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南極ラーセンB棚氷の危機 アル・ゴアへの再評価も

2015年05月28日 | 地球環境・温暖化・気候変動
地球温暖化に警鐘を鳴らしたアル・ゴア元副大統領。ノーベル平和賞を受賞しながらも、賛否両論、批判を受けた時期があるわけですが。
急速に進む気候変動、自然が答えを教えてくれた形。





私どもは、アル・ゴアに縁もゆかりもありませんが、高いパワーの方で強いエネルギーを感じていたので、一貫して支持してきました。
ある時期、叩かれ続けたアル・ゴアですが、決して自分の野心や欲望のためではなく、真にこの世界を守りたいという使命感だけで活動してきたこと、理解していただきたいです。
本文に入る前に、彼への誤解をとくためにも、彼について少しだけ書かせてください。m(_ _)m

 

学生時代、環境問題を学ぶ機会のあったアル・ゴアは、地球温暖化に早くから危機感をいだき、政治家をやめた後も警鐘を鳴らし続けた。
CO2を出し続ける化石燃料に頼る文明を批判した上に、闇雲な原発否定論者ではなかったせいで、ネットでは原発利権屋だというレッテル貼りされ拡散された。
(しかし、3.11が起こる前は、ほとんどの日本人だって、アル・ゴアと同じスタンスではなかったろうか?)
彼は原発は否定しなかったけれど、過渡的なエネルギーとして理解を示しただけで、推進の立場では全然なかったのに…
アル・ゴア著「私たちの選択」

でも、南極大陸のカナリア、棚氷ラルセンBの崩壊が、やはりアル・ゴアの警告通りだったことがわかっても、今となっては虚しいだけ。
論争よりも現実。深刻な「地球温暖化と気候変動」という現実は、何も言わずに、そこに存在するだけ。

いずれにしろ、世界を牛耳る人類は、「経済」というシステムを作り、そのじゃまをするものを排除することを、ずっと繰り返してきた。
CO2の削減は、経済活動の退行を意味するわけで、アル・ゴアはまず石油メジャーからバッシングを受けた。
経済至上主義のアメリカで、対抗する勢力を納得させるため、彼はCO2削減が経済活動の邪魔をしないという論証を示す必要があった。ゆえに「温室効果ガスの排出権取引」なども評価したため、ストイックな自然保護派からも誤解され批判された部分もあった気がする。

 

命とお金、自然環境とお金、動植物とお金、天秤にかけてはお金を優先させる。
いい加減もう気づいて、自然に対してもっと謙虚さをもつべきではないか。経済システムなんて、誰かのまやかしだ。
私たちが生物として、この宇宙空間で、今、唯一生きられるこの地球という惑星の重さを知るべき。


では、本文。5月24日の東京新聞木村太郎氏のコラム『太郎の国際通信』より。

再評価ゴア元副大統領

 「アル・ゴア(元副大統領)は正しいのかもしれない」

■南極の棚田消滅危機

 14日の米航空宇宙局(NASA)の発表に接してそう思った。それは、南極半島にあるラルセンBという棚氷が数年中に崩壊して消滅するというものだ。
 棚氷というのは陸上と連結している海上の氷のことで、南極大陸のそれは広さが160万平方キロで日本国の面積の4倍余りもある。
 その一つのラルセンBは2002年に一度大崩落したのだが、残りの約1600平方キロも亀裂が生じて、数年中に大陸から切り離されて消滅するだろうとカリフォルニア州バサデナにあるNASAジェット推進研究所が予測した。

■映画「不都合な真実」

 この発表でゴア元副大統領を連想したのは、同元副大統領が出演したドキュメンタリー映画「不都合な真実」の中でこのラルセンBが、炭鉱内で毒ガスを感知するとさえずるのをやめて危険を知らせるカナリアのように、地球温暖化の危険を知らせるものとして挙げられていたからだ。
 同副大統領は、棚氷が消滅することで大陸上の氷も歯止めを失い海に落下して解けることになるが、陸氷が解けると海水が増加して海面上昇につながると警告した。
 「同様に南極大陸西部の氷が解けると、海水面は20フィート(約6メートル)上昇して世界中で陸地が侵食されるでしょう」
 「不都合な真実」は07年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞、アカデミー歌曲賞、またゴア元副大統領は環境問題を啓発したことで同年ノーベル平和賞を受賞した。

■英で上映めぐり訴訟

 これに対して地球温暖化否定論者からの反論が巻き起こり、英国ではこの映画の学校での上映禁止を求める訴訟も起こされた。
 英高等法院は07年10月、この映画には9ヶ所に誤りがあると指摘し、上映にあたっては配慮すべきだという判決を下した。その9ヶ所の誤り中に「20フィートの海面上昇」もあった。
 「氷の氷解が大量の水を放出することになるのは確かだろうが、それは数千年先のことだろう」
 判事はこう述べて「この指摘は極めて人を惑わす」と断じた。
 この判決をきっかけに、この映画やゴア副大統領に対する信頼感が揺らいだだけでなく、地球温暖化への危機感も薄らいだように思えた。

■判決より氷解速く
 
 しかし、NASAの研究者はラルセンBと大陸との裂け目の拡大の速度から見て、棚氷は20年頃に大陸から分離して消滅し、その後陸地の氷河は速いペースで海面に滑り落ち、海面上昇をもたらすことになると今回あらためて予測した。
 「炭鉱のカナリア」は「数千年先のこと」ではなく、実はもっと近い将来の危険を察知してさえずるのをやめたのではないのか。
<木村太郎、ジャーナリスト>


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「棚氷が分離消滅したあと、陸の氷河が速いペースで海面に落ち、20フィート(約6メートル)海面上昇をもたらす」ということが、数千年後のことでなく、2020年頃から始まるのなら、たった5年後のことである。
まるで、悪い占い師の予言みたいで滅入ってくるが、現実である。
でも、最悪を想定し、準備することは危機管理の上でも必要なこと。海に囲まれた日本列島のリスクはまた、一つ増えてしまった。
オリンピックも原発も、気候変動や海面上昇を含めて、考え直さないといけないと思います。


★関連サイト

Antarctica’s Larsen B Ice Shelf: The Final Act


 南極大陸の棚氷が終わろうとしている(GIGAZIN)

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