90歳のたこ焼き屋

2017-11-05 01:53:02 | 日記
実家の父の話。
一昨日は大阪、息子とデートでお能鑑賞。
生で野村萬斎さんの狂言も観られたと、じい様を見送った息子から報告を受けた。
午後の公演だったので、さぞかし疲れただろう、昨日は朝寝をしているだろうとお昼前に電話をした。
一向に出ないので、これは相当ダウンしてるのかと思っていたら夕方電話があった。
なんだか声は疲れてるんだか興奮してるんだかわからん。

当番でな、たこ焼き屋やってたんや
電話もろたの気がつかんかった。

???

よくよく話を聞いて納得。
姉夫婦は台湾に遊びに行っている。
甥っ子が泊まりにきてじい様の食事の世話をしてくれているらしい。

そして、昨日は町内会の文化祭。
当番だったそうだ。
甥っ子は甥っ子で仕事があり、父がたこ焼き屋の当番で出席したらしい。

え?町内会の祭りに、90歳でも当番に駆り出すんかいな?
いくら何でも他に誰かいるだろに
と、思った。

でも、父の声は、ご機嫌さんのようだった。
鉄のたこ焼き器で汗かきながらクルクルひっくり返してるのかと思いきや、
今時は冷凍たこ焼きを温めるだけだったそうだし、
老僧がねじり鉢巻?でたこ焼き屋をやってるから、みんなからかいに顔を見にきてくれたかもしれない。
仲良くしている町内のお馴染みの顔の中で、きっと大事にしてもらって楽しかったのだろうなぁ。

広い寺で、姉夫婦がいなくて喧嘩もできない、さぞかし退屈しているかと電話をしたのに、
ご機嫌な声が聞けて良かった。楽しかったらしい。元来そういうお遊びが好きな父だから。

明日は能面打ちの教室、来週末は名古屋の能楽堂で父も出番のあるお能と謡いの発表会。
私は地元の文化祭のお手伝いがあるから応援に行けないが、もう慣れているコースなのでひとりでも行けると自信があるようだ。私がいたら、着物や袴をたたんだり多少はお手伝いできるのだけどね。
それが済んだらまた私との旅行の準備を始めなくちゃならない。
全くもって、退屈してる暇がない父だ。
夜フニャフニャに疲れても翌日には元気になって何かしら仕事ややる事を見つけている。
命を惜しんで大事にするより、命ある限り動き続ける父。
心身共に熱中症になりながら。
残り時間が無いとか、老い先短いとか、そんな発想はない。

ここまで長生きできたからこその今の生き方だと思う。
病気もそれなりにした。心臓の血管にステント入ってる。総入れ歯で耳も少し遠い。

でも、なんでも食べるし、マイペースで好奇心旺盛。これは半端ない。歩く歩く。
もう若くない私は時々負ける。


たこ焼き屋、よう売れましたか?

おう!よう売れた👌









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