経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

製品の品格

2008-03-26 | 知財一般
 日経ビジネスの定期購読を始めたところ、「50人が語る経営語録」という別冊が贈られてきました。「トップの言葉で読む2008年を勝ち抜く6つのカギ」として、最初に京セラの稲盛名誉会長のインタビューが掲載されていますが、その中でこういうことを仰られています。

「・・・日本人はもともと、非常に精緻で素晴らしいモノ作りの力を持っていました。・・・ 作業者自ら『不良品を出してお客さんに迷惑をかけるわけにはいかない』と考え、実行するのです。つまり、作業者が上質だったわけです。上質な人が作る製品には品格が備わる。世界が日本の工業製品の質の高さを認め、多少高くても欲しがったのは、作り手が製品に品格を持たせていたからです。・・・」

 日頃から「知的財産権で参入障壁を形成して利益率向上を」と主張している者としては、大いに考えさせられる着眼点です。これは製造業だけでなくサービス業にも(もちろん特許事務所にも!)当てはまるでしょうし、特許権の取得云々以上に裾野の広い話だと思います。先の中小企業のための知財戦略活用セミナーでの昭和の高安社長やしのはらプレスサービスの篠原社長のお話を思い出しましたが、知的財産権によって参入障壁を形成するというだけでなく、社内のモチベーション向上にも結び付けることができるならば、知財活動をより意味のあるものとしていける可能性があるのではないでしょうか。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。