アーセナルとハイベリーの素敵な「ラストゲーム」。欧州CL準決勝第1戦でビリャレアルに1-0と先勝

2006-04-21 00:10:39 | Weblog
サッカーの欧州チャンピオンズリーグ準決勝の準決勝第1戦が19日(現地時間)、ロンドンであり、アーセナル(イングランド)がビリャレアル(スペイン)を1―0で下し先勝した。初の決勝進出に向けて絶対必要なホームでの勝ち星を手にした。また、アーセナルのホームスタジアムとして使用されたハイバリーは今季限りで役目を終える。欧州チャンピオンを目指すアーセナルの男たちに「ハイバリーに住むサッカーの神様」が最後のプレゼントをくれたのではないか。

1―0。アーセナルらしい勝ち方だ。アーセナルは今大会の連続無失点試合を9とし最多記録を更新した。1次リーグ第3戦のスパルタ・プラハ(チェコ)戦から無失点が続く。最後の失点は同リーグ第2戦のアヤックス(オランダ)戦の後半26分まで、さかのぼる。

ベンゲルが就任する前のアーセナルは1―0のスコアで勝つことが多かった。守備に重点が置かれたため「アーセナルのフットボールはつまらない」というイメージが固定化した。「1―0」のスコアについては相手クラブのからかいの応援にも登場するほどだった。

しかしベンゲルが監督に就任してチームのスタイルが様変わりした。外国人選手を中心に攻めて見せるフットボールへの変換。ガナーズ(アーセナルの愛称)のオールドファンはとまどいを覚えたことだろう。

ただ皮肉なことに、今季の欧州CLでは1次リーグからの11試合で得点は14、失点はわずかに2と、持ち味の攻撃以上に守備面の活躍が目に付く。これまでベンゲルの指揮したアーセナルが国内では強いのに欧州CLで結果が残せず「内弁慶」と揶揄されていたのは、ここ一番での守備、ノックアウト方式における試合での駆け引き、あるいは勝利に徹するシビアさが足りなかったからだろう。昨季までアーセナルの欧州CLでの最高成績は8強だった。

それが今季は決勝進出へリーチをかけている。しかも国内リーグ優勝の可能性は完全に消滅しており、FA杯、リーグ杯のカップ戦でも敗退しているので、欧州CL一本に特化できる追い風もある。

国内リーグ戦はハイバリーで2試合残っているが事実上、消化試合。優勝を目指せる戦いとしては、欧州CLのこの日の試合が最終戦だった。その最後の舞台で、前半41分にDFトゥーレが左からのクロスに足で合わせて先制すると、そのまま逃げ切り「アーセナルらしい」1―0のスコアでものにした。

攻撃で相手を圧倒できないが、堅い守備でゴールを守り続ける試合展開。この調子で勝ち上がりアーセナルが欧州王座に輝くのも十分に起こりえると思う。