八田達夫や本間正義といった民間議員の暴論は酷かったが、もっと滅茶苦茶なのがネット上に氾濫する、アベ擁護論である。高橋洋一もその一人なのだが、唯一と言ってもいい論拠というのが、「文科省に挙証責任がある、文科省が証明できなかったので、獣医学部設置はOKとなる」みたいな、こじつけ論だ。
八田達夫は、まだ若干の知性を残しているので、ネット上のアベ擁護論をぶつ連中よりはマシだが、立論できていないのは同じだし、特区諮問会議としての説明責任を果たすべき義務を負うだろう。
何が何でも、アベ官邸の獣医学部新設の特区認定は正しかった、というのを言い募る方々に、いくつかの反論を提示しておく。
1)獣医師の需給(見通し)は、文科省所管ではない
ネット上のインチキ言説で多いのが、これである。高橋洋一も同じ論を1カ月間くらいは言い続けていた。根本的に間違っている。八田や本間は、この点については分別が出来ており、アベ擁護派の連中は彼らの発言録を読み返すべきだな。
獣医師需給問題に関しては、基本的に主務官庁は農水省(+厚労省も一部関与)であり、文科省が需給問題を直接的に立論したりする義務はない。ただ一般論として、供給を無暗に増加させた場合の「各種免許・資格制度」上の問題点はある、というのが文科省の立場であろう。
オレのツイートでも、米国におけるメディカルスクールの失敗例や日本での法科大学院の失敗例を書いたわけだが、そうした話は大学教育を考える上では必要な視点・論点であるとは言えよう。
なので、例えば「四国には獣医師が不足している、文科省はこれを覆す需給見通しを出せなかった、だから獣医学部抑制の規制は撤廃が正しい」といった意見があるとしよう。これは、間違っていることは明らかである。
・「四国の獣医師需給」問題(見通し、将来予測)について、文科省は所管外(数値を挙げる義務はない)
・獣医師不足を否定する数値等の根拠を提示できないことと、大学新設が正しい選択ということは、関連していない
・単に獣医師不足なら、既存獣医学部、学科の拡充でも問題ないので、大学新設の理由になってない
・「四国に獣医学部がないこと」と「獣医師が不足」することは、直接的な関係性があるかどうか疑問
2)四国(今治市)に獣医学部がない問題を解消するのと、獣医学部新設は関係性に乏しい
仮に、今治市、もっと拡げて愛媛県や四国に獣医師が不足している、ということがあるとして、例えば待遇改善でも対処可能と指摘したのは、八田や本間などの民間議員だったでしょう?w
まさしくその通りであって、今治市が、例えば「獣医師10名拡充」を目指すとして、一人1500万円の年間報酬に引き上げてみるとする。旧来であれば、1千万円で済んでいたものが、追加費用として一人当たり500万円が必要となる。すると、10名分であるので、年間5千万円の追加負担を生じることになる。
で、これを維持するのに必要な負担は、10年で5億円、40年で20億円である。つまり、獣医学部を新設するという不確実な効果を期待するよりも、公務員獣医師不足を言う今治市にとっては、「待遇改善」というごく当たり前の政策対応の方が有利である可能性は高いのではないか、ということになる。募集しても決まらないなら、追加費用の増額が必要になるかもしれないが、大学新設よりは安上がりで済むだろうね。
八田や本間には、この辺の比較が理解されていたので、特区認定の理由付けとしては今治市が従前より説明してきた「獣医師部不足」を掲げてはいないのである。獣医師免許取得後でも、就業していない人は少なくないので、募集条件で改善する余地はあるだろうね。
特区諮問会議の連中でさえ分かっていたことが、ネット上のアベ擁護派連中には全く分かっていないという、まさしく「結論ありき」の輩が大勢湧いてくるってことですなw
3)「石破4条件」を決めたのはアベ自身
これも当たり前の話であるのに、獣医師会の圧力だの族議員のせいだの、トンデモ論をぶちかます学者風味?だか何だか知らんが、大勢いるわけだな。そうした政治的背景があったとして、だから何?w
石破4条件は、特区所管の内閣府で担当大臣が出した提案であり、これは閣議決定されたものであるので、決定の責任は内閣が負うに決まっているでしょう。そうした4条件が「獣医師会の陰謀だ、不当な規制なんだ」って思うなら、アベがいくらでも拒否できたろうし、石破大臣に「提案はダメな内容なので、作りなおせ」って指示すれば良かっただけでしょうに。条件を附すのが「族議員とか抵抗勢力が悪い企みをやったせいだ」って思っていたなら、決定する前に表に出して戦えば良かったんじゃないですか?w
閣議決定は、内閣がその責を負うんだよw
4)11月9日「国家戦略特別区域諮問会議 決定」は、文科省に挙証責任はない
高橋洋一とか、八田達夫でもその他特区諮問会議の連中でもいいし、特区会議を所管する内閣府でもいいが、誰一人としてこの立論が皆無なわけよ。決めたのは、特区諮問会議自身なのに、だぜ?w
決定を再掲しておこうか?
(この文言を巡って、手書きの修正文書がマスコミに公開となったわけだな)
○ 先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置
人獣共通感染症を始め、家畜・食料等を通じた感染症の発生が国際的に拡大する中、創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進や、地域での感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するため、現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う。
この決定は、文科省に責任はない。特区諮問会議が決めたことなので、挙証責任は特区諮問会議(内閣府側)が負うに決まっているでしょw
注目点は、
ア)創薬プロセスにおけるライフサイエンス研究
イ)感染症対策
ウ)ア)やイ)等新分野の具体的需要に対応
これが新設獣医学部が担うので、加計学園は今治市に獣医学部新設を申請してもいいよ、となったわけで。
つまり、ア)~ウ)の全ては、特区諮問会議が決めたことであり、その挙証責任は彼らが負うに決まっているんだよ。だって、自分がそう主張したんだろ。決定権限は文科省にはないし、特区諮問会議が決定した責任を負うんだよ。
獣医学部新設の理由なのだから、
・既存大学ではできないこと(=なので新設するよ)
・獣医学部にしかできないこと(=なので経済学部や農学部じゃないよ)
は当然であって、尚且つア)~ウ)を満たすものでなければならないのだよ。
八田達夫は、「海外で需要が増えている」と発言していたので、まずはその「海外の需要」が本当に増えていることは示せるはずだろうねwもし根拠なく、WGでそう指摘したのであれば、それは「嘘を言ったのですか?」ってなるぜ?w
また研究の「需要を計測すべき」とも主張したので、具体的な研究の分野なり研究者需要を計測可能にする為の「何を調べるか」を文科省に明らかにしてあげないと、どうやって調べることができるんだね?w
「獣医学部でしかできない、創薬上の生命科学研究」って何だね?
薬学部や医学ではできないのでしょう?だから「獣医学部新設」じゃないと対応できない、って主張したんですよね?w
ウ)の「具体的需要」に対応する為に獣医学部新設を認めるって、特区諮問会議が宣言したんですから、「具体的需要」を知っているのでしょう?ならば、その挙証責任があるのは、特区諮問会議の連中なんですよ。
コント風に書きますか?
文科省「新たなライフサイエンスってよく分かりません、研究需要を計測ってどうするんですか?」
特区諮問会議「獣医師が担う新分野がある、その需要があるんだ、だから新設なんだー!」
文科省「獣医師は不足しているわけではないようですし…新たな需要って?w意味分からんわ」
特区諮問会議「ようし、需要が答えられなかった、挙証責任はお前にある、だが証明できなかったので、獣医学部新設な」
文科省「んなっ?!」
特区諮問会議の議員は、ア)~ウ)を自ら主張したので、その立証は易々とできるはずですな。
構成メンバーは、議長のアベは勿論、大臣も民間議員も皆賛成して、決定したので、その責任は全員にあるよ?そして、特区諮問会議決定の中身については、誰に聞いても「同じ説明」が可能なものなのだわ。だって、全く理解できないものを、賛成なんかできんでしょ?ww
5)国家戦略特区会議での認定内容は、アベ政権に挙証責任がある
これもツイートに書いたことだが、国家戦略特区法8条により、認定するのは総理であり、認定するべき「条件を満たしていること」はアベ総理が挙証責任があるんだわ。条文に、例えば、7項二号だと
『区域計画の実施が国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に相当程度寄与するものであると認められること。』
と書かれているわけ。
獣医学部新設が、「産業の国際競争力の強化」「国際的な経済活動拠点の形勢」に相当程度寄与するもの、という条件をクリアしたものだけが、特区認定となるわけ。
国民が「本当に条件をクリアしたんですか?」って説明を求めたら、決定過程においてクリア要件を検討した中身を説明することなど造作もなかろうにw
「あなたは運転免許の学科試験に合格しました」って行政が認定したら、「本当に合格したんですか」って国民が尋ねても、容易く立論ができるぜ?
それが証明できない、という時点で、そもそも異常なんですよ。
6)アベの「私は一切関与してない、知らない、所管でない」が根本的な間違い
国家戦略特区の制度は、総理が認定するものであるので、「私の責任において決めました」って言うのが普通。
しかし、アベが3月の国会答弁で「所管外で知りません」と宣言したのは明らかであり、根底からおかしい。アベの特定事業認定は、違法に実施されたということだ。
総理の立場であれば、「特定事業及び特定事業者の認定は、法律に基づいて、総理として実施した。その決定の責任は、総理である私が負うものである。」と真っ先に答弁すべきところ。にも関わらず、私は一切知らない、とシラを切る時点で、行政として異常かつ法制度を無視しており、総理の認定が違法に行われたもの、と言える。
第一、何らの問題もない、違法性もない、という人であれば、自分自身が決定したことを隠しだてする必然性がない。決めた行為自体を否定している点が、「真っ黒」を物語っているのだよw
で、1校だけ認定したのを批判するなら、「ようし、こうなったら、何だっていいので、混乱させてやるぜwww全国どこでも獣医学部を新設していいぜーーー!」と、アベ独断でもって「岩盤規制を破ってやる」と総理権限の自慢かね?
ここまでくると、本当に支離滅裂ってことですわな。
八田達夫は、まだ若干の知性を残しているので、ネット上のアベ擁護論をぶつ連中よりはマシだが、立論できていないのは同じだし、特区諮問会議としての説明責任を果たすべき義務を負うだろう。
何が何でも、アベ官邸の獣医学部新設の特区認定は正しかった、というのを言い募る方々に、いくつかの反論を提示しておく。
1)獣医師の需給(見通し)は、文科省所管ではない
ネット上のインチキ言説で多いのが、これである。高橋洋一も同じ論を1カ月間くらいは言い続けていた。根本的に間違っている。八田や本間は、この点については分別が出来ており、アベ擁護派の連中は彼らの発言録を読み返すべきだな。
獣医師需給問題に関しては、基本的に主務官庁は農水省(+厚労省も一部関与)であり、文科省が需給問題を直接的に立論したりする義務はない。ただ一般論として、供給を無暗に増加させた場合の「各種免許・資格制度」上の問題点はある、というのが文科省の立場であろう。
オレのツイートでも、米国におけるメディカルスクールの失敗例や日本での法科大学院の失敗例を書いたわけだが、そうした話は大学教育を考える上では必要な視点・論点であるとは言えよう。
なので、例えば「四国には獣医師が不足している、文科省はこれを覆す需給見通しを出せなかった、だから獣医学部抑制の規制は撤廃が正しい」といった意見があるとしよう。これは、間違っていることは明らかである。
・「四国の獣医師需給」問題(見通し、将来予測)について、文科省は所管外(数値を挙げる義務はない)
・獣医師不足を否定する数値等の根拠を提示できないことと、大学新設が正しい選択ということは、関連していない
・単に獣医師不足なら、既存獣医学部、学科の拡充でも問題ないので、大学新設の理由になってない
・「四国に獣医学部がないこと」と「獣医師が不足」することは、直接的な関係性があるかどうか疑問
2)四国(今治市)に獣医学部がない問題を解消するのと、獣医学部新設は関係性に乏しい
仮に、今治市、もっと拡げて愛媛県や四国に獣医師が不足している、ということがあるとして、例えば待遇改善でも対処可能と指摘したのは、八田や本間などの民間議員だったでしょう?w
まさしくその通りであって、今治市が、例えば「獣医師10名拡充」を目指すとして、一人1500万円の年間報酬に引き上げてみるとする。旧来であれば、1千万円で済んでいたものが、追加費用として一人当たり500万円が必要となる。すると、10名分であるので、年間5千万円の追加負担を生じることになる。
で、これを維持するのに必要な負担は、10年で5億円、40年で20億円である。つまり、獣医学部を新設するという不確実な効果を期待するよりも、公務員獣医師不足を言う今治市にとっては、「待遇改善」というごく当たり前の政策対応の方が有利である可能性は高いのではないか、ということになる。募集しても決まらないなら、追加費用の増額が必要になるかもしれないが、大学新設よりは安上がりで済むだろうね。
八田や本間には、この辺の比較が理解されていたので、特区認定の理由付けとしては今治市が従前より説明してきた「獣医師部不足」を掲げてはいないのである。獣医師免許取得後でも、就業していない人は少なくないので、募集条件で改善する余地はあるだろうね。
特区諮問会議の連中でさえ分かっていたことが、ネット上のアベ擁護派連中には全く分かっていないという、まさしく「結論ありき」の輩が大勢湧いてくるってことですなw
3)「石破4条件」を決めたのはアベ自身
これも当たり前の話であるのに、獣医師会の圧力だの族議員のせいだの、トンデモ論をぶちかます学者風味?だか何だか知らんが、大勢いるわけだな。そうした政治的背景があったとして、だから何?w
石破4条件は、特区所管の内閣府で担当大臣が出した提案であり、これは閣議決定されたものであるので、決定の責任は内閣が負うに決まっているでしょう。そうした4条件が「獣医師会の陰謀だ、不当な規制なんだ」って思うなら、アベがいくらでも拒否できたろうし、石破大臣に「提案はダメな内容なので、作りなおせ」って指示すれば良かっただけでしょうに。条件を附すのが「族議員とか抵抗勢力が悪い企みをやったせいだ」って思っていたなら、決定する前に表に出して戦えば良かったんじゃないですか?w
閣議決定は、内閣がその責を負うんだよw
4)11月9日「国家戦略特別区域諮問会議 決定」は、文科省に挙証責任はない
高橋洋一とか、八田達夫でもその他特区諮問会議の連中でもいいし、特区会議を所管する内閣府でもいいが、誰一人としてこの立論が皆無なわけよ。決めたのは、特区諮問会議自身なのに、だぜ?w
決定を再掲しておこうか?
(この文言を巡って、手書きの修正文書がマスコミに公開となったわけだな)
○ 先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置
人獣共通感染症を始め、家畜・食料等を通じた感染症の発生が国際的に拡大する中、創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進や、地域での感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するため、現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う。
この決定は、文科省に責任はない。特区諮問会議が決めたことなので、挙証責任は特区諮問会議(内閣府側)が負うに決まっているでしょw
注目点は、
ア)創薬プロセスにおけるライフサイエンス研究
イ)感染症対策
ウ)ア)やイ)等新分野の具体的需要に対応
これが新設獣医学部が担うので、加計学園は今治市に獣医学部新設を申請してもいいよ、となったわけで。
つまり、ア)~ウ)の全ては、特区諮問会議が決めたことであり、その挙証責任は彼らが負うに決まっているんだよ。だって、自分がそう主張したんだろ。決定権限は文科省にはないし、特区諮問会議が決定した責任を負うんだよ。
獣医学部新設の理由なのだから、
・既存大学ではできないこと(=なので新設するよ)
・獣医学部にしかできないこと(=なので経済学部や農学部じゃないよ)
は当然であって、尚且つア)~ウ)を満たすものでなければならないのだよ。
八田達夫は、「海外で需要が増えている」と発言していたので、まずはその「海外の需要」が本当に増えていることは示せるはずだろうねwもし根拠なく、WGでそう指摘したのであれば、それは「嘘を言ったのですか?」ってなるぜ?w
また研究の「需要を計測すべき」とも主張したので、具体的な研究の分野なり研究者需要を計測可能にする為の「何を調べるか」を文科省に明らかにしてあげないと、どうやって調べることができるんだね?w
「獣医学部でしかできない、創薬上の生命科学研究」って何だね?
薬学部や医学ではできないのでしょう?だから「獣医学部新設」じゃないと対応できない、って主張したんですよね?w
ウ)の「具体的需要」に対応する為に獣医学部新設を認めるって、特区諮問会議が宣言したんですから、「具体的需要」を知っているのでしょう?ならば、その挙証責任があるのは、特区諮問会議の連中なんですよ。
コント風に書きますか?
文科省「新たなライフサイエンスってよく分かりません、研究需要を計測ってどうするんですか?」
特区諮問会議「獣医師が担う新分野がある、その需要があるんだ、だから新設なんだー!」
文科省「獣医師は不足しているわけではないようですし…新たな需要って?w意味分からんわ」
特区諮問会議「ようし、需要が答えられなかった、挙証責任はお前にある、だが証明できなかったので、獣医学部新設な」
文科省「んなっ?!」
特区諮問会議の議員は、ア)~ウ)を自ら主張したので、その立証は易々とできるはずですな。
構成メンバーは、議長のアベは勿論、大臣も民間議員も皆賛成して、決定したので、その責任は全員にあるよ?そして、特区諮問会議決定の中身については、誰に聞いても「同じ説明」が可能なものなのだわ。だって、全く理解できないものを、賛成なんかできんでしょ?ww
5)国家戦略特区会議での認定内容は、アベ政権に挙証責任がある
これもツイートに書いたことだが、国家戦略特区法8条により、認定するのは総理であり、認定するべき「条件を満たしていること」はアベ総理が挙証責任があるんだわ。条文に、例えば、7項二号だと
『区域計画の実施が国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に相当程度寄与するものであると認められること。』
と書かれているわけ。
獣医学部新設が、「産業の国際競争力の強化」「国際的な経済活動拠点の形勢」に相当程度寄与するもの、という条件をクリアしたものだけが、特区認定となるわけ。
国民が「本当に条件をクリアしたんですか?」って説明を求めたら、決定過程においてクリア要件を検討した中身を説明することなど造作もなかろうにw
「あなたは運転免許の学科試験に合格しました」って行政が認定したら、「本当に合格したんですか」って国民が尋ねても、容易く立論ができるぜ?
それが証明できない、という時点で、そもそも異常なんですよ。
6)アベの「私は一切関与してない、知らない、所管でない」が根本的な間違い
国家戦略特区の制度は、総理が認定するものであるので、「私の責任において決めました」って言うのが普通。
しかし、アベが3月の国会答弁で「所管外で知りません」と宣言したのは明らかであり、根底からおかしい。アベの特定事業認定は、違法に実施されたということだ。
総理の立場であれば、「特定事業及び特定事業者の認定は、法律に基づいて、総理として実施した。その決定の責任は、総理である私が負うものである。」と真っ先に答弁すべきところ。にも関わらず、私は一切知らない、とシラを切る時点で、行政として異常かつ法制度を無視しており、総理の認定が違法に行われたもの、と言える。
第一、何らの問題もない、違法性もない、という人であれば、自分自身が決定したことを隠しだてする必然性がない。決めた行為自体を否定している点が、「真っ黒」を物語っているのだよw
で、1校だけ認定したのを批判するなら、「ようし、こうなったら、何だっていいので、混乱させてやるぜwww全国どこでも獣医学部を新設していいぜーーー!」と、アベ独断でもって「岩盤規制を破ってやる」と総理権限の自慢かね?
ここまでくると、本当に支離滅裂ってことですわな。
本サイトで論証されているように、文科省には石破4条件を担保する責任はありませんし、そもそも内閣府、農水省・文科省の誰も最終的に石破4条件を肯定も否定もしていない。
高橋洋一の珍説では、4条件が否定されなかったのだから、獣医学部新設は問題なしとなるそうで。さすが東大数学科卒業。巧みなペテンロジックを繰り出すものです。
確かに獣医師の主務省は農水省ですけど獣医学部の設置の許認可権は文科省が持っています。今回の場合、獣医学部の設置に反対しおり、規制所管府省庁にあたるのは文科省です。獣医学部の設置を制限しているのは文科省なのだから当然です。
またこれは国家戦略特別区域基本方針という閣議決定されたものですが
[国家戦略特別区域基本方針]
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/kihonhoushin.pdf
この23ページに「規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規
制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行うこととする。」と挙証責任が明記されています。
ですから石破4条件の中にある需要見通しを示せず文科省は反論できず、諮問会議で負けたので、獣医学部新設が決まったんです。
政権擁護派が言っている挙証責任は石破4条件の中の需要見通しのことです。
それが実行されなかったら、規制緩和してよいなんて書いてないです。
それを諮問会議メンバーが「これから越境の対応が必要」って苦しい言い訳してますが、それも鳥インフルも口蹄疫も対応できたって反論してる。
これで挙証責任果たしてないと言うのはそれこそ規制緩和派の負け惜しみで、負けた方の意見が通ったのはまさに行政が歪められたとしかいえないと思います。
文科省が獣医学部の新設を規制している根拠が需要です。
国家戦略特区ワーキンググループ ヒアリング(議事要旨)平成27年6月8日(月)より引用
○八代委員 就職口が問題ではなくて、では、何が問題で規制しているのですか。それは告示ですか。
○北山専門教育課長 需要に基づいて、告示において規制をしております
と上記により文科省は需要に基づいて規制している旨明言しています。つまり需要が満たせていると立証できなければ規制する根拠がなくなります。
ですから、文科省に挙証責任はあるし、立証しなければ規制緩和するのは当然の流れです。
通りすがりさんへ
まず農水省は規制していませんので、挙証責任もないし、獣医学部の新設に対してはフラットな立場です。
おなじく国家戦略特区ワーキンググループ ヒアリング(議事要旨)平成27年6月8日(月)より引用
○藁田課長 この前もお話ししたかと思うのですけれども、獣医師国家試験は一定のレベルを超えていれば、それについては合格としておりますので、量的なコントロールはしておりません。
もうひとつ引用
○藁田課長 私どもが大学に関して我々に権限があるわけではございませんので、我々、需給の現状についてデータに基づいてお話しすることはできますが、先ほど言ったように国家試験について一定のレベルをクリアしたものが合格になると思います。
上記のように規制しているのは文科省です。
では需要について
文科省は既存の分野の需要については確かに説明できていますが新しい分野の需要については説明できていません。
おなじく国家戦略特区ワーキンググループ ヒアリング(議事要旨)平成27年6月8日(月)より引用
○原委員 それに対して、こういうのを提案していくと全部個別にやってみますというお話をされているという理解でよろしいのではないかと思うのですが、先ほど本間先生もおっしゃられた個別の分野について、それぞれ人数規模としてはどれぐらいになっているのかというのは、もし数字がなければ後でも結構なのですけれども、教えていただけますか。
○北山専門教育課長 個別の分野とおっしゃいますと。
○原委員 ライフサイエンスであるとか、越境感染症であるとか、そういった分野の勉強をして卒業されている方というのが毎年何人とかという人数規模がわかるのでしょうか。
○北山専門教育課長(文科省) 全てモデルコアカリキュラムに基づいて卒業している方というのが定員ベースで930人毎年いるということでございますので、それぞれの分野を専攻している人が何人いるかということについては、情報を今持ち合わせておりません。
○牧野課長補佐(文科省) 大まかに公衆衛生であればこのぐらいと、公務員獣医師全体としてはこのぐらいとか、そういった大まかな分野としてはわかるのですけれども、個別に食品管理に何人とか、そういうものは本当に個別に聞かないとわからない状況です。
○原委員 最初に伺ったときには、新しい分野のニーズというのは共有された上で、その具体的なプログラムをつくってくださいということを求められているのかと思ったら、そういうことではなくて、文科省さんのお考えとしては新しい分野などは存在しないだろうと、ニーズはないでしょうというようにお考えになっているという。
○牧野課長補佐(文科省) そこまでは言っていませんけれども、既存の獣医師養成の分野に関しては少なくとも今足りているというように我々は農水省さんから聞いておりますので、その上で関係者も納得するような、これは新しい構想だというようなものを具体的な需要の数までも示した上でお示しいただければ、こちらとしても一緒に検討していきたいというこ
とでございます。
○原委員 挙証責任がひっくり返っている。
上記のように新しい分野についての需要見通しは出せておらず、把握もしていません。また原委員から指摘されているようにデータを出す責任は文科省にあるのに、おそらくそれを理解していないと思われる節があります。
従って需要見通しのデータを出せばまだ規制する余地があるか議論になったんですが、データも出せず挙証責任を理解してもおらず、唯一の規制推進派である文科省が規制の根拠を示せていないので規制緩和の流れにになったと容易に読み取れます。
ここでなぜ新しい分野の需要が必要かを補足すると今治市が申請した、国家戦略特区の申請理由が新しい分野での獣医の必要性があるとしてそういった獣医を養成する獣医学部を新設したいと言っているからです。
記事に書いたので、そちらで返答とします。
ご指摘の『新しい分野での獣医の必要性がある』という今治市の主張点を明確にするべきは、提案主体である今治市と、これを採用するとした特区会議です。
「新しい分野」とは何か、不明確であるからこそ問題になっているのです。
新しい分野とは何かについて提案主体である今治市が明確に述べていますので、参考URL張っておきます。
https://www.ayyoshi.com/%E7%8D%A3%E5%8C%BB%E7%B3%BB%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%AE%E6%96%B0%E8%A8%AD/
需要がないと立証するべきは上記で述べたように文科省です。
根拠は
[国家戦略特別区域基本方針]
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/kihonhoushin.pdf
この23ページに「規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規
制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行うこととする。」と明記されているからです。
処分行政庁の文科省でしょ。
処分行政庁が立証責任負うのなんか当たり前の話です。
もう少し勉強してから発言しなさい。
裁判所から「あ、立証無しですね」って言われて即敗訴でしょ。
加計問題について政府批判をする所轄行政庁の文科省の元官僚たちには、その意識が欠如しています。
それと、総理であろうが誰であろうが、他人をカタカナで呼び捨てにしたりするのは止めなさい。
自分がそうされたらどう思うかくらい、まず人として考えなさい。