イスラエルはクラスター爆弾による攻撃の詳細を公開し・・・/アムネスティ

2006-09-03 23:06:33 | 世界
国際事務局 : イスラエルはクラスター爆弾による攻撃の詳細を公開し、調査を受け入れなければならない
投稿日時: 2006-9-1 17:50:00 (110 ヒット)

アムネスティ・インターナショナルは本日、クラスター爆弾の処理を可能にし、さらなる市民の犠牲を防ぐために、先の紛争中にイスラエル軍が投下した地域の地図を直ちに公開するようイスラエル政府に要請する。

不発クラスター爆弾による被害者の新たな情報を発表するにあたりアムネスティは、そのような兵器を使用したことに関する包括的で公正な調査に協力するよう、イスラエルに求める。

アムネスティの要請に先立ち、イスラエル軍によるクラスター爆弾攻撃の90パーセントが、停戦が発効する直前の72時間に行われたという国連の報告書が公表された。国連地雷行動調整センターによると、これまでのところ、クラスター爆弾によって攻撃された地域が400か所以上あり、10万個以上の小型の不発弾が散らばっている。

アムネスティのレバノン調査団は、いくつもの村むらで、場合によっては家の中でも、多数の不発弾を発見している。


APGraphicsBank
「居住地域の中心でのクラスター爆弾の使用は、無差別攻撃の禁止に反し、したがって国際人道法の重大な違反にあたる」と、アムネスティのケイト・ギルモア事務局次長は語った。「国連の公式な要請にもかかわらず、イスラエルがいまだにクラスター爆弾を投下した地域の地図を提出していないことは、言語道断だ。地図の未提出は、レバノンの一般市民、とりわけ子どもたちの生命をさらに危険にさらしている」

クラスター爆弾は小型爆弾を広範囲に撒き散らし、その多くは投下の衝撃では爆発せず、住民にとって致命的な不発弾となって残存する。

「クラスター爆弾は事実上の対人地雷だ。イスラエル軍によってレバノンで広範に使用されたことで、故郷に帰還する途中の何十万という老若男女に多数の犠牲者が出ている。イスラエルやその他の国に対する主要な武器供給国である米国は、そのような武器を供給すべきではなく、クラスター爆弾の国際的な使用停止を表明すべきだ」と、ケイト・ギルモアは語った。

最近のアムネスティ・レバノン調査団は、南レバノンの故郷に帰還しようとする何十万ものレバノン市民のうち、クラスター爆弾の不発弾の被害にあった数人から聞き取りを行った。

6歳のアッバス・ユセフ・シビは、8月26日にブリダ村でクラスター爆弾を拾おうとしたとき、どのようにそれが爆発したかをアムネスティ調査員に教えてくれた。病院のベッドに横たわりながら彼は、3人の友たちと遊んでいたときに、「香水ビン」のように見えたものを拾ったのだと話してくれた。アッバスの大腸、胆のうは破裂し、肺に穴があき、内側神経が引き裂かれ、現在も多量の輸血を受けている。3人の友だちも負傷したが、2日後に退院した。

隣の病室では、38歳のマフムッド・ヤクブが、クラスター爆弾を踏んで負傷した脚にギプスをはめて横たわっていた。マフムッドはイスラエル軍による攻撃の間に、羊に水を飲ませることができず、21頭を失ったと語った。紛争中、マフムッドは羊を外に出すことがほとんどできなかった。停戦後の今、クラスター爆弾が羊たちの牧草地である丘の上に散乱している。

違う病院でアムネスティは、手術後も昏睡状態が続いている13歳のハッサン・フセイン・ハマディを訪ねた。家族によると、ハッサンは8月27日、ティールのデイル・アルカヌン村にある自宅の庭で5人の弟妹たちと遊んでいるときに小型の缶状タイプのクラスター爆弾を拾い、それが爆発した。爆発によって右手の4本の指が吹き飛び、小指しか残らなかった。また、肩と腹部に重傷を負った。

19歳でベイルート・イスラム技術機関の学生であるフセイン・カドゥ(上写真)は、8月28日にレバノン南部のソウルタニエ村で、サッカー場に隣接する道を歩いていたときにクラスター爆弾で重傷を負った。アムネスティ調査団がその翌日に現地を訪れると、不発のクラスター爆弾が散乱し、中には小道のすぐそばに落ちている不発弾もあった。小道には、まだ血痕がはっきりと残っていた。フセインは腸と肝臓の出血のため大手術を受けた。腸と肝臓の出血は止まったが脳内出血はまだ続いている。術後の経過はきわめて厳しい。

イスラエルによるクラスター爆弾の使用は、このような兵器の使用と、紛争中のその他のイスラエル/ヒズボラ双方による国際人道法違反に関する、早急かつ包括的な国連調査の必要性を明確に示していると、アムネスティは改めて強調する。

TAKE ACTION!
アムネスティでは、こうしたクラスター爆弾の使用も含め、イスラエル軍/ヒズボラ双方による国際人道法違反に関する包括的な調査を求めるアクションを展開しています。日本をふくむ、国連安保理の理事各国に、早急に調査をするよう求めてください。

ウェブアクション

アムネスティ国際ニュース
(2006年8月31日)
AI Index: MDE02/021/2006

http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=187

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アナン氏、「ほとんどの停戦違反はイスラエル軍側」

2006年08月30日朝日新聞
 中東訪問中のアナン国連事務総長は29日、レバノンからイスラエルに移動し、ペレツ国防相と会談した。アナン氏は会談後の共同記者会見で「(14日の停戦発効以来)ほとんどの停戦違反はイスラエル軍によるものだ」と述べた。レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラが独自のウェブサイトで主張しているイスラエル軍の空爆や戦闘機の領空侵犯などについて、国連も同様の見方をしていることを示した。

 また、アナン氏はレバノン南部への国連拡充部隊の展開について、フランスやイタリアの増派が順調に進んでいるとし、「すでに配備されている2500人の部隊を比較的速やかに5000人にまで増やし、イスラエル軍が撤退できることを期待している」と述べた。

 これに対し、ペレツ国防相は「それなりの規模の国連部隊がそろえば、撤退できる」と語ったが、具体的にどれだけの人数を想定しているかは明らかにしなかった。AFP通信は、国防相が「まだ数カ月は駐留する」と述べたと報じた。

 このほか、アナン氏は30日に予定されているオルメルト首相との会談で、イスラエル軍がレバノンの海陸の封鎖を解除するよう求めることを改めて強調した。イスラエルは、イランからの武器がヒズボラに渡ることを警戒しており、国連拡充部隊が海陸も監視できる態勢が整えられなければ、封鎖を解除できないとの立場を示している。

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ホワイトハウスで広まる「悲観論」/日経

イスラエル・ヒズボラ戦争が及ぼすマイナスの影響

  • 2006年8月31日 木曜 

ホワイトハウスで広まる悲観論

 米保守系雑誌『Insight』誌は、ブッシュ大統領とチェイニー副大統領は、イスラエルがヒズボラ打倒に失敗したことに、「非常に落胆している」と伝えている。イスラエルの作戦が「失敗」に終わったことで、米国家安全保障会議(NSC)や国防総省内では、中東におけるアメリカのゴールを達成できるのだろうかという「深刻な悲観主義」が広がっているという。「ホワイトハウスは中東における米国の将来に関する暗い悲観主義で覆われている。誰もが『悪い連中』に決定的に有利な戦略的シフトが起きてしまっていると感じている」と同誌は伝えている。
 
 ブッシュ政権の中東チームは、今回のイスラエル・ヒズボラ戦争の結果が、中東全体に及ぼすであろうマイナスの影響に戦々恐々としている。「我々はこの影響が広範囲に及ぶと考えている。これは単なるイスラエルとヒズボラの領土をめぐる問題ではないのだ」と米政府高官を述べている。
 
 ラムズフェルド国防長官はすでに国防総省のスタッフに、「今回のヒズボラの戦術がイラク内のシーア派とスンニ派の宗派闘争にどのような影響を与えるのか」について早急に調査結果をまとめるよう指示している。米国防総省はまた、イランの支援を受けるシーア派民兵組織が、ヒズボラがイスラエル軍に対して使った対戦車ミサイルを使ってくるのではないかと警戒している。
 
 今回のイスラエル・ヒズボラ戦争の結果は、イラクの治安情勢やイランの核開発問題にも大きなインパクトを与えることになると見られている。米国は果たして対テロ戦争に勝てるのか、負けつつあるのではないか。そんな悲観的な見方がホワイトハウスで広まっている。



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1 コメント

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悪質停戦違反の (中でも)
2006-09-05 15:54:37
レバノン/イスラエル国境腺とは随分離れた北にイスラエル兵が民間人に変装して出没した事件は、特に忘れてはいけない。

恐らく、イラク同様の内乱状態を演出したい意志の現れ。

中東は全部繋がってます。
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