平成太平記

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韓国 日本の貿易赤字増大で「ご機嫌」 日本がドル建て引き下げれば壊滅 

2014年03月27日 18時20分20秒 | Weblog

2014-03-27 04:36:44

韓国、「ウォン高円安」で日本製品の競争力拡大で苦境

勝又壽良の経済時評

日本の貿易赤字増大で「ご機嫌」
円高が招いた輸出競合度の上昇

韓国は何ごとによらず、日本より上回っていれば「ご機嫌」である。

「ウォン高円安」の襲来と身を屈めていた韓国が、昨年の貿易黒字は大幅に増えたのだ。片や日本は、円安にも関わらず輸出が増えず、逆に貿易赤字が増加した。

こうして、韓国メディアは「441億ドル黒字(韓国)vs1176億ドル赤字(日本)」と勝ち誇った報道をしている。

日本の貿易赤字がかつてなく膨らんだのは、いくつかの特殊事情が重なっている。

(1)原発の操業を中止していることによる燃料輸入増加。

(2)円安でもドル建て価格を引き下げずに据え置いて、ことさら輸出増加を図らなかったことだ。

その分、企業の輸出採算は大幅に好転している。

大企業が軒並み大幅増益を記録した背景には、こういった事情が働いた。

お陰で今春闘は久々のベースアップである。ボーナスなどの一時金増額と違って、ベースアップは「恒常所得」の増加につながる。個人消費を刺激するのは、あの「恒常所得仮説」が説明してくれている通りだ。

韓国は、こういった日本側の事情を理解することもなく、「日本に勝った、勝った」と大喜びである。

日本の貿易赤字増大で「ご機嫌」
韓国紙『中央日報』(3月18日付け)は、次のよう報じた。

① 「韓国産業研究院は3月17日、『最近の円安以後の韓日交易比較』報告書を出した。

これによれば昨年、ドル対比平均で韓国ウォンは前年対比2.8%上がった一方、日本円は22.3%下がった。これを考慮して、日本の輸出量は増えて韓国の輸出量が減るという観測が多かった。

為替レート変動分を価格に反映する場合、海外市場で日本製品の価格は大きく下がるのに比べて韓国製品の価格は上がるしかないからだ。

だが実際にふたを開けてみると韓国の輸出実績が日本よりもはるかに良かった。

『円安=韓国輸出減少』というこれまでの公式が崩れたのだ。産業研究院のシン・ヒョンス研究委員は、『以前よりも韓国の円安対応力がはるかに強くなった』と話した」。

日韓の輸出品構成はかなり似通っている。

それもそのはずで、日本の技術を使って韓国の「産業興し」をしてきたのだから当然であろう。

この点については、後で取り上げる。日本の輸出価格は円安に応じて、ドルなどの契約通貨ベース価格を下げるか。あるいは、ドル建て価格を据え置けば事実上、円建て価格が上がることになる。

そのどちらかを選択できるのだ。実際には、契約通貨ベースの輸出価格は2%ほどしか下がらなかった。

円安分は約12%もの円建て価格の上昇になったと指摘されている。

日本企業は、ドル建て販売価格を下げなかったのだから、輸出数量が増えるはずもなかった。

ただ、円建ての輸出額が増えたので、メーカーの収益は大幅に改善した。それが、賃上げ原資に回ったと考えれば良い。

日本の製造業がドル建て価格を引き下げず、ほぼ横這いを維持した理由は何だったのか。

それは、他国製品と価格競争する無益を理解していたのであるまいか。

「メード・イン・ジャパン」が、「メード・イン・コリア」や「メード・イン・チャイナ」と、すでに品質面で格差がついている。さらに、値下げして泥沼競争に陥るのを回避したに相違ない。

韓国が勝ち誇るほど、日本の貿易赤字は改善見通しがつかぬ状況だろうか。

子細に見ると、改善傾向が見えている。日本の2月の貿易赤字は8003億円。貿易赤字は20カ月連続である。

ただ、単月で過去最大の赤字だった1月と比べると、中国からの輸入減と輸出の伸びで、赤字幅は1月の29%へと急減した。

貿易赤字は昨年10月から1兆円を超えていたが、5カ月ぶりに前月を下回ったのである。改善の後がうかがえるのだ。

2月の輸入額は前年同月比9.0%増の6兆6002億円で16カ月続けて増えた。

輸入全体の数量指数は0.5%減と5カ月ぶりに減少した。2月の輸出額は5兆7999億円で前年同月比9.8%増である。

中国向けが拡大した。以上のように、2月の貿易動向から見るとお先真っ暗というわけではない。先行きの明るさを見せているのだ。

② 「産業研究院は、最も大きな理由に韓国製品の競争力向上を挙げた。

韓日が輸出市場で正面対立していた半導体・ディスプレイ・船舶といった品目が代表的だ。例えば、韓国の半導体輸出額は前年対比12.7%増えたが日本は13%減少した。

日本の製造業の構造的な問題もあった。長期不況に苦しめられた企業らは、円安によって増えた利益で、製品の値段を下げる代わりに財務構造を改善して内部資金を貯めた。

海外生産比率が34%と高い点も影響を及ぼした」。

韓国の貿易黒字が過去最高を記録した。一方で、日本は貿易赤字が過去最高になったのは、韓国製品の競争力が向上した結果だというのである。

果たしてそうだろうか。

「韓国の半導体輸出額は前年対比12.7%増えたが日本は13%減少した」背景に、例の東芝の半導体技術の不正流出があったのだ。NAND型フラッシュメモリーは、東芝が世界に先駆け1987年に開発した半導体製品である。

それを、日本人技術者をそそのかして、まんまと手に入れて、新工場までつくっているのだ。韓国にとって最大の恥辱である。日本に対して、韓国製品の競争力が向上したとは、とても言えた義理でない。

③ 「中国市場では韓国の占有率(9.24%)が、日本(8.19%)を抜いて最大輸入国になった。

領土紛争で日本製品の不買運動が広がりながら韓国輸出品が反射利益を得たと推定されている。

シン・ヒョンス研究委員は、『今年から、体力を補充した日本企業が本格的に輸出価格を下げる可能性が大きい』としている。『韓国が円安に長期的に対応するには、政府の規制緩和と企業の研究開発(R&D)投資を通じて輸出競争力をさらに育てなければならない』と話した」。

中国市場で、韓国製品が日本製品のシェアを上回ったとしている。

日本は円安分をドル建て価格でほとんど引き下げなかった結果であろう。

泥沼の価格競争を避けたのである。だが、日本の部品や素材はほぼ全量が、中国からの輸出製品に組み込まれている事実を忘れては困るのだ。

中国からの輸出が低下すれば、自動的に日本製品の輸入量が落ちて当然である。

韓国は、その辺の事情が良く飲み込めないのであろう。

韓国製の部品と日本製のそれとが、品質的に同レベルとは言えないはずである。

なぜなら、韓国の対日貿易は慢性赤字であり、素材・部品がその主因であるからだ。そこで、日韓の製造業の競争力比較を詳細に見ておきたい。

『朝鮮日報』(3月17日付け)は、次のように伝えた。

④ 「昨年、韓国と日本の輸出競合度が過去最高水準を記録した。

自動車(部品)、機械、電機・電子など韓国主力輸出部品の競合度が特に高かった。今後、日本の経済政策、アベノミクスによる円安の影響が本格化すれば輸出競争がさらに激化する可能性が高い。

韓国貿易協会によると、昨年の韓日輸出競合度は0.501で初めて0.5を上回った。輸出競合度とは、2国間の輸出商品構造の類似性を計量化し、海外市場での国際競争の度合いを測る指標。競合度が1に近いほど競争が激しいことを意味する」。

ここで示されたデータは、きわめて興味深いものがある。

「輸出競合度」とは、2国間の輸出商品構造の類似性を計量化し、海外市場での国際競争の度合いを測る指標である、としている。

輸出競合度が1に近い値ほど、2国間の輸出競争の激しさを意味する。日韓では、昨年初めて0.5を上回った。製造業の半分が日韓では競合状態にあるわけだ。

注意しなければならないのは、2国間の「輸出競合度」は両国の実効為替相場が密接に絡み合うことである。

「円=ウォン」に限定すれば、「円高=ウォン安」局面と「円安=ウォン高」局面で、「輸出競合度」が変化するという重大な前提を忘れると、大変な錯覚を生む。昨年の日韓「輸出競合度」が、初めて0.5を上回ったのは、「円高=ウォン安」と密接に関係しているはずだ。この一点をあらかじめ強調しておきたい。

円高が招いた輸出競合度の上昇


⑤ 「韓日の輸出競合度が0.5を超えたことは、輸出品目構造が最大50%以上類似していることになる。世界第1位の貿易大国である中国との競合度が0.377であることを踏まえると、韓日の競合度の高さが分かる。最近の韓日輸出競合度を見ると、
2006年0.484
2007年0.449
2008年0.446
2009年0.455
2010年0.467
2011年0.475
2012年0.481
2013年0.501」

前のパラグラフにおいて、私が付けた「輸出競合度」と日韓「実効為替相場」の関連を頭に入れて、2006~2013年の「輸出競合度」の推移を見ると、「実効為替相場」が見事な相関関係にあることを示している。

日韓の「実効為替相場」は、2008年9月から昨年11月まで、一貫して「円高=ウォン安」にあったのだ。

この事実と「輸出競合度」を見比べると、2006~08年までの円安局面では「輸出競合度」は低下している。そして、2009~2013年までの「円高=ウォン安」では、「輸出競合度」は上昇しているのだ。この事実から判断すると、今後の「円安=ウォン高」では「輸出競合度」が再び低下する「運命」である。

韓国は、昨年の貿易黒字が史上最高であったと誇っている。返す刀で、日本の貿易赤字が過去最高と日韓の好対照ぶりを、半ば冷笑しているのだ。

これは、今後の「輸出競合度」が低下するだろう現実と照らし合わせると、まったくの「糠(ぬか)喜び」と言わざるを得ない。

お気の毒ながら、韓国の「輸出競合度」が1へ接近する事態は、円相場が「1ドル=50円以下」の超超円高にでもならない限り起こらないであろう。

⑥ 「品目別では、韓国の7大輸出品目である自動車部品の競合度が過去最高の0.560を記録した

自動車部品の韓日競合度は07年の0.386から09年に0.393、11年に0.460と主要輸出品目の中でも速いスピードで上昇し続けている。

韓国製品が量的にも質的にも世界市場で日本の強力なライバルに成長したことを意味する。だが、この分野で韓日間の競争が激しくなるに連れ、日本を超えなければ持続的な成長は難しいという意味にも解釈できる。

半導体設備(0.766)、自動車(0.707)、産業機械(0.690)、鉄鋼板(0.646)、半導体(0.584)、重電機器(0.582)、プラスチック(0.541)など、韓国の主力輸出品は大部分、日本との競合度が高い」。

韓国の主力輸出品は、日韓「輸出競合度」が0.7前後と高くなっている。

この背景には、前述の通り「円高=ウォン安」の実効為替相場が強い影響を与えている。満5年もこうした状況が続いたのだから、軒並み「輸出競合度」が上がったのは当然であろう。

この異常状態が、昨年11月から逆転しているのだ。これからは、「輸出競合度」は低下して当然である。

韓国の「反日」態度は、一時の「輸出競合度」上昇を恒久的な事態と見誤ったに相違ない。

「日本与しやすし」。そう見て、中国と「反日連合」を組んだのであれば、取り返しのつかない外交的な失策である。

日本人の韓国旅行が、今年に入っても減少しているのは、日本人の静かな「怒り」の表明であろう。

日本人は韓国人や中国人と異なり、派手なパフォーマンスをしない。だが、「芯」はきわめて強いのだ。

「裏切り」行為には強い反応をする民族特性が見られる。「サムライ・スピリット」とでも言うのだろうか。

「韓日輸出競合度は今後、円安の行方に左右されるとみられる。

まだ韓国の輸出産業に円安による大きな影響は出ていないが、今後は状況が変わってくるだろうという見方が有力だ。

韓国産業研究院は、『日本企業は昨年までは円安を活用する際に製品価格の引き下げよりも収益性改善に重点を置いたが、利益を設備投資に回したり本格的に製品価格の引き下げを始めれば、価格競争力が高まり韓日間の競合度が上昇することになる』と指摘した」。

ここでは、重要な「誤診」をしている。

日本企業が、円安によってドル建て価格を引き下げれば、韓国製品との本格的な価格競争に転じる余裕が生まれる。

従来の「円高=ウォン安」局面では、すでに日本の為替相場が割高になっていたから、韓国製品と「戦わずして敗退」の環境になっていた。

これが自動的に「輸出競合度」の上昇をもたらしたのだ。局面は一大転換した。

「円安=ウォン高」で、日本がドル建て価格を引き下げれば、日本の価格競争力はそれだけ高まる。記事にあるような、「韓日間の競合度が上昇する」のでなく、韓国に不利になるから「輸出競合度」は下がるはずだ。

載者のコメント 日本に勝った勝ったとはしゃいでいるがウォン高で手取り金額は減り、深刻な不況でないか

それを認めない。ウォン高を解消しようと金利を下げれば、外資は逃げていき、韓国は倒産する。

いずれにしても虚勢で謙虚でなく自滅する韓国

(2014年3月27日付け)