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国際的な人材

大学入試制度、英語教育の早期化など、最近矢継ぎ早にいろいろな改革案が新聞紙上をにぎわすようになりましたが、どうも、その根源は「国際的な人材の育成」ということにかかっているらしい。

しかし、それは呪縛のような気がしてならないのです。

多くのみなさんが国際的な人材というものについて、ある種の憧憬を抱く一方で現実的な問題として「英語がしゃべれない」とか「相手が言っていることがわからない」という想いを持っている。

でもよく考えてみると、日本は戦後、経済成長をとげる段階で丁々発止の交渉事を海外で繰り広げているし、世界中に日本の製品は出ているわけで、そんなに日本人が国際化していないとも思えないのです。

現在アメリカで活躍している日本人選手の中で川崎宗則という選手がいます。イチロー選手と同じチームでプレーがしたいということで、シアトルに旅立ち、現在はブルージェイズに所属している彼には、聞くところによると通訳がいない。

しかも、彼はどう考えても英語を上手に話せる選手でもないのです。しかし、彼はまず野球選手としての力を持っているし、それが評価されたのだからメジャーに上がれている。もちろん、これからいろいろ苦労はあるのだけれど、しかしもともと野球選手としての力がしっかりしていれば、充分に活躍はできるでしょう。

つまりそれぞれの分野のプロとしてしっかりとした力を持っていなければ、いくら海外に行ったとしてもまるっきり評価されるわけではない。どうも、そういうところが軽視されているような気がしてならないのです。

国際的な人材というのは、そういう意味では、もともと持っているある分野の力があるからこそ成り立つものであって、それは戦後海外で活躍した日本人もまたそういうものを持っていたからこそ、後から英語にも対応できるようになったのではないだろうかと思うのです。

もともとのそういう部分を磨く、ということを忘れて、やれ英語だ、やれ国際化だというのは、私は筋道が違うように思えます。

もちろん英語を勉強すべきだとは思うが、まずは一人前の大人として育てるということを忘れてはならないのではないでしょうか。

そういうものがあれば、英語が多少不自由であったとしても、相手からは尊敬されるし、またそういう一人前の大人であるならば、英語でコミュニケーションをとらなければいけない環境になれば、きちんと順応できる。

だからこそ、日本はここまで来ているのではないか、と私には思えるのですが。

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