楽天、勇敢な選手たちと不必要な指導陣

2005-04-30 02:33:11 | Weblog

 楽天の選手たち、よく頑張った。ついに11連敗でストップ。しかも打ち崩した相手は西武の松坂だった。今月2日にホーム宮城で松坂を打ち崩してから27日後。「リベンジ」に燃えていたエースを返り討ちにするとは、最下位ながらあっぱれ。

 さて、前回、私が書いた楽天の記事で、選手たちは頑張っていると書いた。私は、足を引っ張っているのは、フロント並びに指導陣だと考えている。
 
 そして昨日、マーティ・キーナートGMの解任が発表された。キーナート氏が連れてきた外国人選手がことごとく外れだったのが理由という。彼は基本的には「評論家」である。彼は昨年からNHKのラジオ講座で、MLBのスタジアム紹介のコラムを書いているが、このコラムはなかなか面白い。毎回、1球場を取り上げ、ユニークなエピソードも交えている。「英会話上級」5月号のテキストには、テキサス・レンジャーズのスタジアムが紹介されている。読んでいると、行きたくなってしまう。しかし残念ながら、彼のGMの仕事としては、なんら個性的なものが見えなかった。MLBアスレチックスのビリー・ビーン氏やレッドソックスのセオ・エプスタイン氏らカリスマGMと比較するのは酷であろうが、彼が仕事をやる必要性が感じられなかった。あえていえばロッテのバレンタイン監督と「ステロイド使用」について論戦を展開し、使用反対を訴えたことか。

 さらに言えば、私は前回書いたように田尾氏が監督をやる必要性も感じない。監督経験はこれまでなし。コーチも2001年に全日本コーチをやっただけで、1年を通じてプロチームを指導したこともない。長く評論家をしていたが、私は彼の話を聞いていて「これはすごい」と思うことは何もなかった。現在、中日監督の落合博満氏が2003年日本シリーズを「ダイエーの4勝3敗」と予想。理由はそれぞれホームのチームが勝ち、ダイエーが4試合するのでシリーズを制すると話していた。結果は完全な「内弁慶」シリーズで、ダイエーが本拠の試合をすべてものにして日本一に輝いた。当然、落合氏の率いる中日が昨季、セリーグを制したことは記憶に新しいだろう。

 では、なぜ彼らを起用した?私の考えとしては明らかな「人気取り」。つまりキーナート氏はメジャーへの造詣が深いアメリカ人。米国人をGMに起用することで、マスコミやファンに対し、メジャーの雰囲気をチームに与えようとしたこと。田尾監督については、どこのチームでも指導していない。つまり「手垢」がついていないことで、創設球団としての「新鮮さ」をアピールしたかったのだろう。

 では、どうしたら良い?私はあえて田尾監督には「捨て石」となってもらい、今年いっぱいは指導してもらう。いまさらトップを代えてもチームに混乱を呼ぶだけだろう。そして来年には、監督としての優勝経験のある人材をトップにすえる。1998年に横浜を日本一に導いた権藤博氏などはいいかもしれない。選手はゲームの勝ち方を学ぶ必要がある。

 チームは長期的に強化していくべきだ。あせる必要はないが、やるべきときには、しっかりと行動しないといけない。

   4月29日のスポーツトップ5
 1位・巨人の清原が500号本塁打を放つ
 2位・サッカーW杯アジア最終予選の日本対北朝鮮戦は、北朝鮮のスタジアムでなく、第三国でしかも無観客試合で行われることになった。
 3位・四国アイランドリーグが開幕。将来、プロ野球選手になる人材がたくさん育ちますように。
 4位・ロッテ20年ぶりの8連勝
 5位・柔道の全日本選手権でアテネ金メダリストの鈴木が連覇。

柏ファンよ、熱く、楽しく、面白く

2005-04-29 12:45:27 | Weblog


 味の素スタジアムで行われたJ1のFC東京対柏のゲームは、柏の選手たちの気迫の勝利だった。

 前節、ホームであった名古屋戦で、サポーターの一部が暴徒化し、名古屋サポーターとの乱闘騒ぎとなった。事件にかかわった11人の柏サポーターに無期限の観戦禁止処分が出された。さらに11人が所属していた2団体が1年間の活動禁止処分を受けた(2団体とも解散を表明)。

 今回の処分のためスタジアム内に張られた横断幕はわずか4枚。しかし味の素スタジアムには約550人の柏サポーターが詰め掛けた。試合開始前の選手紹介。相手の東京の選手名がコールされると激しいブーイング。もっとも、これはどのクラブのサポーターもやる「お約束」。しかし、このブーイングしている柏サポーターたちの姿をテレビカメラが追う。
アウェーの試合なのに、柏のクラブ側が独自に警備員をスタンド内へ配置する。

 そんな中でのゲームに、柏の選手は熱く戦った。東京がロングパスを放り込んでも、こぼれ球をしっかりキープし攻撃の芽を摘む。前半42分には、ゴールキーパーが前に飛び出し無人のゴール状態。ここで放たれたシュートをDF中沢がクリアした。攻撃面では速攻からフリーの状態を作って2得点を挙げた。

 そもそも、私は柏サポーターが危険な集団とは思っていない。ちょっと、「お調子者だけど憎めない奴ら」という印象だ。

 2001年5月12日に柏サッカー場であった柏対FC東京戦が圧巻だった。相手サポーターの東京コールに対し「農協」や「糖尿」コール。柏戦前に東京は浦和と対戦していたが、試合後、東京サポーターが浦和サポーターに囲まれ約1時間半、「軟禁」状態におかれる事件もあった。この事件をからかって「かこめ~、かこめ~、浦和レッズ」という歌まで歌いだす。仕舞いにはゲーム中、東京の選手がボールを持つと、「ズドドドド」と銃声の効果音まで大音響で流してしまう。東京スポーツが、この試合でのサポーターの様子を面白く報じていた。もっとも悲惨だったのはNHKだろう。衛星第一で放送していたが、サッカーの試合中に銃声が延々と鳴り響くなんて、公共放送としては悪夢だっただろう。

 今回の事件は、新聞報道によると、選手がピッチから出た後は応援歌を歌わないという取り決めがあったのに、名古屋サポーターが、それを無視して歌い続けたことが引き金となったという。

 しかし暴力は決して許されることではない。柏サポーターたちよ、選手は熱く戦い、勝利を手にした。今度はサポーターの番だ。これからも熱く、楽しく、面白い声援をスタンドから発してほしい。

プロスポーツはボストン時代到来?

2005-04-28 09:51:16 | Weblog
 
 海の向こうアメリカでは、野球のメジャーリーグ(MLB)が開幕、バスケットボールのNBAはリーグ戦が終了し、東西上位各8チームずつのプレーオフがスタートしている。

 私がどの競技でも、注目しているのがボストンに本拠のあるチームだ。

MLBでは、昨年10月、レッドソックスが86年ぶりにワールドシリーズを制覇。プレーオフのリーグチャンピオン決定戦で宿敵ヤンキース相手に、3連敗した後の4連勝という劇的なドラマを演じてワールドシリーズに進み、ワールドシリーズではセントルイス・カージナルスを4連勝と圧倒的な強さを見せ頂点に登りつめた。

アメリカンフットボールのNFLでも、ペイトリオッツがスーパーボウルで03、04年度と連覇を果たし、今年は史上初となる同ボウル3連覇を目指す。今年2月に行われたスーパーボウルではコーナーバックのタイ・ローら、けが人が続出していたが、クォーターバックのトム・ブレイディを中心に得点を重ね、24-21でフィラデルフィア・イーグルスを下した。

アイスホッケーのNHLはサラリーキャップ制導入をめぐり、労使間の交渉が決裂し今シーズン全試合の中止が決まっている。

アメリカの4大プロスポーツのうち、NBAでセルティックスがファイナルを制すると、実質的にボストン勢がチャンピオンを独占することになる。そのNBAでもセルティックスは東カンファレンスのアトランテック・ディビジョンで地区優勝を決め、プレーオフへ進出した。今年は混戦と言われるNBAのプレーオフ。セルティックスは1回戦でインディアナ・ペイサーズと対戦。28日現在、1勝1敗で競っている。

ボストン時代が来るのか、NBAをそんな視点で見るのも悪くないと思う。

楽天、気楽に行こう。でもファンは熱く声援を

2005-04-26 03:27:47 | Weblog

 楽天がとうとう20敗目を記録した。しかも9連敗中。5勝しか挙げていないので、勝率2割。打率2割1分8厘、77得点、167失点、11本塁打、防御率6.49はいずれも12球団ワーストである。

 25日のオリックス戦も、2回裏に無死満塁の好機を生かせず無得点。先発のルーキー・一場を擁護できなかった。しかも3回表にはオリックスに2点を献上してしまう有様。負けているときは、こういうことがよくあるけれど。

 この勢いでいけば100敗も現実味を帯びてくる。尻に日がついた田尾監督は試合後、選手達に「勝ち負け以前に、どれだけ必死にボールを追ったのか。こんなプレーをしていたらファンも見放すぞ」と一喝したという。

 まあ監督、落ち着きなさいよ。これだけの戦力差で選手はよくやっているよ。むしろ先発ローテーションなど、監督の起用法こそ問題あると思うけれど。まあ細かい話は今度にするとして、まずは落ち着きなさい。たかが9連敗。連敗の日本記録は1998年のロッテの「18」。まだ楽天は半分しか負けていないじゃないか。

 むしろ心配なのはファンの方だと思う。今日の入場者数は9747人。1万人を割っている。なぜ?月曜日だから?相手がオリックスだから?創設1年目に結果を求めなさんな。楽天は巨人やヤンキースのようにお金で選手を引っ張ってくるチームじゃないんだから。もっとも両チームも現在、最下位であるのだけど。

 本当のファンは弱いからこそ支えていこうと思える人だ。さて海の向こうに目を向けて、熱いファンの話をしよう。

場所はニューヨーク。1962年に生まれたニューヨーク・メッツは、その年、120敗を喫した。勝ち星はわずかに40。勝率はなんと2割5分。1900年以降のメジャー新記録だ(03年のデトロイト・タイガースは119敗を喫している。アメリカンリーグ記録)。

 メッツはその後も3年間、100敗を記録している。

 ちなみに63年51勝111敗(勝率3割1分5厘)
     64年53勝109敗(同3割2分7厘)
     65年50勝112敗(同3割9厘)

 しかし、ニューヨークのファンはメッツを見捨てなかった。1950年代にニューヨークに本拠を置いていたドジャースとジャイアンツが西海岸へ去り、ファンは失意の底にいた。

 そこに現れたメッツ。しかも球団のカラーには、ドジャースのブルーとジャイアンツのオレンジを用いる心遣い。一気にファンの心をつかんだのだ。だからメッツがどんなに負けようと、温かく「負け犬」を応援し続けたのである。

 さあ、日本に話を戻すと、楽天がこんなに負け出して急に「ファン」と自称していた人たちの声が小さくなってきた。でも、こんな時だからこそ、ファンの温かい声援が必要ではないだろうか?選手は気楽にやりなさい。ファンは、頑張る「負け犬」たちにエールを送ろう。それでこそ野球文化が発展していくものではないだろうか?

月日の移ろい

2005-04-26 02:31:01 | Weblog

 24日、神宮球場のレフトスタンドに陣取り、東京六大学野球・早稲田対法政戦を観戦した。午後1時45分、私は1塁側の早稲田側のブルペンを眺めている。試合は延長11回表、法政の攻撃、スコアは2-2の同点。緊迫した場面で、ブルペンには右の大谷智久と左腕・宮本賢(ともに3年)が控えている。ともに逸材。おそらく、ともにプロ入りするだろう。一方、法政はマウンドにエース格の福山雄(4年)が2番手で挙がっている。前日9回を投げたばかり。連日の登板だ。

 9年前。まだ大学生だった私は神宮球場へ頻繁に通い、六大学野球を観戦していた。早稲田対法政のカードでは、ゲームを見るよりも法政のブルペンを見ているほうが楽しいときもあった。当時、法政はリリーフ陣に矢野英司(現楽天)、伊達昌司(現巨人)、福山龍太郎(元ダイエー)ら後にプロ入りする有望株がたくさんいた。投手交代も頻繁に行われた。山中正竹監督(当時)が審判に名前を告げた後、マウンドで準備している2投手のうち、フェンス側にいる投手かグラウンド側の投手かを手で合図して伝える。あの動作をみて、なぜか法政投手陣の余裕が感じられて心地よかった。もちろん先発には真木将樹(元近鉄、巨人)がいて磐石の布陣だった。一方、早稲田は三沢興一(現ヤクルト)の護衛艦なしの単独航行といってよかった。先発でない日はブルペンに入り、ゲームの中盤から登板するケースもあった。ブルペンからマウンドへ小走りで向かう姿は、孤独なガンマンの印象を与えた。

 たかが9年、されど9年。有力投手のコマ数が逆転しようとは思いもよらなかった。とはいっても、学生は卒業して去って行く。いつまでも同じ選手がチームに留まっていられない。今の早稲田も2年後、どうなっているか分からない。月日が移ろい、新たなシーズンが始まるたびに、去っていった選手を思い出しながら、新たなヒーローを待ちわびる。そこが学生野球の面白いところである。

古田、ついに大記録達成

2005-04-24 23:48:22 | Weblog
 ついに、ついに、そのときは来た。6回裏の第3打席、古田は広島先発・大竹が投じたスライダーを振り向くと、打球は三塁新井のグラブをはじき、ファールグラウンドを転がった。2塁打。この瞬間、古田の2000本安打が達成された。
 
 日本プロ野球の「救世主」といっても過言ではない古田の大記録。昨年の1リーグ問題では交渉の先頭に立って、プロ野球の球団削減を阻止した立役者だ。

どうせならば神宮で21日まであった三連戦で決めさせてあげたかったが、1日雨で中止になったりしたので、こればかりは仕方ない。

 プレー面でも、古田のこれまでの功績は大きい。昔、野球の捕手は「太った人間がやるもの」という固定観念があり、投手の投げるボールを取るだけの「壁」という存在とも見られていた。しかし、古田は捕手が配球面で投手をリードする存在で、ナインの中で扇の要としての役割を認識させたと思う。

 もちろん、古田の師匠である野村克也がすでに捕手として2000本安打を記録しており、古田にID野球を仕込んでもいるのだが、いかんせん本人も「長嶋がひまわりなら、俺は月見草だ」というぐらい明るい雰囲気でない。そのため、必ずしも捕手の「地位向上」に飛躍的発展をもたらしたとはいえない。その点、古田はチームのリーダーシップのほか、グラウンド内外でテレビに積極的に出演し、のび太くんのようなルックスが野球ファンに親近感をもたらした。

 また大学、社会人を経験しての2000本安打は初めてという。39歳8カ月は史上4番目の高齢での達成だ。その点では「苦労人」の印象も漂ってくる。古田の記録達成に、スポーツ報知のサイトで前述の野村氏のコメントが載っていた。「最初は打撃の技術がなくて駄目だと思ったが、配球を覚えることが役に立ったのだと思う」とあるように、必ずしもバリバリの即戦力ルーキーとは見られていなかったようだ。それだけに、この記録から古田の並々ならぬ努力があったことが伝わってくる。

 私が2000本安打達成シーンではっきりと覚えているのが、1995年4月に達成した落合(当時巨人)のときだ。狙いすましたように、センター越えのホームランを放って偉業を達成した。古田の場合は、いわば渋い長打。でも「苦労人」らしい形で、味わいがある。


 まだ引退には早い。現役を続けながら、若手投手を育てていくことも重要だし、師匠の野村の最終成績まで、あと901本もある。一歩でも二歩でも師匠に近づけるように、今後の活躍を見守っていきたい。


藪、メジャー初勝利

2005-04-24 09:51:29 | Weblog
 今年、メジャーリーグにオークランド・アスレチックスに入団した藪が初勝利を挙げた。1点を追う7回から2イニングを投げ被安打1、無失点。9回の攻撃でチームが逆転したため、勝ち投手の名誉が転がり込んできた。

 相手は昨季、アリーグ西地区を制したロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(今季から名称変更)。藪が対戦した打者には昨季、アリーグのMVPに輝いたゲレーロもいた。しかし藪は8回、ゲレーロらの中軸打者を三者凡退に切ってとった。

 アスレチックスは昨季までジート、マルダーの両左腕とハドソンの安定した先発三本柱を軸に勝ち進んできた。しかし今年は後者2人をトレードで放出。安くて良い素材の選手を集め、高年棒になったら売り払うというアスレチックスGMのビリー・ビーンの哲学によれば、2人のトレードも当然とはいえる。

そして今季、藪が1年契約で入団した。年俸は1億500万円。昨年のハドソンの年棒500万ドル。マルダーは445万ドル(いずれも2004年6月号の雑誌「スラッガー」より)と売りの時期ではあった。2人合わせて10億円弱。藪の年俸は安上がりといえる。

そして今年、藪はブルペンから4試合登板。7回3分の2を投げ1失点。防御率は1.17。しかしビーンの哲学「マネーボール理論」によると、投手への評価ポイントは被本塁打、奪三振数、与四球数で決まるという。藪は今季、被本塁打0、与四球1、奪三振はイニング数より多い8.見事に期待に応えている。

この日の勝利でアスレチックスはエンゼルスと並びアリーグ西地区の首位に浮上した。昨季は5年ぶりにプレーオフ進出を逃したアスレチックス。プレーオフ出場へ向け、さらに藪への期待が高まるだろう。

桜の花が泣いている

2005-04-23 02:23:00 | Weblog
 ラグビー日本代表は負け続きだ。代表のユニフォームには桜のマークが描かれているが、その桜がしおれて見える。昨年11月の欧州遠征では、スコットランドやウェールズ相手に100点前後の失点を喫して大敗した。現在、代表は南米へ遠征中。ウルグアイ、アルゼンチンと対戦するが、16日のウルグアイ戦では前半こそ15対5とリードして折り返したものの、18対24で逆転負けしている。

 世界ランキングではウルグアイ15位、日本は18位。今年度について日本協会の勝田隆・強化委員長は「短期の成果をキッチリあげることに全力を注ぐ」と断言している。しかしウルグアイ戦の先発に高校を卒業したての18歳11ヵ月、クリスチャン・ロアマヌ(埼玉工業大1年)をウイングに起用するなど、代表が「短期的な成果」を本気で出そうとは思えない。もちろん日本代表史上最年少となるロアマヌは前半にトライを挙げるなど活躍したのではあるが。

 しかし日本代表の奪ったトライは前半の2つだけ。後半はノートライに抑え込まれた。スタンドオフにも法政大学の森田恭平(法政大4年)が先発しており、長期的な選手育成を見据えたゲームのように見えてしまう。確かに森田のキック力は高水準だし、将来性ある選手であることは間違いない。

 それでも、この試合は悲しいかな。ロマアヌの最年少記録更新をアピールしただけで終わったのではないか。

 昨年の欧州遠征には、けがをしていないのに遠征を辞退した選手もいたという。欧州遠征の第1戦は11月中旬。トップリーグ第7節を10月30、31日に終えたばかりとあっては、代表に集中できないと考えた人もいたのだろうか。しかし代表の権威は揺れている。

 23日のアルゼンチン戦では、どんな戦いをするのか、桜の花を悲しませないでおくれ。

   この選手がラグビーをやったら、代表は強くなるかもベスト5
 1・清原和博(野球・巨人)よくホーム突入でキャッチャーに体当たりをかましている。あの勢いでラグビーでもセンターをまかせられそう。
 2・田臥勇太(バスケ・元NBAフェニックス・サンズ)敏捷性に優れており、スクラムハーフとして球出しに向いていそう。巨漢相手にスルリと抜けていきそう。
 3・朝青龍(大相撲・横綱)立ち合いでの勢い、スクラムの第一列で使える
 4・中村俊輔(サッカー・セリエAレッジーナ)あのフリーキックの正確さ、ペナルティゴールを狙うのに最大の武器に。
 5・故ジャイアント馬場(プロレスラー)身長209センチはラインアウトのボールをキャッチするのにバッチリ。ただ動きの鈍さは大目に見ないと。惜しい人材を失った。


佐々木の病名診断 

2005-04-22 02:57:00 | Weblog
 横浜の守護神・佐々木がおかしい。先日書きましたとおり、21日に神宮球場へヤクルト対横浜を観てまいりました。このブログで紹介しました7回から見られる格安の「スリーイニングチケット」を購入。元々、古田の2000本安打を期待して行ったのですが、結局、古田は4打数無安打。私が見たのは7回裏の投手ゴロと9回裏の三振でした。古田が願っていた本拠地での大記録達成は夢となりそうです。松山での広島2連戦、福岡での巨人2連戦で凡退し続ければ話が別ですが。

 それよりも、今日は最初に書いた横浜・佐々木の状態を心配せずにはいられません。横浜1点リードの9回裏の守備。ブルペンで肩を作っていた佐々木登場か、と思いきや、ヤクルトの先頭打者が左の岩村だったため、横浜ベンチは8回途中から投げていた左腕ホルツをそのままマウンドに送り込んだ。

 ホルツは岩村を三振に仕留め、このまま続投かと思ったら、ここで「大魔神」を投入。せっかくの横浜の勢いが止まった瞬間だった。マウンドに上がった佐々木に相対するは4番ラミレス。まるで直球を待っていたかの振るスイングはセンターを越えて値千金の同点弾となった。盛り上がるライト側のヤクルト応援団。次の古田は三振に切って取ったが、続く宮出に内野安打、ユウイチに四球を与えるとヤクルトの流れを止められなかった。土橋にレフトへのサヨナラ適時打を許した。

 直球は140キロ台前半。四球を選んだ宮出はフォークを確実に見抜いているようだった。かつては「8回まで横浜リードなら、9回に佐々木が出てきてゲームセット」と相手に思わせた大魔神。その決め球は「2階から落ちてくるようだ」と恐怖感を与えたフォーク。今は出てくるだけで、相手チームに勇気を与える「起爆剤」となってしまった。

 今日の戦犯は?
A・佐々木本人
B・横浜ベンチ
 
 横浜ベンチは明らかに中途半端。ホルツでいくなら、右のラミレスに対しても続投させるべきだった。過去にプロのリリーフ経験者が「次の打者で自分に登板が来るだろうと思い、気持ちを高めているのに、いざ次の打者になってもマウンドの投手を続投させると、あれ?と力が抜けてしまい、集中力を再び高めるのに苦労する」と語っていたことがあった。今回は明らかに、それが当てはまるパターン。佐々木も、右のラミレスからとは思いもしなかっただろう。これではリリーフへのプライドを傷つけたことになる。

 しかし、今日の戦犯はやはり佐々木だ。私が佐々木に下した病名は「燃えつき症候群」。特に大リーグで多く、長年リリーフで活躍していた投手が、ピンチでの登板という相当なプレッシャーを背負った状態で投げ続ける結果、起きる症状という。

 顕著な例が、元アトランタ・ブレーブスのクローザーだったマーク・ウォーラーズだ。1995年にストッパーに定着し25セーブ。ブレーブスのワールドシリーズ優勝にも貢献した。96、97年は30セーブ以上の好投が光ったが、98年に突如、制球力を見出し20回3分の1で33四球、防御率も10点台に沈む。以後も泣かず飛ばずの状態。
 巨人にいたころの石毛博史(ノーコンが直らずトレードに出された。97年の近鉄でイニング最多連続与四球5の日本記録を樹立)も良い例だ。
佐々木は長年、活躍してきたし、度重なるけがをしたことを挙げることもできるが、もう精神的にリリーフで戦う気持ちになっていないのではないだろうか?

 気まずい試合の終わり方ベスト5
1・サヨナラボーク(甲子園で宇部商の投手がやったと思う)
2・2塁走者が3盗。捕手が3塁へ悪送球し、走者が一挙生還
3・2死、代走で出たのに、投手の牽制でタッチアウト
4・1死、外野フライで3塁走者がタッチアップ。同点と喜ぶのも、つかの間、離塁が早く3塁のアピールプレーでアウト
5・同点で迎えた9回裏の守備。無死3塁で満塁策を取るが、サヨナラの押し出し

悪いのはミセリ?

2005-04-21 02:13:52 | Weblog
 

 巨人に鳴り物入りで入団したダン・ミセリ投手(前アストロス)が19日、解雇された。

 今シーズンが始まってわずか4試合の登板で、0勝2敗。防御率は23.63と申し分のない酷さだった。巨人の開幕ダッシュにブレーキをかけた「戦犯」であるのは間違いない。

 昨年のレギュラーシーズンはアストロズで74試合に登板。6勝6敗2セーブ。防御率は3.59と鉄腕ぶりは評価できたが、いまいち、すごいのかよく分からない。これはリリーフ陣の悲しい性でもあるのだけれど。

 ここで問題。悪いのは誰?
 A・ミセリ本人
 B・獲得した巨人

 Aに関して言えば、ミセリは2軍に落ちない契約を巨人としていたから、この絶不調でも契約を盾にファームで再調整を通告されようが、拒否できる権利はある。でも1億7500万円もらうんだから、せめて1年はチームに残るように努力してほしかった。というのも1989年に阪神に在籍したセシル・フィルダーのように、日本へ行ったことがきっかけで、アメリカのデトロイト・タイガースに戻ってから、1990年から2年間本塁打王、同じく1990年から3年間打点王に輝くなど好結果を収めている。本人も「日本で変化球の対応策を学んだ」と日本にいた利点を語っていたのを覚えている。ミセリも、1年我慢すれば、その中から何かを見出せたかもしれなかったのに。ミセリを悪者とするよりも、むしろ残念な気持ちが強い。

 他方、Bの点から考えると、巨人は昨年、ミセリが残したプレーオフでの成績を全く考慮してなかったことが明らかになる。昨年、ミセリはアストロスのプレーオフに5試合登板。ナショナル・リーグの地区シリーズ・ブレーブス戦に3試合に登板。計3回3分の1を投げ第2戦では敗戦投手になっている。さらに次のリーグチャンピオンシリーズ・カージナルス戦では、第2、6戦に登板し、いずれも敗戦投手。ワールドシリーズ進出を逃した原因といっていい。計1回3分の1で自責点4。第6戦ではサヨナラ負けを喫した。このデータを知っていれば、わざわざ高額年俸を払ってまで獲得する選手でないことは明らかだっただろうに。

 最後に、巨人へアドバイス。3Aクラスぐらいのハングリー精神旺盛な選手を雇いなさい。

 悲しいけれど、現役バリバリの大リーガーを連れてくるのはよしたほうが良い。1995年にダイエーで37試合だけ出て帰ったケビン・ミッチェル(前年シンシナティ・レッズでHR30本)や97年に阪神でたった7試合で離脱したマイク・グリーンウェル(前年はボストン・レッドソックス)の例はあまりに有名。特にグリーンウェルについては、95年に私はボストンなどで彼のプレーを見ていただけに期待していたが、思い切り裏切ってくれた。

 最後に日本に来たら確実に失敗する大リーガー予想

 1・キース・フォーク(レッドソックスの守護神。今年は明らかに精彩を欠いている。もっとも去年も活躍したのはプレーオフだけだったような)
 2・ロジャー・クレメンス(現在・アストロス。気に入らないことがあったら、家族を理由にいつでも帰国しちゃいそう。もっとも私はクレメンスファンだが)
 3・デビッド・ウェルズ(レッドソックスの今季開幕投手。98年のヤンキース時代に完全試合を達成。大のベーブ・ルースファン。巨人に来たらルースの背番号3をよこせと言い出しかねない。当然、長嶋さんの永久欠番だからだめだろう)
4・ジェイソン・ジオンビー(ヤンキース。ステロイド使用疑惑の渦中にいる人物。変化球に三振の山を築きそう)
 5・ケン・グリフィー(レッズ。かつてのスーパースター。最近は故障してばかり。日本に来たら、人工芝のグラウンドを見て怖気づくだろう)