VC勤務時代に投資とは何かに興味を持ち、‘1000ドル本’と呼ばれるシリーズを読み耽ったものですが、その著者である荒井拓也氏の最新刊‘バフェット・コード’を読みました。‘1000ドル本’については、そこで説かれていた‘Q型企業’への投資がネットバブルの崩壊でひどいことになってしまったことから、批判的な意見も多々あるようで、今回の‘バフェット・コード’についても、アマゾンのレビューを見ると「具体性に欠けて株式投資の参考にならない」といったネガティブな評価があるようです。「誰か儲かる銘柄の見つけ方を教えてよ」ってハウ・ツーを求める人にとってはそういう評価になるのかもしれませんが、試行錯誤を繰り返しながら「投資とは何か」という本質を追求する氏の姿勢には、「知財とは何か、企業活動にどのように貢献できるか」を追求する一職業人として感銘を受けました。知財には関係ないといえば直接の関係はありませんが、真の意味で「企業を理解する」とはどういうことか、多々考えさせられる部分がある本です。
この本では、バフェットの投資の本質は「リスクをどのようにマネージメントするか」ではなく「どのようにしてリスクを避けるか」にあると分析しています。バフェット自身が「ドラゴンを倒すのではなく、それを避けるのが仕事」と語っているように。リスクファクターを割引率に置き換えて評価するなんていうのは、そもそも割引率の根拠なんていい加減なもので議論するだけ時間の無駄、それより割引率を議論しなくて済むようなリスクフリーのビジネス(グッドビジネス)を探すことに注力しよう、と。‘グッドビジネス’とは10年、15年先の姿を高い確度で見通せるビジネスということなので、それは誰にも同じように見えるものではなく、その人の得意分野や先見力によって異なってくる。投資の本質(≒ビジネスの本質)は‘確実性を探る’ことにあり、将来性、成長力、ブランド力などに関する議論も、それ自体が目的ではなくこの‘確実性’を強固にするための一要素という位置付けになるそうです。
企業が取り組む知財活動も‘確実性を探る’のに結びつけることを本旨と捉えるならば、やはり先にビジネスモデルありきであって、そのビジネスモデルの確実性を高めるという目的に従って、様々な判断を行っていくべきものなのでしょう。先日の「残りの9割」のエントリも、要はそういう話なのではないかと思います。ちょっと抽象論ばかりで何が言いたいのかよくわからない文章になってしまいましたが、本日は個人的な覚書ということで。
※ 「ドラゴンを倒すのではなくドラゴンを避ける」というと、何か消極的な特許戦略をイメージされてしまうかもしれませんが、ここでは「ドラゴン=特許」ではなく、「ドラゴン=ビジネスリスク」と捉えていただければと思います。ビジネスリスクを避ける(ドラゴンを避ける)ために、特許権の積極的な行使が必要になる場面もあるということで。ここで「ドラゴンを倒す」とは、明らかに他にビジネスリスクが存在しているに関わらず、「特許があるから」という理由で突っ込んでいくようなケースをイメージしています。
この本では、バフェットの投資の本質は「リスクをどのようにマネージメントするか」ではなく「どのようにしてリスクを避けるか」にあると分析しています。バフェット自身が「ドラゴンを倒すのではなく、それを避けるのが仕事」と語っているように。リスクファクターを割引率に置き換えて評価するなんていうのは、そもそも割引率の根拠なんていい加減なもので議論するだけ時間の無駄、それより割引率を議論しなくて済むようなリスクフリーのビジネス(グッドビジネス)を探すことに注力しよう、と。‘グッドビジネス’とは10年、15年先の姿を高い確度で見通せるビジネスということなので、それは誰にも同じように見えるものではなく、その人の得意分野や先見力によって異なってくる。投資の本質(≒ビジネスの本質)は‘確実性を探る’ことにあり、将来性、成長力、ブランド力などに関する議論も、それ自体が目的ではなくこの‘確実性’を強固にするための一要素という位置付けになるそうです。
企業が取り組む知財活動も‘確実性を探る’のに結びつけることを本旨と捉えるならば、やはり先にビジネスモデルありきであって、そのビジネスモデルの確実性を高めるという目的に従って、様々な判断を行っていくべきものなのでしょう。先日の「残りの9割」のエントリも、要はそういう話なのではないかと思います。ちょっと抽象論ばかりで何が言いたいのかよくわからない文章になってしまいましたが、本日は個人的な覚書ということで。
※ 「ドラゴンを倒すのではなくドラゴンを避ける」というと、何か消極的な特許戦略をイメージされてしまうかもしれませんが、ここでは「ドラゴン=特許」ではなく、「ドラゴン=ビジネスリスク」と捉えていただければと思います。ビジネスリスクを避ける(ドラゴンを避ける)ために、特許権の積極的な行使が必要になる場面もあるということで。ここで「ドラゴンを倒す」とは、明らかに他にビジネスリスクが存在しているに関わらず、「特許があるから」という理由で突っ込んでいくようなケースをイメージしています。
バフェット・コード荒井 拓也日本経済新聞出版社このアイテムの詳細を見る |