はるばるブログ@信州四賀の里山暮らし

日々季節を送る農の暮らしは、まるで旅人です。田んぼに畑に、土手に畦、山川草木に虫の気配、花鳥風月、私の視線。

あかまんま弁当

2006-10-31 06:04:33 | 有機の畑


日曜日にまたまた子供を道連れに畑仕事。
この日は、たまねぎ苗をさくる(掘り起こす)仕事。

穏やかな秋晴れで、仕事をしていも気持ちいい。
子供たちも「ちょい手伝い」をしながら仲良く遊んでいた。

そんな時、掘り起こした後のさらさらの土を使っての「おままごと」に
スイッチが入ったようで、料理の「注文聞き」がくる。

結局、ものすごい熱中して「料理」を作り続けていた。
その夜、お風呂でもムスコは「あー、今日のおままごと、楽しかったっ!」と
思い出し笑いをしていたというので、相当だったようだ。
子供のツボは、わからない。



たまねぎは、この時期、植え替えて、来年の梅雨のはしりの頃、収穫。
今年は昨年の冬雨がなく、不出来だったので、気合を入れて管理していきたい。

熟れ落ちた果実には種子がある

2006-10-29 07:31:31 | 時には寄り道

なんか、最近おかしい。
世の中が変だ。とは深夜ニュースで有名ジャーナリストも繰り返し言っている。
なにか考えよう、行動しようとおもっても糸口が見えない。
そもそも、糸口を定めようと方目をつむって、自分はどこに立っているのか。


野菜便を出荷するとき、束ねた野菜を包んだり、箱の中敷などに新聞紙を
使っている。
新聞店で未読の余剰分を時々まとめてもらってくる。「残紙」と呼ばれている。
仕事中わき見で、記事に目がいくこともしばしばなのだが、昨年まで信濃毎日新聞で
哲学者の内山節(たかし)さんが連載をされてるのを見つけた。
わき見で知った連載だが、その新聞は購読してないので気に留めておいた。
最近、それが単行本として出版された。待っていました。



連載時は『哲学の構想力―「仕事」をめぐって』というタイトルだった。

群馬県の山村にも居を置き、畑を耕し渓流に竿を振る著者は、
仕事とは何かという問いに、自然・文化・地域・歴史などの諸関係を
照らし合わせながら、読むものを思想の波打ち際に導いてくれる。

もし、世の中の現状に違和感を、将来に漠然とした不安を感じているなら、
この書を手にすることをお勧めする。
文体は相変わらず、読むものへの配慮が伺え、わかりやすくやさしい。

とにかく、いま私たちは高度な資本主義の制度の中にいる。
これに、付き合っていけているのか、呑み込まれているのか。

私は強くもないので、体制に、反戦に真っ向から向き合おうなどできない。

今は、それもよりも、この国の超リアルそのものの山河に息づく花鳥風月
へのまなざしを大切にしたい。
これは、内山さんともご関係のある福岡の農業指導者で百姓の宇根豊さんに
蒔かれた「種」である。


付け加えると、紹介した連載時に毎回、樋勝朋巳さんの銅版画も掲載されていた。
目を留めるきっかけとなったこの作品群は、いいなあ、と思う。
どうやら、この夏、県内で展覧会があったらしい。逃した。機会があれば是非と
思っている。


極小カエル

2006-10-28 06:31:21 | 農と生きもの達



1週間ほど前になるか、ぬかるんで稲刈機が入れない田んぼの一隅を
手で刈った。

わずかな面積なのだが、手間が掛かる。
と腹を立てれば損なので、少しは「手刈りの感触もいいもんだ。」と
楽しんでみる。

まだ、足を入れればもぐりこむほどの状態で、「田んぼで転ぶ」という
事態にはならぬよう最新の注意で。

かあちゃんが、長靴を泥から引き抜きながら一歩一歩進むと
「長靴の中で、靴下脱げてきたぁ~。いま、つま先だけ。」
と、情けない悲鳴。ソフトな拷問だそれは。



そんな時、小さなカエルを見つけた。

トウキョウダルマガエルだ。おたまじゃくしから変態したばかりなのだろうか。

小さめなので、おたまじゃくしのとき栄養が少なかったのか?
遅くに産卵し田んぼの水がなくなってきて、何とか変態したのか?

こんな小さな体で冬眠できるかな。

眼が金色に黒丸ちょんで、カワユかった。


きょうだい芋

2006-10-26 23:21:49 | 有機の畑



ムスコはすぐ「3人きょうだい~」とか言います。
たくさんだと、「おとうさん、おかあさん、○ちゃん、○○っ。」と
家族になぞらえます。

姉が先に来るんだなあ、そんなときでも。
弟は、生まれつき弟。
姉は、あるとき姉に追い込まれる。(なりきる?)

先日芋ほりしました。


猛暑は昔

2006-10-25 21:57:47 | 有機の畑



小春日和に野菜も和んでいるよう。

しかし、今畑にある秋・冬野菜の育苗、種まきの頃、
連日の猛暑、雨もない。苗間にはキスジノミハムシが大発生。

あれはいったいなんだったのか。
苗が不足して、畑に作付けした数も少し足りない。
この冬は、早く出荷終了となるかもしれない。

もうしばらく、穏やかな秋が続いてほしい。いつまでもとはいかんでしょうから。

(写真はチンゲンサイ。小さな苗を植えて育てます。元気のない苗を、カラカラの
畑に水を注すようにして植えた。ダメかと思ったが、よくぞここまで。結構寒さに
強いです。)


アマガエルの小春

2006-10-23 23:29:56 | 農と生きもの達



今日は久しぶりに雨が降り出したが、このところ穏やかな小春日和が続いた。
紅葉もじんわりと山から下りてきている。穏やかな秋。今のところ。

そんな日中、アマガエルはどういうタイミングでか、「グワァグワァグワァッ」と鳴く。
少なくなったアカネ達がふわりと飛んでいる。

秋だなあ。今年はどうだったかなあ。もうすぐ冬だなあ。と何度も思う。

カエルたちはじきに冬眠する。思う存分、この光を味わっているのかもしれない。


雨ごとに秋が深まるが、夜間、濡れて黒くなった路面に幾匹ものカエルが出ている。
冬眠場所へ移動しているのだろう。残念ながら、つぶれているものも多い。

身一つで生きるというのは、どんな感じだろうか。カエルくんよ。


光るカメ

2006-10-22 21:58:56 | 農と生きもの達



屁っこき虫なんて呼ばせないインパクトのあるボディ。

貴金属の光沢を思わせる色彩は、秋の日差しでなお輝く。
腹は真っ赤なんです。
このイカツイ「肩」はなんでしょう。
ツノアオカメムシというカメムシの仲間です。

昆虫とは、不思議がいっぱいです。

今年は、所属しているひと・むし・たんぼの会でカメムシを
テーマにして勉強している。


野菊の野

2006-10-21 23:26:50 | 季節のうつろい


少し前の写真になるが、この時期楽しみにしている風景なので。

野菊の風情が好きである。
男でこの年で、地味である。滋味と思うか。

この頃の秋の野菊は、光あふれる中にあるのがよい。
それでいて、葉陰とのコントラストもよい。
何かずっと昔からの時間を流れている空気を感じるようで。



写真はいちいち葉のざらつきや地際の葉を見たりしなかったが、ノコンギクだろう。
(061009 撮)


妙な特技

2006-10-16 23:45:11 | 農と生きもの達



長女はどういうわけだか、オツネントンボ採りの名人。
あっという間に、わらわらと。

その名のとおり、成虫で冬を越します。

よく似た、ホソミオツネントンボともに、この時期、草むらや茂みで
よく見かけます。

田んぼでたくさん繁殖するイトトンボの仲間です。


米袋ステージ

2006-10-16 06:11:12 | 農と生きもの達


脱穀をしていて、いっぱいになった米袋(コンバイン袋と呼ぶ)は、
作業が終わるまで田に置いておいて、作業をどんどん進める。

だから、ハザ木に沿って、機械の通過した傍らに、ぽんぽん、ポン、と
米袋がならぶ。

午後の日差しを浴びて、ほんわか光っているようなそれに、赤とんぼが
羽を休めている。というより、体を温めているのかもしれない。

この時期田んぼで見られるトンボは、アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボくらいで
いずれも赤とんぼの仲間。
動きもゆっくり。

秋深まる中、日差しの中で活動する虫たちは、もうすばやく逃げたりせず、
悟りの開いき命を全うする姿のようで、少し神々しい。