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韓国、「スマホ爆発」サムスン未だに原因掴めず「右往左往」

2016年11月05日 20時39分01秒 | Weblog

韓国、「スマホ爆発」サムスン未だに原因掴めず「右往左往」

 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良

サムスンにとって、今回のバッテリー爆発事故を起こした「ギャラクシーノート7」は、期待の星であった。

これまで「ノート」シリーズが好調で、先発企業アップルを追い抜く「有力兵器」となっていた。

今回の「ノート7」によって、さらにアップルを突き放す戦略をねっていたはずである。

年末の商機を完璧に捉える。そういう期待が、一段と膨らんでいた矢先の爆発事故である。痛恨の事故である。

 この過大な期待が、皮肉にもサムスンに墓穴を掘らせた。最初の爆発事故の原因究明を焦ったのである。前記の通り、エース商品である。

12月の年間最大の商機を逃したくない。この焦りが、リコール回収後も再度の爆発事故を招いた。じっくりと腰を落ち着けて、原因を究明しなかったのだ。

 不思議なことに、最初の爆発事故原因がバッテリーにあると決めつけたのは、研究室の分析でなく、経営トップだけの判断であった。

爆発スマホのレントゲン写真を見て、すぐに「バッテリーが原因」と判断して、再発売を決めたのだ。

本来、この種の事故であれば、全社的な取り組みを必要とするはず。

実際は、わずかな人間だけで結論をだしたのだ。サムスンが、基礎技術を軽視していた証拠と言える。

ここに、商業主義が先行した製造業の失敗例が浮かび上がるのだ。

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月24日付)は、「サムスン追い込むノート7での致命的ミス」と題して、次のように伝えた。

 この記事を読むと、サムスン首脳部は爆発事故を安易に考えていたことが分かる。

サムスンは、スマホを最初に開発した企業でなく「二番手」である。

先発企業のアップルを真似ていれば良かったのだ。

ところが、「ノート7」は、従来のスマホにない機能を搭載した最新型である。

電気エネルギーも余計に消費する。ここが落とし穴であった。

最新機能搭載が、スマホにそれだけ負荷をかけていた可能性がある。

まだ、事故原因は掴めていない。事故原因把握の「初動ミス」が、事故原因究明を長引かせいる。

(1)「サムスン電子の新型スマートフォン『ギャラクシーノート7』の発火に関する報道が拡大し始めた9月初旬、同社幹部は対応策について話し合った。

事情に詳しい関係者によると、一部は事故をさほど深刻にとらえていなかった。

ただ、断固たる措置が必要と考えていた幹部もいた。

研究所の報告書によると、問題のあったノート7の一部をX線とCTスキャン(コンピューター断層撮影)で調べたところ、バッテリーに出っ張った部分があるのが確認できたという。

それらは関連会社サムスンSDIの製品で、他社製のバッテリーにはそうした出っ張りは見つからなかった」。

 サムスンの研究所では、爆発のあったノート7の一部をX線とCTスキャン(コンピューター断層撮影)で調べたところ、バッテリーに出っ張った部分があるのが確認できたという。

すぐにこれが、爆発原因と推定したという。驚くほど、単純な結論付であった。

サムスンのスマホが、これまでバッテリー事故を起こさなかった。それは「幸運」というほかない。

限られたスマホ機能の搭載ではバッテリーに負荷がかからなかったのだろう。

新機能追加が、スマホの限界を超えさせたのだろう。私のような素人が考えると、答えがこの辺にありそう気がするがどうだろうか。

(2)「(前記の出っ張り)が決定的な原因とは言えず、膨らんだ部分に関する説明はなかった。

しかし、消費者から苦情が寄せられ、電話対応に追われる担当者は答えを求めていたことから、モバイル部門責任者の高東真(コ・ドンジン)氏は、それだけ分かれば250万台のリコール(回収・無償修理)に踏み切るには十分だと考えた。

高氏のリコールの提案を李在鎔(イ・ジェヨン)副会長も支持した。

しかし、この9月初めの大規模リコールは不完全な証拠に基づいたものにすぎず、その決定が今、同社を再び悩ませている」。

 「バッテリーの出っ張り」がなぜ、爆発を起こしたか。

その説明がないままに、モバイル部門責任者の高東真(コ・ドンジン)氏は、販売現場からの矢のような催促に押されて、「バッテリー事故説」を発表。

リコールに踏み切ることになった。これを李在鎔(イ・ジェヨン)副会長も指示した。

ここで悔やまれるのは、韓国政府の事故調査部門や、米国の公的機関と一切連絡もせず、独断でリコールを決めたことだ。

第三者機関の意見や再調査を受け入れて、消費者にその旨を説明すべきであった。その、大事なプロセスが欠けていたのだ。ここが、技術軽視のサムスンと言われる理由である

(3)「サムスンがスマホ市場で首位に立つ後押しをしたのが『ギャラクシーノート』シリーズであり、最新機種のノート7はヒットに必要なあらゆる要素を備えていた。

ギャラクシーノートはいっとき、米アップルの『iPhone(アイフォーン)』からユーザーを奪い、テクノロジー業界で世界有数の支配企業というサムスンの立ち位置を強固にするかに見えていた。 

しかし、端末の発火とリコールの不手際により、サムスン幹部は今、消費者からの信頼回復に苦闘している。その結果、来年2月に『ギャラクシーS8」の名で見込まれている次世代旗艦端末の発表も危ぶまれている」。

 「ギャラクシーノート」シリーズは、サムスン・スマホの稼ぎ頭である。その旗手が「沈没」した。

サムスンは、無念にも「ギャラクシーノート」シリーズの破棄を決めている。

事故を起こした後継スマホでは、消費者から忌避されるのは決定的である。

それだけに、安易に爆発原因の特定をしてリコールに踏み切ったのは、痛恨のミスと言わざるを得ない。

私が近著の『サムスン崩壊』で指摘したように、基礎技術を欠くサムスンの「80%主義」という技術軽視と商業主義がもたらした事故と言える。

 (4)「製品の大規模リコールは決して簡単ではない。

しかし、消費者は企業が消費者を気にかけ、問題に迅速に対処しているとみなせば過ちを許そうとする場合が多い。

元・米消費者製品安全委員会(CPSC)委員で現在はフリーで製品安全性に関するコンサルタントを務めるスチュアート・スタットラー氏は、サムスンは独自にリコールに踏み切るのではなく『早い段階で予備的なもので構わないので所見や考えを(米規制当局と)共有すべきだった』と述べた

サムスン最大のミスは、爆発事故を安易に捉えていたことだ。

バッテリーが爆発したから、原因はバッテリーにあると見たことが致命傷になった。

この種の事故が起こった場合、まず米消費者製品安全委員会(CPSC)に連絡して、指示を仰ぐのが通常のケースとされる。

サムスンはそのルールを無視して、勝手に動き回った。CPSCの心証を害したとも伝えられている。

今後の原因究明では、時間をかけて「再々発防止」という高いハードルを課されていることは間違いない。この結果、次期のスマホ発売時期が遅れて、業績を押し下げるのだ

(5)「事情に詳しい関係者によると、ベライゾン・コミュニケーションズのローウェル・マクアダム最高経営責任者(CEO)をはじめとする主要通信会社の経営陣が、李氏にノート7の販売をすぐに中止するよう促した。

それら経営陣は、李氏に『ノート7』は日に日に販売が難しくなっていると述べた。

10月11日、李氏は高氏を呼び出し、『ノート7』の生産・販売打ち切りを命じた。その日、高氏はモバイル部門宛てに手紙を送った。

ウォール・ストリート・ジャーナルがそのコピーを確認したところ、高氏はこの危機について『当社がこれまで直面した中で最も厳しい試練の1つ』だと述べていた」。

 李サムスン副会長が、「ノート7」の生産・販売打ち切りの最終決定を下した。

米国の主要通信会社の経営陣が、李氏に生産・販売打ち切りを促した結果とされる。

サムスン・モバイル部門の最高責任者の高氏は、「サムスンがこれまで直面した中で最も厳しい試練の1つ」と認識しているという。時すでに遅し、である。

最初の事故発生時に、慎重に取り組むべきであったのだ。

 

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月28日付)は、「サムスン電子、『ノート7』問題の幕引き見えず」と題して、次のよう伝えた。

 

(6)「ノート7の生産・出荷停止から2週間後となる10月27日、同社は第3・四半期決算を発表。

営業利益が大幅に減少するなど、ノート7販売停止による業績への大きな打撃が明らかになった。

サムスンは発火問題に関する『徹底的』で『透明』な調査を約束し、臨時株主総会で創業家3代目の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の取締役就任を承認した。

それでも、問題はまだ残っている。4カ月後の『ギャラクシーS8』まで同社には新たな旗艦スマートフォンの発売予定がない。

経営幹部はノート7を悩ませたバッテリー過熱問題の原因特定にまだ近づいていないようだ。さらには、そのリコール(回収・無償修理)が同社製品への信頼をどれほど傷つけたのかについてもまだ分からない」。

 10月27日のサムスン電子株主総会の席上でも、スマホの爆発原因は掴めないと発言している。

それだけに、沈痛な空気が支配した。今回の総会は、創業家3代目の李在鎔氏が、取締役に就任する晴れの舞台になるはずだった。

サムスン電子にはこれまで、創業家からの役員が空席となっていた。過去、現会長が役員をしていたが、事件を起こして辞任したままである。「コーポレート・ガバナンス」がやかましい折から、創業家が経営責任を明確にするのは当然だ。

 (7)「ノート7の生産停止が影響し、第3四半期のモバイル部門の営業利益は前年同期比96%減となった。

利益率が縮小して販売台数も伸び悩むなか、同社は話題を呼ぶような製品が1つもないという状況に陥っている。

リコール費用と販売機会損失で50億ドル以上が失われたうえに、ノート7の販売を終了したことで、サムスンは今年の3月から販売されている『ギャラクシーS7』で年末商戦を乗り切らなければならないだろう」。

 バッテリー爆発事故は、サムスンの業績に大きな傷跡を残す。

今年7~9月期、10~12月期、来年1~3月期のリコール費用と販売機会損失で50億ドル以上(5000億円以上)と見込まれている。

今回の事故原因が究明できない限り、新機種の発売は不可能だ。ドル箱のスマホ部門だけに、経営的な痛手は推して知るべし、であろう。

 (8)「サムスンは、そもそもノート7をつまずかせた原因が何なのか、今も解明に取り組んでいる。

同じ問題がギャラクシーS8で起きるのを防ぐためにも、その原因究明は重要である。

10月27日の株主総会で申宗均(シン・チョンギュン)共同最高経営責任者(CEO)は、『ハードウエア、ソフトウエア、製造工程といったその端末のあらゆる側面』を調査するため、規制当局や独立専門家たちと協力していると報告した。

ノート7の問題がバッテリーだけにとどまらず、その原因がより広範である可能性にサムスンが言及したのはこれが初めて。調査範囲は絞られているどころか、拡大しているということが示唆された」。

 10月27日の株主総会で当然、スマホ事故問題が取り上げられている。

それによると、事故原因は絞られたというよりも、逆に調査範囲が拡大しているという。

「ハードウエア、ソフトウエア、製造工程といったその端末のあらゆる側面」が調査対象になっているからだ。

この慎重さが、最初の事故の際に行われていれば、ここまで苦境に立たされることもなかったであろう。一にも二にも、サムスンの技術基盤の脆弱性がもたらした事故である。

 

(2016年11月5日)

ジャンル:
経済
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