以前、2008年のニュースですが、チェルノブイリで放射線を食べる菌が見つかったという情報をご紹介したことがあります。
こちら→チェルノブイリで放射線を食べる菌が見つかる(デジタルマガジン)
ただ、情報元が、3年前のフォックスニュースだけだったので、いまいち信用していいのか迷いがありました。
それが、最近になって、やはり放射線に菌(バクテリア)が有効ではないかということを、立て続けに見た2冊の本の中で書かれていたので、ちょっと嬉しくなって、ご紹介したいと思います。
(ローズクォーツさんも、コメント欄で指摘してくださいました。)
もちろん、だから原発維持でも大丈夫、という意味ではなくて、あくまでも「脱原発まずありき」なのは言うまでもありませんが。
おどろおどろしいタイトルで、ビビります・・・。ヾ(;´▽`A``アセアセ
題名と違って中身は、実体験あり、かなりリアルな「今」の現状とリンクした内容のものです。
この本のサブタイトル通り、日本を救う金と菌の、バクテリアの方の「菌」と放射性物質の除去について書かれていたこと、抜粋します。(p190)
…このように、バクテリアには生命体本来が持っている免疫力を引き出したり、病原ウィルスを攻撃したり、殺したり、あるいは土壌そのものを除染したり、改善するという能力があるのです。
土壌汚染を生物の除染能力を応用して浄化処理し、原状回復することを「バイオレメディエーション」といいます。
有名なものでは、チェルノブイリ原発周辺の土壌改良プロジェクトでしょう。チェルノブイリ原発事故ではセシウムとスロトンチウムという、放射性物質が大量に放出されました。
事故後、10年も過ぎますと、チェルノブイリの土壌深く、30~40センチまで放射性物質が浸透しています。菜の花やヒマワリの種には、セシウムやストロンチウムを吸着する性質がありますから、菜の花を植えれば菜種が汚染土壌から放射性物質を吸着し、それを何度も何年も繰り返せば、大地を再生できるのではないかという仮説が生まれたのです。
このプロジェクトは成功しています。そして、福島第一原発で汚染された地域の土壌回復にも活用しようと、農水副大臣が取り組もうとしましたが、チェルノブイリは地中深くに放射性物質が浸透してしまったので、この技術の効果が発揮されたわけです。
福島第一原発事故からまだ半年、せいぜい深さ5~10センチでしょう。ならば、菜種やヒマワリよりもバクテリアを散布して広く浅く放射性物質を除染してしまえばいいのです。
バクテリアはそのくらいの能力がありますし、すでに各国ともどのバクテリアが一番吸着するかを研究開発しているはずです。これは何年もかかりません。比較的早く結果を出せると思います。というのも、すでにチェルノブイリ原発事故の時から研究が進んでいるからです。
日本原子力研究開発機構が納豆菌やナットウキナーゼを研究しているのはなぜかといえば、こういう用途への開発もできるのではないか、と考えているからに違いありません。
2冊目は、土壌のバクテリアと言えばご存知、木村秋則さん。
相変わらずいい笑顔が表紙のこの本です。(前の記事でも、すでに2度ご紹介しています。)
精神性の高い共感できる言葉、何度もうなずきまくってしまうのですが、加えて市井の農学博士でもある木村さんの新たな知識や情報も多くて、とても勉強になるのです。
土の中には、数万種類それ以上、無数のバクテリアがおり、その可能性について、木村さんは、以下のように書かれています。(p150)
また、2000年の三宅島の大噴火のことを例に出して、木村さん自身、原発事故の後の放射性物質の除去にも、バクテリアがかなり有効ではないかと見ているそうです。
三宅島が再び住めるようになるには、当初、50年かかるといわれていたのですが、実際には、5年弱で退避命令が解除されました。(p184)
くしくも同時期に読んだ、上記2冊の本から、バクテリアの可能性や希望が見えてきました。
ただし、たとえそうであるとしても、今すぐどうするということではないし、ましてや、原発容認の理由にはならないということだけは、はっきりとつけくわえるとして。
また、10月11日、青森沖46万年前の地層から、生きた微生物が大量にみつかったという驚くべきニュースが・・・!
地球の内なるすごさ不思議さは、まだまだ人類には未解明なことだらけです。なにせ、母なる地球の営みは46億年。人類なんかは、昨日今日生まれたばかりの赤ん坊ですからね。
(写真:共同通信)
試練は逃げれば、どこまでも追いかけてくる・・・私の狭い経験で恐縮ですが、そう思うのです。
あきらめないで、向かい合い、力を合わせて、乗り越えてゆく道があるのだと信じています。
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自然は回復する 水俣からチェルノブイリそして・・・
こちら→チェルノブイリで放射線を食べる菌が見つかる(デジタルマガジン)
ただ、情報元が、3年前のフォックスニュースだけだったので、いまいち信用していいのか迷いがありました。
それが、最近になって、やはり放射線に菌(バクテリア)が有効ではないかということを、立て続けに見た2冊の本の中で書かれていたので、ちょっと嬉しくなって、ご紹介したいと思います。
(ローズクォーツさんも、コメント欄で指摘してくださいました。)
もちろん、だから原発維持でも大丈夫、という意味ではなくて、あくまでも「脱原発まずありき」なのは言うまでもありませんが。
おどろおどろしいタイトルで、ビビります・・・。ヾ(;´▽`A``アセアセ
題名と違って中身は、実体験あり、かなりリアルな「今」の現状とリンクした内容のものです。
この本のサブタイトル通り、日本を救う金と菌の、バクテリアの方の「菌」と放射性物質の除去について書かれていたこと、抜粋します。(p190)
…このように、バクテリアには生命体本来が持っている免疫力を引き出したり、病原ウィルスを攻撃したり、殺したり、あるいは土壌そのものを除染したり、改善するという能力があるのです。
土壌汚染を生物の除染能力を応用して浄化処理し、原状回復することを「バイオレメディエーション」といいます。
有名なものでは、チェルノブイリ原発周辺の土壌改良プロジェクトでしょう。チェルノブイリ原発事故ではセシウムとスロトンチウムという、放射性物質が大量に放出されました。
事故後、10年も過ぎますと、チェルノブイリの土壌深く、30~40センチまで放射性物質が浸透しています。菜の花やヒマワリの種には、セシウムやストロンチウムを吸着する性質がありますから、菜の花を植えれば菜種が汚染土壌から放射性物質を吸着し、それを何度も何年も繰り返せば、大地を再生できるのではないかという仮説が生まれたのです。
このプロジェクトは成功しています。そして、福島第一原発で汚染された地域の土壌回復にも活用しようと、農水副大臣が取り組もうとしましたが、チェルノブイリは地中深くに放射性物質が浸透してしまったので、この技術の効果が発揮されたわけです。
福島第一原発事故からまだ半年、せいぜい深さ5~10センチでしょう。ならば、菜種やヒマワリよりもバクテリアを散布して広く浅く放射性物質を除染してしまえばいいのです。
バクテリアはそのくらいの能力がありますし、すでに各国ともどのバクテリアが一番吸着するかを研究開発しているはずです。これは何年もかかりません。比較的早く結果を出せると思います。というのも、すでにチェルノブイリ原発事故の時から研究が進んでいるからです。
日本原子力研究開発機構が納豆菌やナットウキナーゼを研究しているのはなぜかといえば、こういう用途への開発もできるのではないか、と考えているからに違いありません。
2冊目は、土壌のバクテリアと言えばご存知、木村秋則さん。
相変わらずいい笑顔が表紙のこの本です。(前の記事でも、すでに2度ご紹介しています。)
精神性の高い共感できる言葉、何度もうなずきまくってしまうのですが、加えて市井の農学博士でもある木村さんの新たな知識や情報も多くて、とても勉強になるのです。
土の中には、数万種類それ以上、無数のバクテリアがおり、その可能性について、木村さんは、以下のように書かれています。(p150)
2010年、NASAが「ヒ素を食べるバクテリアが存在する」と発表しました。猛毒のヒ素を食べるバクテリアがいるのなら、ほかにも人間にとって重要な働きをするバクテリアがいてもいいはずです。
今、組織培養をして作物や食肉牛を増やすバイオテクノロジーの研究が盛んに行われています。それよりも自然な状態で畑の土を豊かにしてくれるバクテリアの研究を進めてゆけば、肥料も農薬も使わない安全な野菜作りがもっと普及してゆくのではないでしょうか。人為的な操作で作物や食料を増やすより、自然の力を利用して生産した方が安心して食べられるものができるはず。
今、組織培養をして作物や食肉牛を増やすバイオテクノロジーの研究が盛んに行われています。それよりも自然な状態で畑の土を豊かにしてくれるバクテリアの研究を進めてゆけば、肥料も農薬も使わない安全な野菜作りがもっと普及してゆくのではないでしょうか。人為的な操作で作物や食料を増やすより、自然の力を利用して生産した方が安心して食べられるものができるはず。
また、2000年の三宅島の大噴火のことを例に出して、木村さん自身、原発事故の後の放射性物質の除去にも、バクテリアがかなり有効ではないかと見ているそうです。
三宅島が再び住めるようになるには、当初、50年かかるといわれていたのですが、実際には、5年弱で退避命令が解除されました。(p184)
誰が一番働いてくれたかというと、バクテリアです。
噴火後の三宅島では、硫黄を食べるバクテリアが急激に増えました。そのバクテリアたちのおかげで予想の10倍の早さで、硫黄が分解され、島を安全な環境に変えたのです。
バクテリアの研究はまだまだこれからです。今はまだ発見されていないバクテリアの中に、もしかすると放射性物質を分解するバクテリアがいるかもしれません。その確率はかなり高いと思います。
噴火後の三宅島では、硫黄を食べるバクテリアが急激に増えました。そのバクテリアたちのおかげで予想の10倍の早さで、硫黄が分解され、島を安全な環境に変えたのです。
バクテリアの研究はまだまだこれからです。今はまだ発見されていないバクテリアの中に、もしかすると放射性物質を分解するバクテリアがいるかもしれません。その確率はかなり高いと思います。
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くしくも同時期に読んだ、上記2冊の本から、バクテリアの可能性や希望が見えてきました。
ただし、たとえそうであるとしても、今すぐどうするということではないし、ましてや、原発容認の理由にはならないということだけは、はっきりとつけくわえるとして。
また、10月11日、青森沖46万年前の地層から、生きた微生物が大量にみつかったという驚くべきニュースが・・・!
地球の内なるすごさ不思議さは、まだまだ人類には未解明なことだらけです。なにせ、母なる地球の営みは46億年。人類なんかは、昨日今日生まれたばかりの赤ん坊ですからね。
(写真:共同通信)
■46万年前の地層に微生物 青森沖の海底深く
2011年10月11日 09時04分 東京新聞
青森県・八戸沖の海底下にある約46万年前の地層から、生きた微生物を大量に採取することに海洋研究開発機構などのチームが成功し11日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。微生物は極めてゆっくりエネルギーを消費しており、チームは「過酷な環境を“超省エネ”で乗り切っているのだろう」としている。
チームは06年、地球深部探査船「ちきゅう」で八戸沖約80キロの水深約1200mの海底を掘削。海底から深さ約200mの約46万年前の地層から、1立方センチ当たり1千万個を超える単細胞の微生物を採取して培養した。
2011年10月11日 09時04分 東京新聞
青森県・八戸沖の海底下にある約46万年前の地層から、生きた微生物を大量に採取することに海洋研究開発機構などのチームが成功し11日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。微生物は極めてゆっくりエネルギーを消費しており、チームは「過酷な環境を“超省エネ”で乗り切っているのだろう」としている。
チームは06年、地球深部探査船「ちきゅう」で八戸沖約80キロの水深約1200mの海底を掘削。海底から深さ約200mの約46万年前の地層から、1立方センチ当たり1千万個を超える単細胞の微生物を採取して培養した。
試練は逃げれば、どこまでも追いかけてくる・・・私の狭い経験で恐縮ですが、そう思うのです。
あきらめないで、向かい合い、力を合わせて、乗り越えてゆく道があるのだと信じています。
★関連記事
自然は回復する 水俣からチェルノブイリそして・・・