グリーン・ピース:米国の遺伝子組み替え汚染米が中東を脅かす/アラビアニュース

2006-10-23 22:10:13 | 世界
国際環境保護団体「グリーン・ピース」は、危険な遺伝子組み換え操作をしたアメリカのコメが中東市場に入り始め、米国との自由貿易協定が成立すればこれらの遺伝子組み替え農産物の市場開放が迫られると警鐘を鳴らしている。17日付のクドゥス・プレスが報じた。
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 グリーン・ピースは、「中東地域で販売されているコメには、ドイツのバイエル社の米国法人であるバイエル・クロップ・サイエンス社が、米国内で遺伝子組み替え操作で試験栽培を行なった違法な汚染米がある」と暴露した。

 同団体は発表した声明の中で、「遺伝子組み替えの証拠があるのに、米国はその輸出に固執している。現在米国と自由貿易協定の交渉を行なっているアラブ諸国が、米国産の遺伝子組替え農産物に対して市場開放を強いられるかも知れず脅威となっている。そうなるとこれらの国は、特別の場合を除き遺伝子組み替え食品の流通を規制しているEUや日本への輸出が出来なくなるかも知れないった」と語った。

ワシントンの食料安全センターに勤務する科学政策の専門分析官ビル・フレーズ氏は、「この問題え多くの国が影響を受けるのは明らかだ。それらの国々が脅威を感じるのは当然だ。遺伝子組み替え農産物が存在する現在、人間の健康にも環境にも予期せぬ影響が現れるかもしれない」と強調した。

一方、遺伝子組み替え技術に反対するグリーン・ピースの活動家のデーヴィヤ・ラジュフナンダン女史は、「中東における汚染米問題は、生産廃止や検査義務、輸入規制、及び多数の国からの注文ストップでがたが来ている米国のコメ業界に更なる痛打だ」と語った。

 「遺伝子組み替え農産物は危険であり、科学的に制御された農場実験とはとんでもない幻想だということが、現在では今まで以上に明らかになった。遺伝子組み替え農産物の生産や農場実験を容認している国はどこも、農場や流通業者、農産物が深刻な経済的、環境的問題を抱えている。唯一の解決策は(遺伝子組み替え農産物の)完全禁止だ」

 中東は世界第二の米国米の輸入地で、アジアへ食料を再輸出する主要な地域の一つでもあり、中東での汚染に起因するであろう深刻な波紋が世界に拡がっている。遺伝子組換え技術に反対するグリーン・ピースの活動家、ジェレミー・タージェル氏は、「汚染の度合いは緊急対応が必要なレベルに達し、汚染されたコメやその加工食品がどこの商店の棚にも置かれる可能性もある」と警告した。

タージェル氏は中東諸国の農業大臣に、「遺伝子組み替え米によって汚染されている可能性のある全ての製品を検査し、汚染米を栽培している全ての国からのコメ製品の輸入に厳しい規制を即時に出すよう」促した。

グリーン・ピースは、人間の食用として流通が許可されていないLL601という品種が、ドバイで見つかり、クウェートで売られている「アメリカン・ライスI.N.S.」が汚染されていると発表した。

米国商務省の統計によると、米国は世界の米業界の12%を支配しており、米国産の米に依存している国も多くあるという。

因みに、農業化学品業界大手のバイエル・クロップ・サイエンス社が生産する品種「リバティー・リンク602」は商業品種とされていないにもかかわらず、米国内で販売されている米の中で見つかっている。このことから、日本の米国米輸入業者は米国米の輸入を禁止された。「リバティー・リンク602」は世界中で消費・生産が許可されていない。

実際、最近起きたこの事件を受けて日本は米国からの細長型の米の輸入を禁止した。また、日本とEUは遺伝子組み替えに関する同様の事件によって米国からの農産物の種の輸入も禁止していることは注目に値する。

「バイエル・クロップ・サイエンス」社と「モンサント」社は遺伝子組み替え事業を推進する二大企業であり、この二社が国際コメ会議を後援しているため、この二社は自社の利益のために会議で作成される計画に影響を及ぼすことが可能な立場にいる。

http://www.qudspress.com/look/sarticle.tpl?IdLanguage=17&IdPublication=1&NrArticle=3576&NrIssue=1&NrSection=2

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗 転載は一日1記事、再転載は見出しと序文、URLのみに限定
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