この春の草はおとなしかった。
ためらっていたかのよう。
それでも、5月の半ばをすぎると、田や畑の周り、通路など
草を順次刈っていく。
その場所場所に応じて、生えている草の種類、育ち具合も異なる。
旺盛なところ、貧弱なところ。
湿ったところ、乾いたところ。
柔らかい草、硬い草。
外来のおおげさな草、在来のやさしい草。
草はさまざまな表現をしている。
土地を映している。
これを見る力が、百姓には求められるかとおもう。
野菜も穀物も草本植物。
草を抑えたい場所からは、頻繁に刈り、刈った草を運び出す。
次第に草の生え方がおとなしくなるが、すきあらばあっという間に勢いは回復する。
刈った草を、畑の畝の間、野菜の根元に敷く。
畑の湿り気を保ち、草と土の間の空間では、ムシや微生物や菌類の住処になり、
野菜の根も浮いてくる。草は土になり、境目はあいまい。
この国では、むき出しの土には草が生えてくる。
作物を育てるのはこのステージ。
草の世界のおつきあい。
伸びる草に追われて刈ってきたが、最近すこし草の大切さを感じている。
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4/18は種、天候の関係で4/20苗伏せ(プール育苗開始)。
低温傾向の中、初期は控えめな生育でしたが、葉の展開、丈、分けつと
進んできました。
もう、田植えの準備に入らなければいけません。
タネモミは自家採種。苗も無農薬無化学肥料で育苗します。
例年、肥切れぽっくなって最後の1週間は田んぼの移して、
田から養分吸収をさせていたのですが、この分ではその手間は
省けそうです。
というのも、今年から稲の育苗用の肥料を岩手県花巻にある
(有)花巻酵素さんのものに変えました。
今のところ、よすぎるくらい良好です。それでいて固めなので軟弱にも
なっていないでしょう。
分けつが進みすぎて田植機で植え痛みしないかが、気がかりです。
今日、雨があがったら、植え代かきです。
田んぼの見回りなど、早朝、軽トラで走り回ることが増えてきました。
通勤の車が増える前のひと時は、なんとも静かな時間です。
朝をどう迎えるか?それで人生変わってくるかも。
カーブミラーは、休まず道の先を映しながら、影絵を描いている。
ようやく畑の作物の動きが、日に日に目に見えるようになってきました。
寒さのせいか、作物も草もおとなしい春でした。
それでも、5月には入ってからは気温の低めの日は結構あったものの、
強い霜があった日はなかったように思います。
写真は両方とも、1週間ほどまえの13日。
小麦は穂を次々と出し、キャベツなども葉を広げています。
次の雨で、一段と生育するでしょう。
小満の今日は、30度を越えすっかりあたたかい空気に満ちた感じでした。
気温の低いうちは、保温、霜対策で、不織布製のシート(商品名=パオパオ)
、さらにビニールを併用したりして作物を養生します。
霜の心配もほぼなくなり、保温シートは撤去しています。
代わって、防虫ネットを掛けます。
生育が順調であれば、アオムシその他の食害も受けにくいのですが、
ネットをもっている分は、使用しています。
成虫が産卵できない分、効果は大きいですから。
畑の周りの草刈も順次、始めました。
太陽に向かって、前傾姿勢のタマネギ。
当地では、信州の寒さに加え、乾燥する場合があり、
数年前から、タマネギにマルチを使用。
有機栽培で肥料も控えめなので、ゆっくり玉になっていきます。
バカデカイ玉にはしません。
その分、しまって味がして、貯蔵性もいいです。
微かなあめ色のつやのある、おいしいタマネギが待ち遠しい。
大丈夫かな?
手前のホウレンソウの跡地では春の草が伸びきって、そろそろ結実の時。
なずな(ぺんぺんぐさ)のハート型の実の付き方とか、ぐっと引き込まれる
精巧な配列。
しろい~すいぃとーぴぃ~。白い花がかわいらし。
キヌサヤとスナップインゲンの畦です。
ここ数年、春に直播、トンネル後、ネット設置という手順でしたが、
初期に寒さなどで生育不良になったり、欠株がでたりと
思わしくないの結果でした。無マルチでした。
ことしは、同業者の友人の方法を参考に、育苗・移植に
変えてみました。
あと、マルチも使用しました。
寒い春ですが、今のところ順調のようです。
収穫が大変~という悲鳴が上がるほど成ってほしい。
出荷案内のハガキ(マンガ付き)が出来ました。
はるばる農園、「季節のお野菜セット便」のお客様、
お待たせしました、6月からの出荷予定を記入してお送りします。
息子がかあちゃんのズッキーニ苗の鉢上げを手伝っていて、
「ふたばは、太陽光パネルだね。」と、いったとか。
その時そうおもったのか、どこかできいてきたのか。
でも、ウリ科の双葉は、翼のようにたちまち大きく広げて、
成長の足がかりのエネルギーを早速受け止め、変換していくよう。
ひと目で、そのはたらきを感じられるような気がします。
(写真はキュウリ。今年は、発芽寸前のところ、ネズミにほじくられ
播き直しをしました。くー。温床によくノラ猫が侵入してたのは、
そのせい?)
転換が求められる自然エネルギー。
考えてみれば、太陽光・風力・水力・波力、そしてバイオマスも
もとは地球に届いた太陽光エネルギー。
ここに、地球自体の地熱のエネルギーが作用もしているのかな。
太陽光の大本、太陽は核融合反応でエネルギーを発している。
核なんですね。
やはり、核は宇宙の神サマの領域。
人は核の火をつけても、思うように消せない。
(地球の熱のもとをちょっと調べると面白いことがでてきました。
地球ニュートリノとか、原子炉ニュートリノとか、、、面白い。。。)
準備万端、水口の板を外し、春の水を誘い込む。
反射する陽射しが、にこやか、にぎやか。
水が入って、代かきをして、土が泥になる。
たんぼはじっとしている。
そして、少しずつ目覚めていく。
いきものたちが、産まれるし、集まるし、育まれる。
目に見えないものたちも活発になっていくのだろう。
たんぼはそうして、稲を育む力を高めていく。
田植えはもう少し先。