浜菊会のブログ

半泣き老狼団。一道民が生き抜く為の記録。

コロナで露呈した医療界の大問題

2021-08-28 08:49:30 | 政治
ここに来て、医師会等への批判が高まっている。
特に高収入の開業医への怨嗟もコミでwバッシング熱が過熱してきたらしいw


オレは昨年3月に次のように連続ツイートした。

>https://twilog.org/hamagikukai/date-200323


先日の相模原中央病院の脳外ドクターから出された症例報告は非常に重みがあり、今もCOVID-19と戦い続けている現場の苦悩を代弁しているように感じる(オレには見えないから一切分からないが)。

確立された治療法がなく、1例1例診て、あらゆる経験と知識を総動員して、対症療法だろうと命を救ってる。

しかも、それだけに専念するわけにはいかない。通常診療をやりつつ、当直もやって急患も診てというのを、合理化・効率化・生産性の美名で削減され続けた医療資源―医師、病床、診療報酬等―の乏しい中で、勝利なき消耗戦だけ強いられているんだ。

彼らを支えているのは、高度な倫理観や使命感だけだ。

嘘八百を並べて誤魔化せる現場なんかじゃないんだ。腐れ官僚たちや東電や関電みたいな腐敗企業人とは違うんだよ。

本当に頭が下がります。

医療現場で、命を削って多くの国民の命を救ってくれているのに、国や国民からの支援は多いとは言えない。

大学や人材育成や研究関係は金を削られた。その一方で、アベ友学園みたいな戦力として全く役に立たない部門には潤沢のカネが流し込まれておるわけだよ。

こんな理不尽があっていいのか?

2003年に医師会を中心とした医療4団体が、「社会保障(医療)は国家安全保障だ」と主張し、聖域なき構造改革に反対した時、皆、鼻で笑ってたではないか。竹中平蔵のような経済学者に留まらず、大勢が「医療費が財政破綻の原因だ」と糾弾し改革が実施されたでしょう?

今、世界中が「これは戦争だ」と大騒ぎしておるだろ?

本当にそうなんだよ。
医療というのは、戦場と似ているって言ってきたでしょう?

安全保障って意味が、ようやく日本国民にも少し理解されるようになるかもしれない。

北海道は特に遠距離という地域特性があり、人口の割に病床数が多過ぎるということで、大幅な削減対象となったわけだよ。
主に公的病院は統廃合や純減となり、大勢の公務員たちが職場を失った。

医療では新たな機器類や医薬品も大事なのだが、一番難しいのが人材育成ではないかと思っている(部外者の個人的感想です)。

新兵器を持たせても、それで勝てるようになるほど戦場は甘くないんじゃないか?

一朝一夕には精強な部隊を作り上げることなどできないってことだ。百戦錬磨の精鋭部隊がいないと、厳しい現場を乗り越えることなどできないんだ。

新式銃を持たせて並べておけば勝てる、などという甘い考えは、現実の戦場においては全く通用しないだろう。

医療現場は、苛烈な環境の中で不当な扱いを受けたりしながらでも、高度な使命感を持ってやってきたわけですよ。

医師は残業時間が年1800時間までOKとかいう、非人道的政策決定に対しても国民は反対してくれたりはしない、ってことでしょう?

そういう方々であっても、医師やパラメディカルの人々は命や生活を犠牲にしても救ってくれているんだぞ?

海外だと臨床上の知見をまとめて、比較的早くにネット上に公開されたりできるが、日本だとそういうまとめ作業ができるほどの人的余裕さえないだろ?

比較的良好な結果が得られれば、ネット上でも意見交換や擬似カンファレンス的に治療方法の選択や進展が可能なるかもしれない。

けど、日本のような普段からバレーボール部はレギュラー6人、バスケ部は5人までしか認めない、という無茶な制度・環境では、一人が病気や怪我をして抜けるなどというのが許されない状況になっておるわけだよ。

おかしいだろ?

重要な戦線を守り抜ける戦力を維持するのに、どうしてギリギリを強いるのか?

補欠とか控えメンバーが常時いないと、試合をすることなんかできないんだぞ?

なのに、生産性向上とかいう、下らないスローガンでもって多くの国民はコストカットに賛成し続けてきたんだよ。

この医療危機は本当に日本の国力をダメにするものだから、社会保障や教育はきちんとやるべきだって何万回も言っても、社会は見向きもせずに来たんじゃないか。

産科の廃止が相次いだ08年頃にようやく「医療崩壊」というテーマで国民の関心が出て、医師数を増加することに政策的な変更がどうにか行われたけれど、それで恩恵が大きかったのは若手医師たちであり、研修医の待遇が昔よりも楽にはなったけど、殆どの医療現場では劇的な過労緩和には至っていない。

むしろ自由選択が広がったこともあり、余裕のある所ほど人が集まり、厳しい現場は一層過小戦力を強いられるようになっているかもしれない。

一般的によく聞くのが、外科系は敬遠される、的な話だな。

国民の命を守るのが一番大事なんだから、その最前線たる医療分野に資金を投入するのが当然だって昔からずっと言ってきたが、日本の経済学者だろうが財務省だろうが識者だの財界人だのは、こぞって反対してきたろ。

もしも日本の医療界が、オレのような下劣で悪魔的な思考方法の持ち主だったなら、今頃はきっと次のように言って治療現場を放棄しているかもしれんな。


「君達が過去を償い反省する時が来た。新型コロナウイルスが君達に罰を与えるのだ。これまで散々虐めいたぶってきた報いを受ける時が来たのだ」

「私は自分の命が惜しい。感染したくないのだよ。だから、君達の治療は拒否させてもらう。何故私が誰よりも感染リスクの高い現場で、これまで私を虐げてきた愚か者たちの病気を治さねばならんのだ?
リスクを回避する、それが合理的判断なのでしょう?ならば今こそ、その合理性を発揮する時なのだよ」


いつも当たり前と思っていた日常とか、いつでも病気を診てもらえるということがいかに有り難く、それを支えてくれている人々がこれほど多いことに感謝せねば、とオレも思っているよ。

これから、まだまだ長い戦いが続く。

今後COVID-19がどうなるのかも分からない。

もし将来に向けて改めようと少しでも考えてくれるのであれば、国全体でもう一度認識をし直して欲しいと思う。

社会保障は国家安全保障そのものなんだ、と。
教育や研究もそれを支える土台なんだ、と。

カネ出して雇えばいい、輸入しろ、他から調達してこい、みたいなのが簡単にできると思わない方がいい。

それが今の教訓だ。

==========


医療を取り巻く環境を思うと、大して改善なんかされてないだろう。
多くの現場の疲弊は続いているだろう。

妊婦の切迫早産が受け入れ拒否、という事態がそれを暗示してるだろう。


その一方で、医療界への批判が噴出していることも分かる。
昨年3月に全力で擁護してたオレでさえ、さすがに幻滅し失望したからな。


医師会・医療学会・著名大学を中心としたコロナ対応とワクチン激賞の醜悪な様は、オレの心を折るのに十分だった。


なんだかんだ言って、オレの今を形作ってきた経験とか歴史において、オレの医療界への信頼度はそれなりに高かった。

オレが見かけた善良で誠実で優秀な医師たちを、心の底では信頼してきたからだ。日本の医療水準の高さを信じ、それを実現してきた医療・医学教育の素晴らしさを疑ってはいなかった。

基礎研究でも頑張り続けてきた日本の医学界を疑ってきたことなど、なかった。


だが、今回のコロナ騒動は違う。

残念だが、権威と組織の論理とカネの前には、無力なのだと知った。


09年の豚インフルエンザ騒動の時、日本国民の多くの命を救ったものは何だったか?
それは、大病院も開業医も関係なく、「自分の眼の前の患者を診る」ことに全集中した結果、多くの命を救ったんだ。

特効薬的なタミフルがあった、って言うでしょ?
そんなのはごく一部の話でしかない。

患者を診て、危ない患者は大きな病院に送って危機を未然に防いだり、外来患者の不安を取り除き、基礎的治療(栄養管理、発熱や炎症管理)を的確にできたからだ。

それを日本全国で頑張って、数千万人規模の患者を「捌き切った」お陰で、致死率が諸外国に比し桁違いに少なく済んだんだぞ。

患者の自力回復・治癒を促したのが一番で、薬剤効果はその一部の手助けにしか過ぎない。何より、患者を診て危ないと判断する人を正確に選別できたからこそ、「受け切った」んですよ。

それは開業医だろうと基幹病院だろうと関係ない。
現場の最前線で向き合っていた医師たちの能力を発揮したからこそ、だろ?
もし全員が真っ先に大学病院に殺到していたら、捌き切れずに混乱だったでしょう?
だって冬に1~2千万人規模で感染者が出たんですよ?


今のコロナ患者の比ではない。
オレはね、そういう日本の医療を信頼し続けてきたんですよ。
日本では、豚インフルエンザ用のワクチンなんて、そんなに普及してなかったでしょ?


当時の医療界はそうだったんですよ。
政府(政治)も今みたいな無駄介入・強権じゃなかった。
日本の医師たちの多くは、そこそこ優秀だし、善良だったはずなんだ。


ところが、今回のコロナ騒動は全く別だ。
情報操作も酷いが、医療界の良識さえも完全に崩壊したかのようだ。
学会や審議会等が政府追認機関と化した。


そして、関東軍と化した尾身会長や医師会幹部ら、その支援グループ等に対し、批判の矛先が向いてきたってことでしょ?w


ある意味、自業自得ではある。
今回のコロナの事は、オレですら、さすがに幻滅し、失望しましたわw


医療従事者はワクチン接種が義務とか言い出して、救急は受け入れ不可能だとかも言って、最後の砦が完全に崩壊した。

オレの信じてきた医療は、今の日本の、ここには、もうない。


日本医師会の会長が自ら、「命の選別をする」と宣言した。マスコミやネット上でも、「普通の患者でも受け入れ困難になるからな」と脅してくるようになった。

昔ならあったであろう「この人たちなら、きっと助けてくれるかも」的な、最後の希望って感じが、今は消滅して全く通用しないのだと知った。

日本はこの20年、何をしてきたのか?
大学改革だの獣医学部新設wだのは、一体全体何だったのか?w


日本は開業医が多すぎるから、って、批判されてるらしいが、それって政策的失敗のせいだろ?w


誰だって一人親方的な立場は辛いだろ?
大規模病院とか地方機関病院での勤務が難しいのは、待遇とか勤務条件とかが影響するのでは?


開業する人の多くは、組織に尽くし貢献してきても燃え尽きるパターンとかでは?

自分の生活を全て犠牲にしても、安い給料と長時間勤務と正当に評価されない環境なら、「やってられない」と感じても不思議ではない。

開業医が増えてしまう大きな理由は、金儲けしたいとかいうことより、理不尽なまでの過酷な待遇とか、国公立病院でも黒字化しろみたいな無意味な収益目標とかで、こんなんじゃ「やってられない」という戦線撤退の結果ではないかと。

大型病院に勤務と町医者的小規模開業医とで、勤務時間とか待遇や収入面で大差ないのであれば、殆どの医師は開業なんかしないのでは?

基本、燃え尽きで開業、では?
それとも、耐え切れず、まともな人間の暮らしを取り戻したい、とか?


けど、今は医師会と幹部が批判されてるから、開業医の怠慢だと一緒に詰られてるっぽいよねw

不憫ではある。


10年前と変わったのは、情報支配の凄まじさ、アベ政権っぽい「やっちまえばこっちのもんだ」という権力暴走と強引さだ。

これが全世界中で行われたのだ。

日本の医療界とて、これには抗えなかった。
政治と情報支配力で攻められては、どうすることもできない。大衆は洗脳されてしまったのだから。


この片棒を担いだのが、日本だけじゃなく、世界の医療界の権威だったのだ。
医療倫理は、こうして破壊されたのだ。