中東ニュース 2011/09/27 No.617  TUFS「日本語で読む中東メディア」

2011-09-27 18:44:43 | 世界
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TUFS「日本語で読む中東メディア」
中東各国の新聞が報じた最近のニュース 2011/09/27 No.617
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■■アラブ諸国 アル・ハヤート紙から■■

◆2011-09-27 シリア:ヒムスで暗殺、複数の都市に軍侵入 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24098

◆2011-09-26 シリア:イドリブで作戦、逮捕 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24090

◆2011-09-25 シリア:ラーミー・マフルーフの会社3社を含むシリアの6企業に欧州の追加制裁 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24091

◆2011-09-24 中東諸国は年間1800万トンの紙を消費 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24067

◆2011-09-24 パレスチナ大統領、国連への正式加盟を申請し総会で演説 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24069

◆2011-09-24 シリア:制裁拡大…アル=アサド政権は「引き締め強化」 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24092

◆2011-09-23 シリア国営通信、「ダルアーで治安維持部隊が奇襲を受け5名死亡、17名負傷」 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24059

◆2011-09-23 シリア:ワシントン「アル=アサドは支持を失い、宗派主義的闘争の危険を冒している (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24093

◆2011-09-22 エジプト軍、「非常事態法は2012年まで継続」 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24049

◆2011-09-21 信仰の弱体化 グループ「ラーキン」はどこに? (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24035

◆2011-09-21 在サウジアラビア・リビア大使館、革命派に加わり同派の旗を掲揚 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24040

◆2011-09-21 サウジアラビア:「SAMBA(サウジ・アメリカン銀行)」取締役会会長、「功労」賞受賞 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24043

◆2011-09-16 コラム:東アラブの少数派、さながら絶滅危惧種のパンダの振る舞い (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=23986
東アラブ地域における宗派的・人種的少数派集団は、まるで自らが絶滅危惧種であるかのように振舞っている。最大限の保護を要求する一方、自らはパートナーシップにおける最低限の義務さえも免れようとしているからだ。

これらの少数派、特にキリスト教徒は、東アラブ地域に留まるための保障を望んでおり、さもなければ西洋へ移住し、この地域に残る者を文化的・文明的に置き去りにすると主張する。少数派を擁護する妄言は止まるところを知らず、そもそもキリスト教徒及びその他少数派の存在に代表される文明の多様性抜きにして東アラブ地域の存在意義はないと主張するに至っている。一般論として、何世紀にも亘って受容可能な水準での宗教的寛容性を特徴としてきたシャーム地方及び肥沃な三日月地帯において、一定の文化的・人種的な多様性・多元性を保持する事は適切であると言えよう。

しかし矛盾するのは、少数派集団が権力に到達し得た場合には、他者の排除や権力の独占といった考え方を放棄しない点である。イラクとシリアのバアス党体制の歴史は、政権を奪取した場合に少数派が陥る病弊の明らかな事例だと言えよう。1950~60年代のイラクにおけるバアス党と共産党の抗争は、アラブ民族主義や階級闘争を隠れ蓑にした宗派間の戦争であった。また70~80年代にシリアで発生した事件では、イスラエルや米国の攻撃に抵抗する必要性が前面に押し出され、宗派的な側面が埋没させられてしまった。

レバノンの一部のキリスト教徒指導者らの声明を読み、シリア革命における協力関係の構図を描いてみれば、根絶の危機に晒されることを危惧し政権における完全な取り分の獲得を要求する少数派が、地域情勢の成り行きの理解を大きく誤っていることを見て取るのはさほど難しくないだろう。急速に終焉へと近づく宗派主義体制を支持することによって少数派がその権利を確保することはできないのだ。

私は宗派間や少数民族との関係において深刻な危機が存在することを否定しようとしているわけではない。またアイデンティティーが調和し、明確な社会階級のみに分かれており、外国勢力の手先か愛国心が意識の中に根づいた人々だけが存在する社会という非現実的なイメージを描こうとしているわけでもない。言うまでもなく、宗派への帰属は過去においてもそうであったように当分の間は、個人や集団を分類するにあたって、またそれらの権力における位置付けや分配の過程において、重要な役割を担うことであろう。

ここに問題の核心がある。すなわち何を根拠にして権力の配分を行うべきかということだ。民主主義が多数派の少数派に対する支配に直接結びつくという不安は、正当かつもっともな不安だということを認めよう。一方で、レバノンとイラクにおける宗派間の権力分配のモデルが、実際には政府機能を麻痺させ、幅広い国民合意形成の可能性を破壊していることも認めよう。同様に、国民的かつ強力な司法機関と治安機関が構築され、市民社会が強化され、あらゆる自由が確立されていない状態で民主主義と世俗主義を結びつけることは、結果の予測できない冒険になるだろう。

その一方、少数派に対する過剰な庇護や保証は、彼らの利益を優遇するある種の差別につながる。レバノンでの明らかな事例や、イラクやシリアでの覆い隠された事例は、繰り返すべきものだとは思われない。

宗派間関係における問題の存在を否定することの危険性は、我々が抱える全ての危機を打開するための入り口は、宗派間関係における妥協だということに固執することの危険性に匹敵する。しかし、東アラブ地域における諸集団の間の問題については、各地域や国家で適用の可能な解決法は未だに見つかっていないと言わざるを得ない。悲劇的なことに、少数派集団の指導者らは、さながら絶滅危惧種のパンダのような振る舞いを他者が受け入れることを望んでいる。「為すことすべてが赦される」というわけだ。そして、「外の世界はすべからくパンダの機嫌に合わせて行動しなければならない、さもなければ…」というのだ。

控えめに言っても、このような態度では東アラブ地域の状況とも、現代世界のいかなる地域とも調和し得るはずがあるまい。


■■イラン マルドムサーラーリー紙、ジャーメ・ジャム紙から■■

◆2011-09-22 スパイ容疑のアメリカ人2名、5億トマーンで保釈:イランを退去 (Mardomsalari紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24087

◆2011-09-17 メスバーフ=ヤズディー、神学生らに広まる西洋文化の影響を警告 (Mardomsalari紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24066

◆2011-09-17 巨額横領事件、検察の捜査対象に (Jam-e Jam紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24077

◆2011-09-15 アフマディーネジャード「司法権は所属如何にかかわらず詐欺の黒幕を明らかにすべき」 (Jam-e Jam紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24076



■■トルコ ラディカル紙、ミッリエト紙、イェニ・シャファク紙、ザマン紙、ヒュッリイェト紙から■■

◆2011-09-26 エヴリヤ・チェレビー・シンポジウム、ドルマバフチェ宮殿で本日開催 (Hurriyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24085

◆2011-09-25 エルドアン首相、アフマディネジャド大統領と会談 (Radikal紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24080

◆2011-09-25 スィイルトのベレノルク村で6名の兵士死亡 (Yeni Safak紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24081

◆2011-09-25 アメリカを金融危機に陥れた忍者ローン、トルコにも (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24083

◆2011-09-24 トルコ、シリアに向かう武器は差し押さえる (Yeni Safak紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24073

◆2011-09-23 オランダ国会、極右政党議員のエルドアン侮辱発言で紛糾 (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24056

◆2011-09-23 PKK、スィイルト事件を謝罪 (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24065

◆2011-09-22 スィイルトで4名の娘たち、涙の葬儀―抗議とクルド語哀歌のなかで (Radikal紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24047

◆2011-09-22 平和民主党(BDP)、市民標的のPKKテロを批判 (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24048

◆2011-09-22 キプロスの探査開始へ対抗―北キプロスとトルコ、共同で地下資源探索へ (Zaman紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24057

◆2011-09-21 エルドアン首相、NYで記者会見「シリアとの接触は打ち切り」 (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24044

◆2011-09-20 学校に行きたい!―親を警察に通報した11才少年のドラマ (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24026

◆2011-09-20 トルコ政府、ギリシャ側キプロスの海底資源探索に猛反発 (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24027

◆2011-09-19 スティーブ・ジョブスの人生にアナトリアとの接点―11月に「伝記」、発売予定 (Radikal紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24020
11月に発売予定のスティーブ・ジョブズの自伝によると、養子のジョブズを育てた母「クララ・ジョブズ」がトルコで生じたアルメニア事件でアナトリアから米国へ移住したアルメニア人一家の娘であるとのことだ。

ガレージで創業、シリコンバレーで成長し、モデルとしたヒューレット・パッカード、ライバルのマイクロソフトやIBMを追い抜いた。市場価値3700億ド ルでテック業界のトップに躍り出た。iPodで音楽市場、iPhoneで携帯電話市場、iPadでタブレット型コンピュータ市場、Pixarで映画市場で事態を一変させた。これら全ての産業に指針を示したアップルの成功で最も大きな役割を果たした人物は、間違いなく創業者のスティーブ・ジョブス (56)である。

がんの進行の結果、CEOの地位を退いたスティーブ・ジョブズだが、プライベートの隠れた面やアップル成功の背後にある秘密を、ベンジャミン・フランクリンやアルベルト・アインシュタインの伝記を手掛けた自伝界の重鎮「ウォルター・アイザックソン」に打ち明けた。現在執筆中で11月21日発売予定となっている。自伝の発売と同時に、トルコでも同日 「ドミンゴ」出版よりトルコ語版が刊行される。

■「本当の私の家族」

消息筋によると、自伝の執筆にあたりジョブズと40回を超えるインタビューを敢行し、また、数章はジョブズ自身の言葉で執筆されており、導入部分でトルコに関する重要な記述がみられる。ジョブズの家族に関する箇所である。

周知のとおり、スティーブ・ジョブズは生後間もなく生みの親から養子に出され、受入れ先の家庭で育った。スティーブ・ジョブズは、生みの親を今日まで単なる生物学的な有精卵子銀行とみなしており、育ての親を本当の親と考え、(生みの親)と面会を行わなかった。以前、ジョブズの父から「コーヒーでも飲みに行 こう」と誘いがあったが応じなかった。

■アナトリアから米国へ移住

スティーブ・ジョブズとアナトリアとの繋がりは、育ての母の過去にある。ポール、クララ・ジョブズ夫妻に育てられたスティーブ・ジョブズだが、クララの実名は「クララ・ハゴピアン・ジョブズ」…。

スティーブ・ジョブズの自伝で語られているところによると、クララは、1915年に生じたトルコでのアルメニア事件の後、米国へ移住した家族の子である。

クララの父ルイス・ハゴピアンは1894年マラトゥヤ生まれ、母ヴィクトリア・アルティニアンは1894年イズミル生まれ。情報によると、オスマン朝期にアナトリアで過ごした後、米国へ移住した家庭の文化で育ったクララ・ハゴピアンによりスティーブ・ジョブズは育てられたことになる。

一家の過去に関しインタビューに応じたトルコ・アルメニア主教座教会精神評議会の議長で聖職者の代表であるタトゥル・アヌシヤンは、当時に関する記録を調べることは不可能であり、入手可能な記録も公式のもの以上に伝え語りのものから成り立っていると述べている。

■未だ執筆中

「誇りに思わない一連の事をやってきたが、隠すようなことはない」と語るスティーブ・ジョブズは、自伝を著すウォルター・アイザックソンや自伝の内容に口をはさまない、と約束している。

現在執筆中で最終的に600ページに到達すると言われているスティーブ・ジョブズの自伝は、発売前にも関わらずアマゾンドットコムでは最も売れているカテゴリーに入っている。米国では初版で50万部発行される。

「スティーブ・ジョブズ」自伝の著者ウォルター・アイザックソン氏はアスペン・インスティテュートCEO、CNN会長、Time誌編集長を歴任。ベンジャミン・フランクリン、アルベルト・アインシュタイン、ヘンリー・キッシンジャーの伝記を手掛けた。

■ブラックベリーのCEOも移住したイスタンブル出身のギリシャ人

テック業界では、過去にトルコとつながりのある人物が別にいる。ブラックベリーで知られているマイク・ラザリデスである。カナダのRIM社の製品ブラックベリーが用いる技術の大元にいるマイク・ラザリディスは、1961年3月14日イスタンブルのパンガルトにて、ギリシャ系の家庭の子供として生ま れた。6歳までイスタンブルで暮らし、1967年家族でカナダへ移住した。ウォーターロー大学で電気工学を学んだが、4年時に中退した。1984年 RIM(Research In Motion) 社を起業、iPhoneが市場に出回るまで業界で最も急激に成長した同社は、2008年市場価値が1000億ドルを突破した。その後下降し、RIMの市場価値は200億を割り込んだ。同社CEOのラザリデス氏の資産は20億ドルに迫る。


◆2011-09-17 問題は交渉の事実ではなく、その内容―MİT-PKK秘密折衝テープ漏えい (Radikal紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24001

◆2011-09-17 コーラン教室の年齢制限撤廃 (Hurriyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=24002



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