測定したのですが、糖質制限をしていない人でも高値を示す例が416人中185人も出ました。
ケトンの正常値は84までなのですが、この185名の平均値は594だったのです。

次に、臍帯血を調べたのですが、母親のケトンよりも高値でした。
全体の70%が高値を示しました。

さらに新生児(4日目 ) のケトンを測定すると全例が100以上で平均は247でした。
そして、1か月の乳幼児も4か月の乳幼児もケトンは300から400あったのです。

最後に胎盤の絨毛のケトンを測定すると最高値を記録しました。

これらのことから、" 胎児は絨毛で作られたケトン体を主な栄養源・熱源・エネルギー源にしている。 " と結論づけたのです。
そして、胎児も新生児も乳児も高ケトン環境に置かれていることがわかりました。
宗田先生に対して、ケトンが高いと奇形や知的障害の危険性が高まると怒鳴り散らしていた糖尿病学会の重鎮たちはどう考えるのでしょう。
倫理委員会にかけるとまで脅していたのですから。

この本は、すべての産婦人科医に読まれるべきだと思います。
彼らは糖尿病の妊婦と妊娠糖尿病患者の扱いに苦慮していたのですから。
糖尿病の専門家ではない産婦人科医のほうが、かえって糖質制限に簡単に乗り換えるような気がします。
そして、そのことが糖質制限の素晴らしさを世に知らしめることになるならば最高ですよね。


必勝法はありませんだと?

2015年11月14日 | 糖質制限食
今年も世界糖尿病デーがやってきました。
そして今年も読売新聞に糖尿病学会の門脇孝理事長と糖尿病協会の清野裕理事長の広告が掲載されました。
例によって糖尿病にならない7か条です。



これまでと違うのは、こうすれば絶対に糖尿病を防げるという必勝法則はありません。という一文が追加されたことです。
これって敗北宣言のようにも聞こえますよね。
糖尿病の患者さんたち一人ひとりに、ケースバイケースで、低脂肪のバランス食を与え、運動を勧め、投薬を死ぬまで続けていくつもりなのでしょう。

さて、今年も7か条を一つずつ批判していきます。

① ですが、誰がどのようにバランスを決めるのでしょうか?
また、そのバランスの科学的な根拠はどこにあるのでしょう?
九州大学が久山町で十数年にわたってバランス食と運動を指導したのに糖尿病患者が激増したことへの反省はないのでしょうか?

② ですが、夜食、間食に走るのは空腹が原因なのです。
バランス食と称して3度3度炭水化物を摂取させ、患者さんによってはインシュリンの分泌を促す薬や、インシュリンそのものが投与されます。
このことが反応性の低血糖を引き起こしてしまうのです。
低血糖は生命のピンチですから、脳は空腹だよというシグナルを強く出し、夜食間食を食べるように仕向けるのです。
この、反応性の低血糖による空腹を、毎日我慢することは ⑥ のストレス解消と矛盾してしまいます。

③ はアルコールという単語で、様々な種類の酒を、それぞれが持つ糖分を無視して指示しています。
血糖値を上げるアルコールと血糖値を上げないアルコールがあるのをご存じないのでしょうか?
私の推測ですが、東京大学と京都大学の医学部を卒業された優秀な先生ですので、当然ご存じだと思います。
ただ、このお二方には、血糖値は上がるものであって、上がるのが当たり前だというコンセプトが見え隠れするのです。
血糖値が上がる食べ物や飲み物を敬遠しようというコンセプトは、意地でも否定しようとしているように見受けられます。

④ ですが、体重を増やすのはインスリンなのです。
糖尿病の患者さんに、インスリンを分泌させる薬やインスリンそのものを投与すると、当初は血糖値もHbA1Cも改善しますが、
やがては体重増加が起きることを糖尿病専門医は頻繁に経験しているはずです。
インスリンで血糖値が下がるのは、インスリンが血液中のブドウ糖を他の組織に押し付けるからなのです。
とくに、余ったブドウ糖がインスリンによって中性脂肪という形で皮下脂肪、内臓脂肪に貯金されることが、肥満の重大なメカニズムなのです。
① で脂肪の摂取に注意と書かれていますが、摂取した脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪や血液中の中性脂肪に結びつかないことは
私の4年以上にもおよぶ糖質制限歴のデータが示唆していますし、他の多くの糖質セイゲニストも経験されておられます。

⑦ ですが、禁煙で糖尿病が予防されたというエビデンスが存在するのでしょうね。
禁煙で肺がんやCOPDが予防されるというデータはかなり発表されていますが、
禁煙と糖尿病の関係についての発表論文を私は目にしたことがありません。
私の勉強不足でしょうか? どなたか御教授を。

最後になりますが、必勝法則はあると思います。
そう、糖質制限こそが必勝法則なのです。

血糖値を上げるのは炭水化物だけなのだから、炭水化物の摂取をやめれば、インスリンも不要になるのです。
炭水化物は、おいしいけれども、人間にとって全く不必要な食べ物なのです。
癌や脳卒中、心筋梗塞、認知症などのリスクを考慮すれば、タバコやコカインなどと同様に敬遠すべき食べ物なのです。

頓について

2015年11月10日 | 日記
今月号の文芸春秋を読んでいると、頓教という言葉が出てきました。
仏教用語で、速やかに教えの深い部分に達してしまうことでした。
対比語は漸教です。

以前にアップしましたが、頓悟と漸悟を私に紹介しようとした妹が、" トンゴとザンゴ " と間違えて読んでしまい、
私を理解不能に陥れた事件がありました。
暫定予算の暫の字と間違えたものと思われます。

さて、今日は頓という漢字について明鏡国語辞典で調べてみました。

意味は、4つに分かれています。

1.額を地につけて礼をする。
頓首、これは手紙の最後に、へりくだった挨拶用語として使われるそうです。

2.その場に留まる。
頓挫

3.落ち着いている。
整頓、頓珍漢

4.にわかに、とみに。
頓悟、頓教、頓死、頓服、頓智、素頓狂

これからは、すぐ酒に酔う輩を見たら、" 頓酔したな。 " と、上から目線で、つぶやいてみることにしました。

コンビニよりも歯医者が多い!

2015年11月04日 | 時事ネタ
最近、ネットで知ったのですが、毎年1000件以上も歯科クリニックが廃業しているそうです。
高齢で辞められるケースもありますが、大半は夜逃げ同然の倒産だそうです。
ただし、新規開業も多く、2013年は1400件あったそうです。

倒産する理由は、クリニックの数が増えすぎたことにあるようです。
日本国内のコンビニの総数は5万3千軒だそうですが、歯科クリニックは、それを上回る5万9千軒もあるそうなのです。
この20年で2割以上も増えたことになります。

歯科医の場合は、大病院が無いので、勤務医となるのは難しく、いきおい開業せざるをえないのです。
そして、医師もそうですが、自分の子供に対する教育を考慮して、田舎での開業を敬遠し、都会に集中してしまうのです。

さて、医学界の人数も調べてみました。

医師 : 30万3千
看護師 : 106万7千
准看護師 : 37万7千
保健婦 : 5万7千
助産婦 : 3万5千
薬剤師 : 28万
放射線技師: 5万

つまり、200万を越えるような人数が医療に携わっているのです。
現在の日本の労働人口は6千万くらいですから、ある程度の政治力はありますよね。

一方、歯学界は、歯科衛生士、歯科技工士、を加えても30万に届きません。
診療報酬改定でも冷や飯を食わされ続けている状況なのです。

ところで、日本の人口は1億2千700万ですので、これを医師数の30万3千で割ってみると、419になります。
つまり、日本人の419人に1人が医師なのです。
労働人口の6千万で計算すれば、198人に1人が医師だということになります。

エリートの定義は500人に1人以下ですので、医師はとっくの昔に落ちこぼれているわけです。
したがって、医師が金持ちになれないのは必定であると、自分で自分に言い聞かせる今日この頃です......sigh。