世界のワイン 葡萄屋 店長ブログ

世界中の美味しいワインを探す男のブログです。ワインの試飲会情報やイベント情報なども。

2015年10月 ナパ・ヴァレー訪問!

2015-10-26 | ワインの仕事
ワインだけでなく、観光地としても人気のナパ・ヴァレーに、今年は10月のナパヴァレーに行ってきました。。

ナパ・ヴァレーは、とある調査によると、旅行者が選ぶ訪問先ランキングでは、ディズニーランド、ヨセミテに続いて、
全米で3位の人気だそうです。

今年は訪問するワイナリーを絞って、有名なレストランも含め、廻ってきましたが、
レポートをする前にナパの現状を私なりに書いてみたいと思います。


※全員で

まず、1990年代に入って、パーカーがポイントの点数制を明確にしたあたりから、
パーカーの高得点が出やすいとされる「高抽出、高アルコール」の赤ワインがもてはやされるようになりました。

カルトワインとされるナパのワインは、そういう赤ワイン造りを目指して行い、
高いポイントを得て、一躍ナパヴァレーの垂涎の的になっていったという経緯がありました。

そのカルトワインと呼ばれるワインは、今でも入手のしにくさ、もちろん一般顧客のワイナリー訪問なども受け付けておらず、
そのほとんどは顧客リストに載っているお客様の手に渡って、市場にはなかなか現れてきません。

ただ、最近のナパの赤ワインは、その”力強さ”を前面に押し出したワインとは別の流れが徐々に表れてきている気がします。

それは”エレガント”なタイプの赤ワインです。

当然、ナパ・ヴァレーで普通に醸造すると、力強さは当然伴い、
いわゆるミディアムボディのカベルネ、などはほとんど生産されることはないと思いますが、
力強さがありながらも、エレガントに造ることを志向する生産者が増えてきている気がします。

また、白ワインを代表するシャルドネは、”高アルコール度数、バターっぽさ、強い樽香”という一昔前の人気を独占したスタイルがありました。

この辺りのスタイルも徐々に生産者の意向が、変わってきているように、
日本にいても感じていました。

そのあたりの”今のナパのワインのスタイル”も、
今回の出張で見てみたいと思います。


10月のナパはブドウの収穫がほぼ終了し、葉が色づいてきて、夏の景色から秋の気配を感じました。

気温は日中は30度近くまで達し、日差しも強い週末でしたが、
夜から朝にかけては日本よりも少し寒い体感。

今回のナパは、私が注目しているワイン醸造家「ナパワインの醸造の女神」と
称される日本にまだ未到達のハイジ・バレットのワインを試飲することと、
葡萄屋が取り扱っているワイナリーのティスティングルーム、
そしてこれから取り扱うワインを見に行きました。

取引先様のご協力を得て、プライヴェートな試飲に参加させていただいたり、
特別なキュヴェを飲ませていただきました。

カリフォルニアワインの輸入元、ワインインスタイル様、協和興材様、中川ワイン販売様の
取り計らいにこの場を借りて御礼申し上げます。

さて、今回はカナダ・トロントに住む、葡萄屋のメールマガジン担当でもお馴染みの栗原秀佳さんと、
一緒に道中回りました。


※栗原さんと久しぶりに再会したときに飲んだワイン。手ぶれひどいですが、2013年に訪問したリヴァモアConcannonののソーヴィニヨンブラン。これが最高に美味しかった!


※AT.Tパーク前の写真


※29号線のナパ象徴像


10月9日(金)から10月11日(日)の3日間のレポートを、
以下このブログでご報告致します。

ナパから約1時間30分、黄金色のブドウ畑が広がるナパ・カベルネの最も重要としもいえる銘醸地オークヴィルにある、
スカーレット(旧マガーファミリーセラーズ)を最初に訪れました。

スカーレットの畑はナパ特産地の一 角として広く認められているラザフォードに位置しています。

McGah 家の北カリフォルニアにおける歴史は100年以上前で、 アメリカンフットボールの”オークランドレイダーズ”立ち上げた一人として知られるE.W. McGah が
始めた家族ワイナリー。

ワインメーカーは、マイク・スミス。
2001年からシュレーダー・セラーズにおいて、トーマス・ブラウンに師事してこのキャリアをスタートさせたスター醸造者。
マイク・スミスは、シュレーダーで100 点カベルネを造り出す等、数多くの高評価ワインを生み出しています。

スカーレットのHPはこちらをクリック

こちらは現在、葡萄屋での取り扱いのないワインですが、
2012年のカベルネがWine Adovocateで95点を受けるなど、高い評価を得ていて注目していました。


※Sherratt Reicherと

こちらのワイナリーは、ティスティングルームがなく、パブリックには試飲を行っていないのですが、
今回は特別に、今回、協和興材様の取り計らいで最後のハーヴェストを終えた、
ガーデンティスティングの場にご招待いただき、ワインの試飲とともにお話を伺ってきました。

この極めて私的な雰囲気の輪の中には、
ワイナリー側では、プロプリえいたーのSHERRATT REICHER、PresidentのMattie Cooper、
それからカナダのシカゴから顧客が4名(シカゴのシェフとその友人たち)が集まって、
朝、最後の収穫を終え、我々が到着した12時30分頃には、ワインを楽しんでいました。

今回、試飲させていただいたのは、下記の4本です。



Scarletta Oakville Zinfandel 2008
Scarletta Oakville Sauvignonblan 2012
Scarletto Cabernetfran 2011
Scarletta Oakville Petit Vedet 2011

カベルネは、ラザフォードらしく洗練されたタンニンと細やかな木目のある舌触りで流石が印象。
長期熟成というより、生産後3~4年でも十分楽しめるカベルネでした。

また、現時点で日本に見輸入のジンファンデルは、厚みがあって見事な骨格を感じる本格派。
この4種の中では、最も美味しかったです。

ワインはパーカーポイントも高いレベルで獲得しています。

2012年スカーレット カベルネソーヴィニヨン ワインアドヴォケイト95点
2012年スカーレット ジンファンデル ワインアドヴォケイト91点
2012年スカーレット ジンファンデル WE-エディターズ・チョイス"91点
2012年スカーレット プティ・ヴェルド ワインアドヴォケイト87点

オーナーのよると、ワインは、他にアジア諸国入れず、日本のみに輸出。
日本のお客さんにスカーレットを広めていきたいんだというお話しをしていましたが、
もうワインを結構飲んで”出来上がって”いたため、真面目なお話しより、
日本食への興味をしきりに語っていました。
この日も夕食は、”モリモト”(ナパ・ダウンタウンにある寿司店)に行く予定とのこと。

日本に来た際は、もっと美味しい和食に案内する旨伝え、ワイナリーを後にしました。

約1時間程の滞在でしたが、顧客のお客様も含め、楽しい時間を過ごせました。

その後、スカーレットから至近の距離にある(車で約8分)、お店で昼食へ。
ナパで屈指のフランスレストラン「Auberge du Soleile」。

スカーレットから約10分。リゾートホテル『オーベルジュ・ド・ソレイユ』の中にあるレストラン。
"Auberge"との名の通り、元々は30年以上前に仏出身のシェフが『ナパに南仏プロヴァンスのようなレストランを』と開いたのが始まり、とのこと。

こちらリゾートホテルに併設しているレストランですが、
なかなか予約がとれず、2カ月前に金曜のこの時間にどうにか予約することができました。


※シルヴァラードトレイルを少し北上します


※テラス席。ちょっと日差しが強すぎて、この時期でも少し暑い。テラス2列目のテーブル席がベストです。


※ワインリストはアイフォンで


※前菜です
Half Dozen Seasonal Oysters on the Half Shell, Ginger Mignonette
季節のオイスター ジンジャーソースとご一緒に


※Sautéed Foie Gras, Chocolate Pain Perdu, figure, Cocoa Nibs
フォアグラのソテー チョコラフレンチトーストとイチジクを添えて


※メインです
Kurobuta Pork Chop, Apricots, Fennel, Marcona Almonds. Lemon Verbena Sauce
黒豚チョップ アプリコットフネルアーモンドレモンソース仕立て





今回オーダーしたお料理です。
地元の食材はふんだんに使用したフレンチはどれも洗練されていて美味しかったです。
ミシュラン1つ星。テラスやサービスマンの細やかな気配りを含めると、やはり素晴らしいレストランです。

「ナパヴァレーのワイン休日」の著書で濱本純さんも、おすすめのフレンチレストランでした。

さて、州道29号線に戻り、少し南下すると、ディーン&デルーカのお隣に、
下の建物が目に入ってきます。




これが次の訪問先、フローラスプリングのティスティングルーム。

フローラ・スプリングは、現在、葡萄屋でもメルローを取り扱っています。

日本の在庫は欠品中ですが・・。

有名ワイナリーが話題をさらうナパ・バレーにあって、3世代にわたって地道に家族経営を続けるフローラ・スプリングス。

1977年にジェリー&フローラ・コムス夫妻が廃墟となっていた2カ所のワイナリーを買い取ってスタート。
夫人の名前でもある“Flora(女神)”と、ワインの醸造に不可欠のこの地の水に敬意を払い、
“Springs(泉)”を名前に付け、ラベルには泉に立つ女神が葡萄を手にする様子が描かれています。

 ナパ・バレーの多彩な土壌を研究し、20年間で8カ所、オークヴィルやラザフォードなど5つのアペレーションにそれぞれ異なる特徴を持つぶどう畑を購入。
総面積650エーカーの畑からの収穫は、全体の7割を他のワイナリーに販売すると共に自社ワインを生産しています。

代表銘柄は、セパージュワインが全盛だったカリフォルニアでいち早く始めたボルドー・ブレンド「トリロジー」。
カベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、メルロー、カベルネ・フランなどを少しずつ合わせた同社の逸品です。

また、カベルネ・ソーヴィニヨンは5カ所の単一畑から収穫したぶどうをそれぞれのスタイルで造っており、
ナパ・バレーを代表するシャルドネは、乳酸菌によるマロラクティック発酵を一切行わず、すべて樽の中で発酵させるという、
1980年のファーストリリース以来の手法を遵守しています。

今回試飲させていただいたワインは下記。

2014 Flora Springs Sauvignon blan Soliloguy
2013 Flora Springs Sauvignon Napa Valley Chardonnay
2013 Flora Springs Merlot
2013 Flora Springs Napa Valley Cabernet
2011 Flora Springs St.Helena Rennie Reserve
2011 Black Arrow













傑出したワインはないものの、地道に良質のナパらしいクリアーな飲み口と、雑味のない後味が印象的なワインぞろい。

日本における価格としては、3000円~4000円代と決して安くはないが、
ナパブランドの価格としては、この価格帯がボトムライン。

フローラスプリングスは、ナパをデイリーワインにできる人の、
普段飲みワインとして、これからも立ち位置をキープしてほしいと思います。

最後に試飲させてもらった、ただ、Black Arrowは、別格な存在感を放っていました。
ブラックベリー、サクランボ、カシス、モカ、バニラなどのアロマがグラスの中から立ち込め、
ジューシーでチャーミングな飲み口は、偉大なラザフォードのカベルネを垣間見ることができます。

2011年ヴィンテージは、まだ飲み頃というよりはまだ早く、長期熟成に向く逸品です。



ハロウィン前ということで、茶目っ気たっぷりの骸骨達がそろったこんなテーブルも!
ここでワイン会やったら、楽しいでしょうね。

さて、10月9日(土)になりました。
まず、私たちがこの日最初に向かったのは、ケイマス・ヴィンヤーズ。

ケイマスは葡萄屋でも、カベルネとスペシャル・セレクションを取り扱わせていただいているワイナリーです。

葡萄屋で販売しているケイマス2本はこちらをクリック

ケイマスの創業者は、チャーズ・F・ワグナー。
偉大な”ナパ・カベルネ”の第一人者として知られています。


▲ケイマスのティスティングルームには、そのチャーズ・F・ワグナー含む、家族の絵画が飾られています

彼が造った「ケイマス・ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニヨン スペシャル・セレクション」は、
世界で唯一、ワインスペクテイター誌の「年間トップ100」の「ワイン・オブ・ジ・イヤー」(第一位)に2度も輝いた逸品。


▲ケイマス・ヴィンヤーズののゲート


▲ティスティングルームは、明るく開放的な雰囲気です

”ナパ・カベ”を語る上で外せない「ケイマス」で、試飲したワインは以下です。

2013 Mersoleil Reserve Chardonnay Santa Lucia Highlands
2014 Belle Glos Pinot Noir
2013 Emmolo Merlot Napa Valley
2013 Caymus Cabernet Sauvignon Napa Valley
2012 Caymus Special Selection

上記内容の通常の試飲料は$30で、スペシャルセレクションは含まれまていません。

この中で印象的なワインは、やはりカベルネとスペシャルセレクション。

2013 Caymus Cabernet Sauvignon Napa Valleyは、何度か試飲したことのあるカベルネの今回は2013年ヴィンテージ。
この年は2012年に続き、グレートヴィンテージとティスティングルームの担当者も言っていました。

16のサブアペレーションのうちから選んだ8つのアペレーションの葡萄をブレンドすることにより、複雑で完成度の高いワインを目指しているとのこと。
ブラックチェリー、カシス、ヴァニラにココア、タバコ、ナメシなど様々な香りの要素が絡み合います。
滑らかな飲み口と重量感を感じながらも洗練されたタンニン分はまさにナパ・カベそのもの。
日本での人気も頷ける、ナパを代表するカベルネの1本です。

また、2012 Caymus Special Selectionで特筆すべき点は、ナパ "広域" からの使用果実の選定です。
ナパ内でも一部の小区画からのブドウ絞ったワイン造りを志向する造り手が多い中、チャック・ワーグナーはそれらとの差別化として、
ナパ・ヴァレーにはあまり見られないサブ・アペラシオンからのブドウにも注目しています。

近年ではハウエル・マウンテン、ラザフォード、セント・ヘレナ、カリストガ、ヨントヴィル、アトラス・ピーク、オーク・ノール、
ウッデン・ヴァレーから…と、幅広いエリアからのブドウを使用。

ハーランやスクリーミングイーグルなどの中に入って、各誌で同格の評価を受けるこのワインは、
広域ブドウを絶妙に使い分けて造り上げる芸術作品といえるでしょう。

鮮やかでリッチな飲み口に酸味と樽の香りとともに長く続きます。
時間の経過と共に滑らかな口当たりと変化し、ビロードのような質感がたまりません。

赤ワインを楽しむ至福の悦びに誘う1本に仕上がっています。















ケイマスに続いて、訪問したのは、オークヴィルにあるパラディウム。

パラディウムは、1976年にMarilyn and Renが畑を購入し、1991年がファースト・ヴィンテージというワイナリー。

ここに来たのは、ハイジ・ピーターソン・バレットのワインが、手軽に試飲できるから。

ハイジは、ヘレン・ターリーと並び称される女性ワインメーカーです。
ヘレンの「女神」に対し、「ワインのファーストレディー」とロバート・パーカーが異名をつけています。

ハイジを一躍有名にした功績は、Dalla ValleのMaya 1992がWine Advocate誌のロバート・パーカーに100点と評されたのを初め、98点、99点など高得点を連発したことと、
かのスクーリング・イーグルでは92年~06年までワインメーカーの任にあたった際、1997年産がパーカー満点を得た点に挙げられます。

輝かしい実績をもつ彼女は、このParadigm以外に、Amuse Bouche、Kenzo Estateなどでワインメーカーを務めています。

また、2008年からシャトー・モンテレーナのオーナーの夫ボー・バレットと共同でワインを作るBarrett and Barrettを始め、2011年に最初のワインをリリースしました。

ハイジのワインは”エレガント”なワインと、呼ばれていますが、
このブログの冒頭に書いたように、ナパワインの変化は、
このエレガントな方向に向かっているのでないかと思い、ワインメーカーとして名を馳せるハイジのワインを、
一番手頃に試飲できるこのParadigmで試飲してみました。


▲Paradigの玄関口です


▲ここはティスティング前に当ワイナリーの醸造について、簡単な説明をしてくれます

さて、ここで試飲したワインは下記の4種でした

2012 Paradigm Merlot
2012 Paradigm Cabernet Flan
2011 Paradigm Cabernet Sauvignon
2012 Paradigm Cabernet Sauvignon

この中で最も印象的だったのは、12年ヴィンテージのカベルネフランでした。

美味しいカベルネフランというのは、フランの持つ「青み」をどう料理して全体を造り上げるかだと思います。

ロワールのシノンにしても、他の産地にしても、この青みという特徴をうまく生かして、
美味しいワインに仕上げるのはなかなか難しいものだと思っています。

逆にこの青みが強いのを好きな人もいるのですが、それが苦手な人は、
あまりフランを自ら手に取ることが少ないように思います。

そんな中でこれは旨い!というフランが、このParadigmのカベルネフラン2012年でした。

全体的な仕上がりとしては、アルコール感をそれほど感じず、シルキーな木目細かいタンニン分が心地よく、
アフターにスグリやチェリー系の上品なニュアンスが残っていきます。

食事に合わせやすく、疲れず、次飲むときにも心躍らせてくれる1本でした。

これはカベルネ・フラン好きの妻へのお土産に1本購入しました。

また、カベルネソーヴィニヨン11年と12年は、12年のほうが骨格があり、美味しかったですが、
やはり全体的にマッチョなというよりは、エレガントなタイプで、
飲みやすく、親しみやすい仕上がりです。

今まで飲んだことのあるハイジが担当するワインは、
ラ・シレナ トレジャー・レッド "パイレーツ・トレジャード" ナパ・ヴァレーや、
KENZOのaiやrindoなどですが、どれもエレガントでした。

昨日(10月30日)、有楽町の業界向け試飲会で会ったポール・ホプスも、一言で自身のワインの特徴をと聞くと、
「パワー&エレガンス」と言っていましたが、このエレガントさを求めているナパの造り手が増えていると思います。

この傾向は、今後ナパ・ヴァレーのワインを普及していく上で、
大変良いことだと思っています。











パラディウムの後は、ランチのために予約しておいたビストロ「ブション」へ。
ブションは、ナパの三つ星レストラン「フレンチ・ランドリー」のシェフ・トーマス・ケラーがプロュースするフレンチ・ランドリーの姉妹店。

フレンチ・ランドリーは予約がとれなかったのですが、ブションは予約がとれたので行ってきました。


▲瀟洒なストリートにたたずむブション。




▲店内は食事やワインを楽しむ人がいっぱい。予約しましたが、かなり玄関口で待つことに


▲こちらがテーブルにセッティングされたランチメニュー。


※前菜です
Tartare de Saumon
サーモンのタルタル






※Gigot d’Agneau
子羊のもも肉 レッドビーンズのカスレ添え


食事をとったあとは、ナパのダウンタウンへ。
昨年8月に、サンフランシスコ北部でマグニチュード6.0の地震がありました。
120年来の大きな地震というこの地震では、ナパやソノマなどのワイン産地も、大きな被害が発生したとの報道がありましたが、
とりわけこのナパ・ダウンタウンの街並に被害が大きかったということを聞いていました。


▲被害の程は思っていたほどではありませんでしたが、やはりところどころ工事中の建物が目立ちました


▲地震の爪痕は少し残っていました


▲ただ、ナパリヴァーを取り囲む静かで美しい光景はそのまま。ほっとしました。

さて、次はワイントレイン乗り場へ。
ワイントレイン乗り場と言っても、ワイントレインに乗りに来たわけではありません。

毎年、立ち寄っているワイントレイン併設のワインショップに訪れるために来ました。

森さんという現地ワイン事情に大変詳しいスタッフの方がいらっしゃって、
いつもワイン関係のニュースを聞くことができるのと、
ショップ(小売店)であり、ワイントレインでワインをサービスしていることもあって飲食店としての機能もあるため、
このショップには、通常のワインショップにはなかなか入ってこないワインが見つかることがあります。


▲日本語の説明もあります。ワインはVineyard 29 Cabernet Sauvignon Napa Valley 2012 


▲ドミナスも3種置いてありました!森さんによると、「ウチはこんなのもあるぞと、きばって仕入れるほうです」とのこと


▲ハイジ・バレットが一人で手掛けるワイナリー「La Sirena」。こちら2011年のカベルネは150ドル。


▲ワイントレインの待合室の館内には、絵心のあるハイジの絵画が展示されていました。
 ワイントレインでは、ハイジのイベントを行ったらしく、彼女の絵画も実際に販売されていました。ワイン以上に迫力のあるタッチです

さて、10月10日(日)。
この日は毎回お決まりのコースですが、午前は、オーパスワンへ。


▲オーパスワンの試飲代は現在、45ドル!毎年のように値上がりしていますね。


▲オーパスワンの2階から眺めるブドウ畑。手前にはオリーブの木があります


▲州道29号線のほうを眺めた光景。なぜか、ブドウの木の畝の間隔が違っています。この疑問点、確認し損ねてました。。

そして、この日一緒にナパをまわっていた、シスコ在住の知人の今イチオシのワイナリー、HDVへ。

HDVは、フランス・ブルゴーニュのかのロマネ・コンティのオーナー、オーベール・ド・ヴィレーヌが、カーネロスにあるHyde Vineyardのオーナー、
ラリー・ハイド氏と共同で設立したワイナリー。

HdVはハイド・ド・ヴィレーヌの頭文字から取っています。

カーネロスの地でシャルドネやシラー、ヴィオニエなどを作っていますが、これまでピノ・ノワールはリリースされていませんでした。

このワインは、「カリフォルニア版ロマネ・コンティ」と英米で注目されているらしいですが、
このピノノワールのリリースが遅くなったのは、長年造り続けてきたものの、ロマネ・コンティオーナーのヴィレーヌ氏の
お許しが出るまではリリースできないということで、毎年NGだったのが、ようやく2012年ヴィンテージからOKが出たというお話。

このワイナリーのワインメーカーはフランス生まれのステファン・ヴィヴィアー氏。
世界のピノ・ノワールの頂点に立つヴィレーヌ氏が、フランス以外でピノ・ノワールを出すのは初。

このHDVブランドのピノノワールは、'Ygnacia'がナパ・ヴァレーの畑から、'Ysabel’がソノマの畑を使用しているよう。

今回試飲させていただいたYgnaciaは、公式サイトでも販売しています。

HdVの公式サイトはこちらをクリック




▲'Californio' Syrah 2011


▲'Ygnacia' Pinot Noir 2013

HdVのワインは、ブルゴーニュの王様とカリフォルニアとの饗宴ということで、
今後、日本でも注目されそうです。

以上、今回のナパ・ヴァレーのレポートでした。

カリフォルニアワインは、これまでフランスワインを追い越すことを目標にやってきました。
有名な1976年の「パリ・ティスティング事件」を経て、80~90年は高いアルコール度数と高い抽出度を目指すワイン造りにも取り組みました。

カリフォルニアワインの優れた点は、まずはテロ・ワールの種類が豊富ということ。
葡萄栽培に関する法的規制がフランスなどに比べると緩くて、自由度があるので良いのと、
ワイン造りの方法についても新しいテクノロジーを試すことができる点が優れています。

また、カリフォルニアでは、伝統的なワイン産地と比べ、トレンドが変わりワインが売れなくなったら、畑を変える、ワインメーカーを変える、
酵母を変える、とさまざまな手をうって直ちに結果を求めることができます。

さまざまな変化に対応しながら、より良いものを造りだせる土壌が備わっています。
ただ、逆にカリフォルニアのワイン産業は商業主義が強すぎる点は事実。

そういう点は課題ですが、お客様が喜んで産業自体も発展できるような、カリフォルニアワインの産業を造っていってほしいと思います。

また、最初に書いたように、ナパの今は、やはりエレガントな方向にワイン造りが向かっているということが確かめられました。

今後、ナパヴァレーがどのように進化を遂げていくのか、私もナパワインの1ファンとして見守るとともに、
お客様に美味しいワインをご紹介していきたいと思います。

葡萄屋のナパワインも、これからも様々な美味しいナパワインを取り扱っていきますので、
どうぞ宜しくお願い致します。

葡萄屋 ナパ・ヴァレー産ワインの販売ページはこちらをクリック

また、ナパ・ヴァレー産のワインを手に取って購入したい方は横浜・関内へ!ナパ産ワインも多数揃えています
葡萄屋・関内店のHP・地図はこちらをクリック
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