レッドソックス松坂、2試合計5イニング連続無失点。今後は「省エネ投球」で球数を抑える工夫もして

2007-03-08 02:47:36 | Weblog
レッドソックスの松坂がまたも好投した。6日のマーリンズとのオープン戦に先発し3回を投げ被安打2、3奪三振で無失点に抑えた。初のメジャー球団との対戦。最速151キロの直球に、カーブ、スライダー、チェンジアップを駆使して、走者を置きながらも本塁へ返さなかった。これで先日の大学生チームとの試合も含めて5回連続無失点としている。マーリンズ戦では、3回で球数47だった。100球をめどに投手交代するメジャー。単純計算すれば7回途中まで投げられるが、7イニングスを投げ終える「省エネ投球」もマスターして欲しい。開幕に向けて、松坂は実戦で試すことが多くなってくるだろうが、ぜひ球数をセーブする点も課題として欲しい。

レッドソックス最大の弱点はクローザーの不在。昨年に抑えで活躍したパペルボンが先発に回り、04年のワールドシリーズ制覇に貢献したフォークは他チームに移籍した。抑え候補にはティムリンがいるものの、昨季はオールスター後の後半戦で、防御率6.06と崩壊した。昨季マリナーズでプレーしたピネイロが抑え候補とも言われるが、昨季は40試合登板のうち25試合が先発で、わずか1セーブだった実績では心もとない。

松坂自身は昨季、西武で25試合に登板し、うち完投したのが半分を超える13試合。つまり球数が何球になろうが、相手に向かっていく力投派だった。しかしメジャーでは、投球数で交代することとなる。日本と違い中4日と厳しい登板間隔では仕方がない。つまり松坂が130、140球投げられようが、容赦なく代えられてしまう。5回を投げて勝利投手の権利を手に入れても、リリーフ陣が逆転されて勝ち星がフイになることも多くなってくる。しかも実質的にクローザー不在の状況では、危険度はさらに増す。

ならば松坂にできることは何か。1イニング当たりの球数を抑える「省エネ投球」で、なるべく長くのイニングを投げることだろう。残りのイニングが短ければ短いほど、逆転されるリスクは小さくなる。

通算333勝投手で、パドレス所属のグレッグ・マダックスは、かつて「27球でゲームを終えるのが理想」と話したことがある。つまり、各打者を初球で打ち取り、9回まで完投するという計算だ。

そこまでは不可能としても、なるべく長いイニングを投げるには、球数を抑える工夫も必要だ。周囲が期待する「20勝以上」を達成するには、避けては通れない課題である。